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基礎ダン〜基礎から学ぶダンジョン学〜  作者: 一宮 カエデ
入学式
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入学式当日

初めて小説書いてみました。

わかりにくい点、話の矛盾点などがあれば罵ってくれると嬉しいです。ブヒー



この日本という国は普通である。いたって普通である。普通ったら普通である。

学校もあるし、某ハンバーガーショップやテレビ、マスコミだってある。

俺のお父さんも普通の公務員でお母さんも普通の主婦だ。

俺、影野 孤(かげの ひとり)も今日から高校生になる普通の高校生だ。

だがしかし、だがしかし、この世界にはダンジョンがある。

ないはず物がある。不思議な世界だ。


まったく、不思議だ……


ダンジョンは今から3年ほど前にできた。

最初はとても騒ぎになったが、今ではそのほとぼりも冷め、というか今ではもう一つの産業になっている。

金銀財宝、宝石などなど日本経済を大きく変えた事の例を上げると切りがない。

そしてなんと、ダンジョンにはモンスターがいる。

そしてモンスターを倒すとお金が手に入る!なぜか……。


そんなことはどうだっていい。それより今日から高校生か……。


「行きたくねぇ……」


なんでこう春休みって短いんだろうか。ベッドすら出たくない。憂鬱だ。


「お兄ちゃん、今日ぐらいは学校遅刻しないようにしないと」


入学式なんて昼までしかないのに何でいかなければいけないのか……。

俺はそう考えながら二度寝する姿勢に入る。


「お兄ちゃん!?」


妹の美聖(みせい)の声が強くなってきている。時計を見てみると確かに時間がやばい……。急いで着替えて出なきゃな。


俺は真新しい制服に袖を通し、急いで家を出た。


「ふうぁぁ」

「お兄ちゃん、みっともない」

「やっほ、孤、美聖ちゃん」


幼馴染の日向 朝日(ひなた あさひ)が声をかけてくる


「おはよう、日向(ひなた)

「今日は早いんだな」


日向が皮肉にも似たことを言ってくる。


「さすがに今日ぐらいはな……」

「お兄ちゃん嘘ついたらダメですよ?今日もギリギリだったんですから」

「お前あんまり妹に迷惑かけるなよ?」

「かけてない。ていうか美聖、余計なことは言わんでいい!」

「お前ら今日も仲良いな」


日向が俺と美聖を茶化してくる。


「「仲良くない!!」」


実際他の人から見れば普通のことだろう。

そうこうしている内に何となく学校についてしまった。

俺たちが通っている学校は私立潜徒(もぐと)学園、ちなみに中高一貫校である。よって妹も一緒の学校である。


「じゃあ、お兄ちゃんまた放課後ね。ちゃんと校門前でね」

「あぁ、わかってるよ」

「やっぱりお前ら仲良すぎだろ」

「「仲良くない!!」」

「お、おう。ごめんごめん。冗談だって」


冗談にも言っていいことと悪いことがあるだろう……。


ーキーンコーンカーンコーン-


やべ、予鈴鳴ったし、急がねぇと……。

てかクラス確認してない!


「おい、日向。さっさクラス確認していくぞ」


それから俺達はクラスを確認して、自分達のクラスにいったのだが…


「ま、まじか……」


結論を言うと日向とクラスが違った。

俺は今、一人教室の扉の前でうろうろしていた。


俺はコミ症なんだよ!


「影野くん」


うん、どうしようか。中高一貫なだけに知っている人はいないことはないのだが、入りにくい……。


「影野くん?」


どうしようか……。よし、帰ろう!


「影野くん!?」

「うわっ!」


マジか、気づかなかった。

俺の後ろに女の子がいきなり現れたので、驚いてしまった。


「だ、大丈夫?」

「あ、えっと、大、丈夫だよ」


えっと……。こいつ誰だっけ?


「ごめんね、影野くん。いきなりでびっくりしたかな?」

「ごめん、誰だっけ?」

「え?」


しばらくの沈黙が訪れる……。


「本気で言ってる?私、去年同じクラスだったんだけど……」

「ごめんさっぱり…」


いや、だって仕方ないじゃん!?中学校の頃は日向の陰にいたから誰とも接しなくてよかったし、そもそも友達とか話し相手とかほしいと思ったことなんてなかったし……。


こんな俺をだれが責められようか!


「全部聞こえてるよ?影野くん……」

「え?マジ?」

「うん」


やべぇ、やっちまった。もういいや、うん。もういい、帰ろう。


「俺もう帰るよ」

「え!?でも……」

「止めるなよ。俺は今日は帰るって決めたんだ」

「いや、だから……」

「ったく、なんなんだよ!」

「う、後ろ……」

「後ろに何があるんだよ!」

「この時間に帰るなんて……舐めた真似してるな、影野」


あ。この声は……。


「おはようございます。神代(かみしろ)先生」

「朝から大変だったな、清水(きよみず)


なるほどこの人は清水っていうのか……。てかそんな場合じゃない!


