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基礎ダン〜基礎から学ぶダンジョン学〜  作者: 一宮 カエデ
日常編
7/28

第一層試験

誤字脱字や、わからないところがあれば感想などでお願いします。

今日からダンジョン学で本格的な戦闘の訓練が行われる。

今日は朝からすでにクラスが○の惑星と化している……。


「こ、この空気苦手です……」


同士のちーちゃんがぼやく。

正直、俺もこの空気、雰囲気が苦手だ。


「しょうがないよ、今日からテイムのスキルを持っている奴がつれてくるモンスター相手に戦うんだ……」


だが、男としてダンジョンには行きたいし、自分のスキルが弱くたってモンスターと戦いたい。そのな夢を持ったっていいじゃないか!

いや、いいはずだ!


「うわぁ……」


若干ちーちゃんが引いている。


「お前、また人の考えをスキルで……」


「さ……よくわからない……」


とぼけやがって……


と言いながらちーちゃんは自分の席をうろちょろしている。


本当は楽しみなんだろうな……。


今日のダンジョン学は午後からの授業全てだったので楽しみである。

この授業が終わったら遂にダンジョンに潜れる様になる。


「実際モンスターは攻撃すらしない木偶人形らしいぞ?」


クラスの人から聞いたことをちーちゃんに伝えた。

もちろん聞いてはいないし、ただ盗み聞きしただけなのだが……。

だって俺ぼっちだし……友達いないし……。


そして今、昼休みのはずななのだが俺は、俺たちはすでにいつも授業で使う訓練室、ダンジョン学訓練室。通称ダン練室。


「おい、お前、先生呼びいけよ」


「え?ぼ、僕?」


「当たり前だよ!このもやし野郎さっさ行けよ!」


高校に入ってからずいぶん経ち、スクールカーストができてしまった。


今どやされているのがスクールカースト最下位にして俺とちーちゃんの同類である高倉 勇志(たかくら ゆうじ)

クラスでのあだ名はモブ。


かわいそうだな……あいつ……


「クソッ、もっと俺を罵れよ……」


ボソッとモブが呟く……

可哀想なのは……特に頭がな……あと、前言撤回。同類でもない。

ちなみに俺とちーちゃんは運良く清水(きよみず)さんや日向(ひなた)と仲が良かったためか、いじめられはしなかった。


「大変ですねあの人も」


「俺たちも、な……」


あいつも実際、戦闘系のスキル持ちだったから今回の授業も大丈夫だろう。

後で聞いた話だが今日はダンジョンに行くための試験でもあるそうだ。

ちなみにダンジョンの全てに行けるわけでわなく、1層目だけの試験らしい。

ダンジョンの試験は1層1層に分かれている。そうダンジョン学で学んだ。


「今日は一緒に頑張ろうな」


「非戦闘スキルの私たちでも勝てるから大丈夫だよね?」


「あのフラグを作らないでもらえる?」


フラグを立てようとするちーちゃんを止める。


「皆さん集まって下さい」


やっと先生が来た様だ。


「今日は皆さんにゴブリンを倒して貰いたいと思います」


テイムのスキルを持つ人がゴブリンを連れてくる。


「紹介しよう。君たちと年は同じだが3層までの試験をクリアしている。北条ほうじょう 将輝まさき君だ」


北条 将輝は美少年だった。

もう一度言おう。

北条 将輝は美少年だった……。


「キャァァァ」


女子からの歓声が聞こえる。


男子たちからは嫉妬の目が向けられる。


俺はそれよりゴブリンが気になる。

横を見るとちーちゃんと目があった。


「なんでこっち見てるの?」


「イヤ、ナンデモナイ……」


そ、そうか?顔が赤くなっているが…風邪かな?今から試験なのに大丈夫……だね。

俺は聞いたらややこしくなりそうなので、大丈夫ということにした。


それよりだ……


「初めて生きたモンスターを見た……」


「そうですねぇ……」


ちーちゃんが同感してくる。


「そうだね」


清水さんも同感してって、うぇぇえ!?


「清水さん!?なんでこんな所に?」


「パートナーの子がテイムのスキルの子に気を取られていたから……」


なるほど、あのイケメンに、ね。


「清水さんはどうなの?」


「私は、その、いいよ……」


「皆さん、静かにして下さい。今からゴブリンを倒して貰います」


「「「「「「はーい」」」」」」


皆静かになる。


「じゃあ実際に倒して行きましょう。一番最初は……」


順番が来るとモンスターを倒す。その繰り返しが始まった。

しかしそこで問題が発生した。


リバース。そう、吐いてしまう現象が起きてしまう。殆んど、いや、全員……。

そしてとうとう俺の番になった。


「じゃあ、初めてくれ」


よっしゃ、一刀両断だ!


俺は意気込んでゴブリンに襲いかかる。初めての戦闘だ。仕方がないだろう。





結果を言うと綺麗に切れた。まさしく一刀両断だけど俺は吐いてしまった。

肉を切る瞬間、自分が殺人をしているかの様な感じと、切った感触が手に残って気持ち悪くなる。


「次、清水 海奈(うみな)


清水さんだ……。

俺と同じく吐くんだろうな……。


そう、俺は思っていた……。





しかし、清水さんはいつもの笑顔だった。

剣は使わず自分のスキル、結界で相手を押しつぶして殺していた。


清水さんは何もなかったかの様な顔で僕に近づいてきた。


「大丈夫?影野くん」


「あ、あぁ」


俺はこの時初めて清水さんが怖いと思った。

その後も戦闘は続き、試験が終わった頃に先生が口を開いた。


「それじゃあ、合格者を発表する。清水と北条、以上」


「ちょっと待てよ、モンスター倒せたら合格じゃないのかよ!」


誰かが声を荒げて発言する。しかし先生は冷静に対応する。


「お前らはいちいちモンスターを倒すごとに吐いて行くのか?」


先生が言うことが誰もが正しいと思ったのか、全員何も発言しなくなった。


「次の授業ではしっかり合格できる様に皆頑張る様に!」


それから俺たちは吐かなくなるまでモンスターを殺しまくった。

皆が慣れる頃には、ダン練室の中はモンスターの血で真っ赤になっていた。


次のダンジョン学の授業で行われた試験は無事全員が合格できた。

感想などで罵倒してくれると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします。

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