剣術指導開始
急いで書いたので誤字脱字があると思いますが、その時は報告してもらえるとうれしいです。
入学式が終わり1週間が過ぎた頃、ダンジョン学では竹刀を使い、剣の稽古が始まる。
ダンジョンの中では銃などを使うと、流れ弾が人に当たったり、ダンジョンの壁に当たり、ダンジョン自体が崩壊してしまう可能性があるので基本的にダンジョンでは剣を使うことが主流であるらしい。
なので剣術を学ぶのだが……
「皆さん、2人組を作って下さい」
先生からの合図がかけられる。ボッチには厳しい言葉だ。なんて考えている内にどんどん2人組ができていく。
そういえばこのクラス、高校から入ってきた人の中で俺以外にも1人ぼっちがいたような……
「あの……すみません……」
俺は背後からいきなり声をかけられた。いきなり知らない人に話しかけられたぼっちがどうなるか皆の想像通りだろう。
「ひゃい!」
声が裏返り、「はい」すらまともに言えない…
後ろを振り返ると、同じクラスの…たしか、虫 血祭?とか、そんなんだったような…。
気を取り直して、落ち着いて話しかけて来た女の子に改めて聞く。
「ど、どうしたのきゃな?」
やっぱりダメだ、コミュ障は落ち着いたところで所詮コミュ障だ!
「えと、その、あの……私とペアをきゅんできゅだしゃい!」
あ……もしかして、もしかしなくてもこいつ……
同類(コミュ障)だ!
て言うか…
「何故俺なんだ?」
率直な疑問を聞く。
「あなたは私と同じだから……」
コノヒトハナニヲイッテイルノ?
同じコミュ障という点には賛成できるが……。
「あなたは私の運命の人だから……?」
だからこいつは何を言っているんだぁぁああ!
ますます頭が追いついてこない。
「あなたは私と同じ……」
だからなんなんだよ!
「非戦闘スキルだから……」
なるほど、つまり非戦闘スキルと戦闘スキルが組んだら確かに力の差が出てくる……
そのために非戦闘スキル同士で組もうと言うことか…。ならば断わる理由もない。
「いいよ組もうか」
そう言った瞬間背筋に寒気が走る。
「なんだ今のは?」
「どうしたの?」
玉虫 血祭?が心配そうに見てくる。
まぁ、どうでもいいや。
「よろしく、えっと……」
「玉原 千夏、ちーちゃんって呼んで……」
「お、おう。俺は影野 孤、よろしくな、ち、ちーちゃん」
名前間違ってた……。言わなきゃばれないだろう。
「うん」
でもその前に…
「そもそもお前のスキルってなんなんだ?」
「解析……」
「解析!?……マジで?」
「マジで……」
だって解析スキルっていったらSランクスキルだよ?。
人のスキルを鑑定したり出来るので解析スキルを持つ人は国からスキル鑑定など依頼が来るので、休みの日は勿論、学校に来るなんてことはできないはずだ。
はずなのだが……
「お前、ここにいて良いのか?」
居て当然見たいな顔でうなずくちーちゃん。
「皆、ペアが決まったようだな。よし……集合!」
先生から集合がかかる。少しさっきのことが気になるが、まぁ別にいいだろう。
「このペアはこれから1年間、お互い切磋琢磨するパートナーだ。大事にするように!」
ちょっと待て、ちょっと待て!その日かぎりのパートナーじゃないの!?
周りでは、お互いにハイタッチしている人も居るが、中にはもっと考えとければ……とか、女子とペアになりたい。など喚いている人のほうが多くみられた。
「皆静かに!」
ダンジョン学担当の先生が声を荒くして言う。
クラスのざわざわしていた空気が一瞬で無くなる。
「一度お前たちが決めた人なんだ。文句など言わずに一年間、お互い励ましあい、競い合ってみてみるのも楽しいかもしれないぞ?」
先生はさっきの荒げた声ではなく、やさしい口調で言ってきた。
言っていいることもわかる。が、そんな運命の人みたいな出会い…
「おい、ちーちゃん。もしかしてお前が言っていた運命の人ってこのことか?」
「な、なんのことだかわからない……」
あ、これは絶対わかってたやつだ。
てかお前……
「スキル、解析じゃないだろう?」
そう言った瞬間ちーちゃんは顔を真っ赤にさせながら目の焦点が合わなくなっていた。
「ち、ちぎゃうもん!」
ここで噛むとか怪しすぎるだろう!
読心みたいなやつだったりして……。なんてな?
「ち、違うもん!」
うわぁ、この子自分でほとんど晴らしているのと同じだよ……。
俺が驚きながらちーちゃんのほうを見ると、ちーちゃんは手をバタバタさせて否定してきた。
実際俺としてはどっちでもいいので、
「からかうのはこれぐらいにして……」
「うぅぅぅ……」
ちーちゃんがトマトのように赤くなった顔で俺を睨んでくる。
「これからよろしくな」
「運命の人とかクソくらえです!もう自分が選んだパートナーが正解なのか不正解なのか、よくわからなくなりました……」
厳しい言葉をかけられる。まったく……泣くぞ?
「まぁ、これからよろしくお願いします。ひーくん」
ひーくん!?
それからの剣術の稽古は竹刀の握り方などの簡単な基礎的なことから学んでいった。
ダンジョン学での剣術指導が終わって次の休み時間、ちーちゃんが話しかけてきた。
「なんでひーくんは私のスキルが読心だと思ったの?」
「なんでって、そりゃあ、……お前、先生の心の中読んでいたろ?」
「なるほど……」
「でも、お前のスキル読心にしても十分強いじゃん」
「君こそ、本当に強いスキルだよ」
「何言ってんだよ。俺なんてただのEランクスキルだぜ?読心は確かBランクだったぞ?」
「ふふっ、そうだね。そういう事にしとくよ……」
何か意味深なことを言いながらちーちゃんは去っていった。
そのまま放課後になり、いつもの様に妹の美聖と清水さんとで地獄の無言下校も終わり、家に帰ってきた。
その夜、ちーちゃんが言ったことが気になり、ネットで創造のスキルについて調べてみたが何も強いところなんてなかった。しかも調べすぎて夜遅くなったこともあり、おかげで次の日も遅刻してしまった。