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転生編〜第2話〜朱の龍
俺はかなり混乱していた。眠りにつこうとしたらふと異世界の村にいる。混乱するなという方が無理だ。でも、こんな時こそ冷静にならなくてはならない。そこで、俺は道端の空き箱に腰掛け現国の復習をすることにした。
「吾輩は人間である。名前はヒイロ。.......」
まともに授業を受けてなかったせいかここまでしか覚えてない。
カン!カン!カン!
激しく打ち鳴らされる鐘の音が響いた。
村人たちは慌ただしく建物の中へと消え去っていった。ふとみると青空を燃えるような朱色の巨体が横切り旋回を始めた。それはまさしく伝説上の生き物であるドラゴンだった。
逃げようにもどこの家の扉も固く閉ざされていた。やむをえずついさっきまで腰をかけていた空き箱に隠れようとした時転び、逃げ遅れた1人の少女が視界の端をかすめた。次の瞬間俺はもうその子に向けて走り出していたんだ。