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基礎ダン〜基礎から学ぶダンジョン学〜  作者: 一宮 カエデ
日常編
8/28

ダンジョン

やっと来ました、ダンジョン回!


初めて戦闘描写を書いたので間違っているところなどが多いと思われますが、

その時は感想で言ってもらえると嬉しいです。

他にも何か間違っているところがあれば教えていただけると嬉しいです。

「皆、注目!」


先生が声を出す。

今俺たちがいるのはダンジョンの入り口である。


「皆、今日からダンジョンに入って行くわけだが、絶対に事故がない様に。あと、まだ2層は行かない様に」


「「「「「はい」」」」」


今回のダンジョン探索は二人一組で行う。

いつもの二人組なので俺は当然ちーちゃんと組む。


準備できたものから次々にダンジョンに潜っていく。

俺とちーちゃんの番になり、人生初のダンジョンに入る。


「影野、玉原!ちょっと待ってくれ」


先生が俺たちを呼び止める。


「お前たちは二人とも非戦闘スキルだから一人助っ人を連れて行け」


そう言うと先生の後ろから誰か出てきた。


「僕が同伴する……」


そう言って現れたのはイケメンの、あのイケメンの北条 将輝だった。

そしてその言葉に俺とちーちゃんが言う事はただ一つ……


「「ご遠慮します」」


「え!?」


「そんなの当たり前です。私たちはリア充がいると、落ちちゅかないんです……」


ちーちゃんよく言った!噛んだけど……。

とある元政治家の言葉を借りて褒めてあげよう。

コミュ障ながらもよく頑張った。感動した!


