表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
基礎ダン〜基礎から学ぶダンジョン学〜  作者: 一宮 カエデ
フロアボス編
14/28

義手

前回の続きです。

「皆、走って逃げろ!」


北条が叫ぶ。


「でもここで逃げても、いつか追い付かれて皆殺られる!」


そうだ……誰かが囮にならなくちゃいけない……。この状況、誰かが一人『死なないと』いけない。


フロアボスは復活しないはずのイレギュラーだ……。

誰かがこの事を伝えないと……他の人にも危険がある。


「皆、先に行け!」


そう叫んだのは日向だった。


「ここを止めれるのは俺しかいない!」


確かに、結界が効かない清水さんは役立たずだ……。

俺やちーちゃんはなおさら……。

それでも……


「嫌だね……」


「いやだ……」


俺が言ったと同時にちーちゃんも言う。


「「絶対逃げない!」」


……腰が引けながら……。


「ここは任せとけ……。俺のスキル知ってるだろ?」


日向……。


「いや、流石にお前ひとりじゃ無理だろ」


「お前は、シリアス展開ぶち壊しすぎるだろ!」


日向に怒られた。確かに今死ぬかどうかわからない状況だけど……。


「スキル、創造……」


作るものは大きな魔石。

材料はモンスター。


「僕の勝ちだ……〇」


俺はとある天才極悪犯罪者の言葉を借りた。


しかし……。


「カラダガ、カッテニ……」


あ、やべ……。モンスターごと来ちゃってるよ。

あぁ~あ、もうすぐで俺のとこに来るよ……。


ゴブリンキングは俺の前に来ると手を振り上げて。俺を殴った。


『「ひーくん!」「影野くん」』


雑魚敵は全部倒せたと、思う……。

あぁ、やべぇ視界がぼやけてきた……。


「いまだ!雑魚がいないうちにみんな逃げろ!」


俺は薄れる視界の中、精一杯のことを叫んだ。


皆、逃げて……くれ。


「ここは?」


「やっと起きたか……」


俺が目を覚ますとそこには神代先生がいた。


「久しぶり、先生」


「そんな久しぶりじゃないだろ」


「いや~、話数的に……」


「お前は何の話をしているんだ?」


「ははは……」


………。


「っで、皆は大丈夫なのか?」


「皆……、無事だよ」


良かった……。


「あのな……」


神代先生が話を続ける。


「日向がな……」


「日向に何かあったのか!?」


俺はビックリして声を荒げてしまう。


「手が、左手が使えなくなった……。いや、無くなった……」


え……………………………………………………?



















「先生、日向に合わせてください」


俺はやっとのことで意識を戻す。


「それはいいが……」


後ろだよな……。

わかっている。わかっていたのだが目を背けたかった……。

二つ、いや、四つの目にずっと見られていたことに……。


「影野くん、体はもう大丈夫ですか?」


「ひーくん、大丈夫……?」


後ろから清水さんが心配そうに聞いてくる。ちーちゃんは俺に飛び込んでくる。


「大丈夫だよ、たぶん……」


俺も自分が大丈夫かはわからない……。


「そうだ、日向のところに行く前にホームセンター寄らなきゃな……」


「あれ?私のことより朝日くんのほうが心配ですか?」


「ひーくん、爆ぜろ……」


うん。ごめんなさい。


「お前たちは大丈夫なのか?」


「うん、大丈夫だよ。ありがとう、心配してくれて」


「遅いし……。ありがと……」


うわ一人はもうすでに手遅れだったらしい。


じゃあ、ホームセンター行くか!


というわけで、俺たちは今ホームセンターにいます。


「何を買うんですか?」


「木材と鉄、アルミとかかな?」

 

「何でそんなものを?」


「日向、腕脳でにあう義手を作ろうと思ってな」


「スキルですか?」


「あぁあ……」


お会計は以上ですか?〇〇〇円になります。ありがとうございました。などの接客マニュアル、もといコミュ障殺害マニュアルが終わった後、俺たちは日向がいる病院に行った。


「大丈夫か、日向」


「あはは、ごめんな。心配させてしまって……」


「それより日向、腕見せてくれ……」


「あぁ、いいぜ!」


と言いながら、日向は右手を差し出してきた……。


「おい、こら!左手だよ!ひ、だ、り、て!」


「……」


日向が真顔になり、首を横に振った。


「こんなかっこ悪い傷見せられないよ……」


「何照れてんだよ、馬鹿……」


友達に自分の失態を見せたくないらしい……。


「だからその腕に合う完璧な義手を作りに来たんだよ」


「お前が言っている義手ってアニメみたいな義手だよな?」


「それがどうした?」


「お前のスキルならできると思っているよ……」


「任せとけ!」


「スキル、創造」


俺は前に作った大きな魔石を使ってスキルを使う。


作るものは義手。

材料は今さっき買ってきたものと魔石。


イメージを固めていく……。


「出来た……」


「す、スゲー……」


日向の腕はまるで本物のようにそこにあった。

違うところは、裏拳のところに赤い魔石があるところだろうか……。


「ごめんな。俺が調子乗ったばかりに……」


「いや、お前がいなかったら逃げることもできなかったぜ!ありがとな……」


大丈夫だよ。


俺と日向をしばらくお互いを見つめあった……。


まだまだ続きます。

すいませんお付き合い下さい。


そして最後にBLを入れてくるところ……、


我ながらキモイですね……。すいません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