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基礎ダン〜基礎から学ぶダンジョン学〜  作者: 一宮 カエデ
フロアボス編
22/28

生徒会長御乱心

私の中学生の頃は皆から罵って貰ってました!


「鈴木のやつ遅いねぇ〜」


先輩からの苦情がうるさい。

俺達は今日もダンジョンに行くため、待ち合わせを部室にして集まっていたが、一向に鈴木くんが来ない。


「先輩なにか知っていますか?」


「さぁ?私はプライベートについては無干渉だからな……すまないが見てきてくれないか?」


「分かりました」


「私も行く……」


ちーちゃんが自分も行きたいと言ってくる。が……


「知らない人が沢山いるぞ?」


瞬間、ちーちゃんの顔が驚愕に染まる。


「いや。でも、く、その、あぁぁ……」


「無理するなよ?俺一人でも戦ってきてやるよ」


「グスッ、うん……生きて、生きて帰ってきてね……?」


「君達は今から行くところを戦場か何かと壮大に勘違いしているんじゃないか?」


先輩が呆れたようにつっこむ。

知らない人がたくさんいる教室で一人で突っ込んで行く。これはコミュ障にはとても辛いものがある。最悪それがトラウマで引きこもりになる可能性だって……。死ぬことだってある……かもしれない。それを戦場と言わずなんと言う!


「顔が青ざめているが大丈夫か?」


「大丈夫だす!」


噛んだ……。どうしよう今になって怖くなってきた。

俺は先輩にヘルプの目を向けた。


「早く行け!」


怒られた……。この世界に神はいないらしい。


そんでもって俺は鈴木のいるクラスに来たわけだが……


「おい鈴木!ダッシュで購買部に行ってパン買ってこいよ」


「いいね!それ。超面白そうじゃん?」


「「「「「「ハハハハハハハハハ」」」」」」


まぁ、なんと言うか、いや、率直に言うとイジメがあっていた。


「ごめん、今日部活があるから……」


「部活?そんなの知るかよ!俺たちは最近ダンジョンには入れなくてムシャクシャしてんだよ!俺のスキルAランクなんだけどさ……お前、食らってくれない?サンドバック?みたいな感じで」


俺はそれを見て、いや、見ていることしかできなかった。

そしてとある疑問が応じた。

多分あの偉そうなやつより、鈴木くんの方が圧倒的に強いのになぜ反撃しないのか?っと……。


「あの、すいませ……」


見ていることしか出来なかった俺に背後から呼ぶ声が聞こえた。


「は、はい!」


クソぉぉおおお!噛まなかったけど声が裏返ったぁぁぁあああ!

振り向くとそこには知らない少女がいた。


「何か用でしょうか?」


「もしかして鈴木くんと同じクラスの人ですか?」


「あ、あぁ」


「鈴木くんから伝言を預かっているんですけど……。その、今日部活に行けなくなってしまったって……」


「そうか……ありがとう……」


しばらく沈黙が続く……。

っと、いきなり少女が話し出した。


「あの!す、鈴木くんを助けてもらえませんか?本当は最初、私がイジメにあっていてそれを鈴木くんが止めてくれました。それから鈴木くんがイジメられて、私どうしたらいいか……」


少女は感極まって泣いてしまった。


「だがらお願い……」


上目使いは駄目だって……。いやほんと……あぁぁああ、もう!


「俺で良ければ……」


何でこう、俺って上目使いに弱いのかなぁ……。

しかし困ったな……。俺にはこんな大役はできないな……。

よし……!


「俺にはこれは無理だな……」


とりあえず部室に戻り、この事を誰かに相談してみよう。それが良い!そうしよう!

俺の座右の銘は他力本願です!

俺は勢いよく、部室の扉を開ける。


「皆さん、助けて下さい!」


「報酬は魔石ね?いいよ」


「ひーくん……私と、永遠に一緒にいること……約束……出来る……?」


ヤバい!対価がでかすぎる……。特にちーちゃんのは受け入れちゃ駄目だ……。何されるか分からん……。

とりあえず話の原点を話しておこう。


「先輩、実は……」


………………。


「よし行こうか?」


先輩が笑顔でそう告げる。

腰に刀を取り付けて……。


「ちょっと待て、先輩……何をする気だ?」


「私の学校に虫が湧いているんだ……。ここは生徒会長として害虫駆除をしなければいけないだろ?」


「いやいや、生徒会長として人殺しは駄目だから!と、とりあえず落ち着いて計画を立てましょう!?」


「そっか……。そうだな……。ここは生徒会長の寛大な心で許してやるか!」


「わ、わかって頂けて嬉しいです……」


鈴木くんには絶対暴力は振るわない……。俺はそう心の中で強く思った。


「ちーちゃん何か良い方法分かる?」


「ガン見……」


「え……?も、もう一回……」


可笑しいなぁ、聞き間違いかな?


「ガン見……」


「それはちーちゃんがされて嫌なことじゃないの?」


「私……だけ?」


「い、いや俺もだけどさ……」


ぼっちはガン見されるのが嫌いなんだよ!


「怒っていること、伝えれば良い……」


そう言いながらちーちゃんは頬を膨らませながら「プンプン……プンプン……」と何回もやっていく。

正直に言おう!めちゃくちゃ可愛い!


「オーケー。もういいぞ、止めてくれ……。」


主に俺が堪えきれない……


「もういいの……?」


「私が想い人の安否が気になっているのに横でイチャイチャしているクズども……ちゃんと考えろや……」


「ちょ、い、イチャイチャなんてそん……」


「考えろ……」


「はい……」


今の先輩に勝てる気が一切しない……。

でもイチャイチャなんてしてないのに……。


「イチャイチャ、イチャイチャ、イチャイチャ、イチャ……」


隣を見ると顔を真っ赤にして怒っているちーちゃんがいた。

その日、俺達はダンジョンには行かず、計画を出し続けた。


イジメって何故無くならないんでしょうかね……?

私はスクールカーストという制度を無くし、皆平等に出来る世界を作りたいです。(願望)

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