「僕はリア充じゃない!」


いや、どっからどう見てもイケメンリア充じゃないですか……。お前がリア充じゃなければ、俺たちはどうなるのだろうか……。


「とりあえず、中入ろう……」


ちーちゃんがめんどくさくなったのか、中に入りたい様子だった。


「そうだな、行こうか……」


てか、俺も早く入りたい……。


「待ってよ、二人とも!」


慌てて北条が俺たちを追う。今さっきから思っている事なのだが、北条は俺たちと同じ世界にいる様な気がする。要するにコミュ障だ。


しばらくダンジョンの中を歩いていると突然北条が声を出す。


「二人とも止まって!」


俺たちは何事かと思ったが直ぐにそれは分かった。

俺たちの少し前にゴブリンがいたのだ。


「俺はあまり加戦しないから、二人でできるだけ頑張ってくれ!」


北条はイケメンだし、リア充だし……スキルも強い。

でもだからか頼もしい。俺たちが危険になったら命がけで助けてくれるだろう。


でもさ俺たち、生きているモンスターを殺した事はあるが、動きのあるモンスターを倒したことがない……。

実際まだ倒せるのかもわからない。モンスターだって生きている。この前の試験とは違う。殺されるかもしれないのだ。


「俺たちは勝てる」


「うん……」


ダンジョンに潜る際に貸してもらえるレンタル装備の盾を持ち剣を持って、ゴブリンに敵意を向ける。

すると敵意に気づいたのかゴブリンもこちらに気づく。




一瞬の静寂……




「ギグぃぐぃぎぎぃ!」


ゴブリンが俺たちに襲いかかる。


俺は盾を構えタイミングよく盾でゴブリンを殴る。

ゴブリンが怯んだところでゴブリンの後方で待機していたちーちゃんがゴブリンを切り裂いた。


「やった……」


初めてダンジョンでモンスターを倒した。その嬉しさが、実感が遅れてやってくる。それと同時に自分のレベルが上がったのが分かった。


レベルとはモンスターと戦い、戦闘を学ぶことで上がる。

生物の核となるところに経験値がある。

ちなみにモンスターは魔石と言うものが体内にあり、そこに経験値を貯める。人間で言うところの心臓である。

この魔石は多くの魔力が含まれていて、様々な魔法の原動力になる。

回復魔法は勿論、全属性の魔法まで…しかし今まで確認されている中で一番大きな魔石は1センチ程だという。

しかも魔石なんてものは小さく見つけづらいこともあり、殺したモンスターから取るなんてことは時間の無駄にしかならない。


「やったね、二人とも……」


北条が俺たちのところに来て、褒めた。

なんだか同級生に褒められるって……結構イライラするな。


「この調子でどんどんレベルを上げて行きょう」


あ、噛んだ。せっかくのイケメンとカッコいいセリフが台無しだ。


「グファァア!」


「ひーくん、本音漏れてる」


「まじか……。ごめん」


「いや、いいよ。大丈夫……」


北条が顔を赤くしながら、進んでいく。

そんな感じで俺たちはドンドン進んでいった。


「二人とも、またモンスターがいる。今度はゴブリンじゃなくて、ホーンラビットだ」


「ホーンラビットか…」


モンスターの情報はダンジョン学の授業で習っている。


「確か、頭にデカイ角を持っているウサギ型のモンスターだった、よな?」


心配になり、ちーちゃんに確認する。


「そう、だったと思う……」


よかった。当たっていた。


「さっきと同じ様によるぞ!」


「分かった……」


俺はゴブリンと戦った様に盾を構える。


ズコッ


ホーンラビットが飛んで来たと思ったら、角が盾に突き刺さっていた。


「うわぁぁああ」


俺はカッコ悪い悲鳴を上げてしまった。

ダンジョン内に俺の声が響く。


「ひーくん!」


ちーちゃんがとっさに地面を蹴り、ホーンラビットを倒す。


「ご、ごめん……」


「そ、そんなことより!怪我とかはないの?」


ひーちゃんが心配そうに俺の方に向かってくる。しかしそれを遮るかの様に北条が叫ぶ。


「まずい、影野くん。君の大きな声で多くのモンスターがこちらにむかってくる!」


に、逃げなきゃ!分かってる。で、でも体が言うことを聞いてくれない!


「この僕でも一人しか守りきれない多さだ!早く逃げて!」


そうはいっても体が……。さっきみたいに死にかけるかもしれない。

怖い、死にたくない!




スキル、創造


俺は無意識に心の中で呟く……。


作るものは……



大きな魔石。


材料はモンスター。


『グシャっ』という音とともに


自分の視界に魔石が集まっていく。


ゴブリンやホーンラビットにも魔石はある。しかし、それは目に見えるかどうかの大きさしかない。


それでも大量に集まるとどうなるか……。


俺の目の前ではサッカーボールほどの大きな魔石が輝いていた。


「こ、これは……」


俺たちは魔石に見惚れてしまう。

モンスターのことも忘れてしまうほどに……。


その大きな魔石が完成するまでに一時間もかからなかった……。


「なんだよこれ……」


「自分が一番知っているはずだろ?お前、何をした……」


意識が戻った北条が俺に問いただしてくる。


「た、ただ俺は大きな魔石があれば勝てると思って……」


俺は落ち着いて辺りを見渡す。そこにはモンスターたちが虐殺されていた。


心臓を抜き取られて生きている人はいないように、モンスターにも魔石を抜き取られて生きていけるやつなど存在しない。

ダンジョン学で習う当たり前のことだ。


そして今、俺の前には胸筋付近から血を流している絶命したモンスターたちの死体が転がっていた。


「影野くん、これは、お前のスキルは本当に創造なのかい?」


「そんなことより、皆無事でよかったね……」


ずっと俺と北条のやり取りを見ていたちーちゃんが空気読まず、いや。俺にとっては空気が読めている発言をした。


俺たちはそっから静かにお互いを見つめ合う……。


「今日は帰ろうか……」


ちーちゃんが苦笑いでそう言う。


「そうだな……、今日は帰るか……。北条もいいか?」


「影野くん、あとで話を聞かせてもらうからな…」


北条も賛成してくれた。帰った後がめんどくさそうだ。


俺は魔石をリュックに入れ、ダンジョンを出るために歩き出した。



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