「いや、それよりなんでここにいるんだよ神代先生」

「お前予鈴が鳴ったの知っているか?」


なるほど


「影野、お前な、高校になったらダンジョン学だってあるんだ。お前のそのいい加減さで仲間が死んだらどうする。もう中学生じゃないんだぞ?」


ダンジョン学とはダンジョンに関することを学びダンジョンに行っても死なないようにする術を学ぶ教科だ。ダンジョンができたとき政府が即時に作った必修科目でダンジョンに潜るのにも試験が必要なのだが、その試験も含めこの教科に含まれている。ちなみにこの試験のおかげでダンジョンでの死亡例はこの三年間ない。

神代先生はもっともらしいことを言っているが…………


「で、本音は?」

「お前のことでいろいろ職員室で怒られているからな。もうめんどくさいんだよ……」


うわぁ、俺かよぉ。確かに遅刻常習犯で宿題もしない、授業中は寝るわの好き勝手だとしてもそれだけで、それだけで……


「すみませんでした……」


ここは素直に謝ろう。


「まぁいい、叱っている内にHRの時間も終わりだ。急いで入学式に行ってこい」

「すみません先生……」


俺ではなく清水が謝る。てかまだいたのかよ。

ちなみに神代先生は去年の担任だった。記憶がないが清水も去年の担任だったんだろう。


「とりあえず入学式に行こうか」


清水に手を引かれついていく。

女子と手を繋いだのっていつ以来だろうか……。


「そう、だね」


そんな風に考えていると俺は入学式に出ていた。

その入学式が終わった後、スキル検査だ。

ダンジョンができた日、人々はスキルを宿した。

スキルとは一人一つずつ持てる超能力とでもいおうか……。

そのスキルは人それぞれであり、スキルの例として、日向の形勢逆転や清水の結界など美聖だって電撃というスキルを持っている。(清水のスキルは今日知った。Sランクスキルというだけあってクラスでちょっとした騒ぎになった……)

ちなみにこれらのスキルはランク付けされていて、SランクからEランクまである。

形勢逆転や結界はSランクのスキルであり、電撃は一個下のAランクスキルだ。

そして俺は……


「影野 孤くん」


スキル検査をしている人から声を掛けられる。


「はい」


スキル検査の日。それは退屈でしかない。実際3年前から自分のスキルは知っているはずなので実際しなくていいと思うのだが、まだスキルが発生して3年しか経ってないので安全のため、だそうだ。

仕方ないといえば仕方ない。


「やっぱりいつも通りね影野くん、Eランクの創造ね」

「はい……」


そう、俺のスキルは底辺の底辺Eクラスのスキルである。

名前だけ聞けば強そうだが、実際はそんな大っきいものはできないし、材料も必要となり、不純物質が混じっていると、不純物も混じる。そして作れる物もせいぜい消しゴムの消しカスから消しゴムを復活させるぐらいだ。


……1時間もかけて。


そんなスキルしか持たない俺はクラスではハブられ、一人になってしまった。

まぁ、スキルどうこう以前に元から友達とか日向しかいなかったが……。


スキル検査も終わり、終礼も終わって俺は帰る仕度をしていた。


「影野くん終わった?」


後ろからいきなり声がかけられる。


「び、びっくりした……清水か……」


話しかけた本人である清水のほうがビックリしている。


「どう、したの?」


とりあえず聞いてみる。


「今日一緒に帰ろう」


うん?今のは聞き間違いかな?


「もう一回言ってもらって良い?」

「今日一緒に帰ろう」


聞き間違いじゃなかったぁぁああ!


「何か新手のいじめかな?」

「え?違うけど」


じゃあなぜ何だろう。まぁ、でもクラスのスクールカースト上位の女子と一緒に帰るなんてクソイベントなんかしたくない。


「お断りさせていただきます」

「なんで!?」


どう言い訳しようか……


「あぁ、妹さんか……。今日一緒に帰る約束してたもんね。ごめんね」

「あ、あぁ、ごめんな。」


よっしゃぁああ!ありがとう妹よ。良くわからんが美聖との約束で女子と一緒に帰ると言うクソイベントを回避できた。


そういうことで俺は結局妹と一緒に家に帰ってきた。


今日は一段と疲れたなぁ……。


ベッドに寝転がり今日のことを思い出す。


「そう言えば清水さんの下の名前聞いてないな。まぁ、興味はないが……」


それにしてもなにか胸に引っ掛かるんだよな… …


「……そう言えば清水さんなんで俺が妹と帰るって知っていたんだろう」


まぁ、そんなことは明日聞けば良いか……

俺は薄れる意識の中、なにげに明日の学校が楽しみだと思ってしまった。

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