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【3】

 【2】


 美空本人から直接こういう場所が好きだと話されたわけではない。

 ただ、カブトムシみたいな昆虫なんかをカッコイイと言って捕まえに行くような、自然の緑が好きそうな美空の事だから、なんとなく好きだろうなと感じた。

 アスレチックなんて、見た瞬間に目を輝かせて少年たちと混じって楽しそうに遊んでいそうな気がする。そのうち、虫採り競争でも始めるんじゃなかろうか。

 「私もルカから話を聞いた時に、好きそうだなって。なんていうか、思い切り遊べる場所を見つけてはしゃぐ猫、みたいな姿が浮かびました」

 私はクスっと笑みを浮かべる。

 当たっていると思う。たぶん、子供達とも変な壁を作る事なく、自然体で接する事ができて仲良くなっていそうだ。

 「きっと、子供達とも仲良くなっていそう」

 「そうだね」

 気持ちが穏やかになって落ちつける理由は、穏やかな気持ちになれる原因はそれだけではないように感じた。訪れる人のほとんどが普段の時間に追われた町の時間を過ごしているのではなくて、非日常のゆったりと流れゆく時間と非日常の景色を楽しみに来ているからだ。町の時間を過ごしていると気にもとめない景色が、綺麗なのだと心のゆとりが生まれると気づく事ができる。

 きっと、だからこんな事も思ってしまうのだろう。

 変に過去の気持ちにこだわっていないで、周囲の好意に気持ちに視線を向けてみてもいいのではないだろうか。感情はうつろいゆくものだから、自分の中に芽生えつつある名前がまだないと思っている感情も育ててみてもいいと思う。

 ふと、隣に視線を向けると、秋の柔らかい日光に照らし出された彼女の姿が居た。

 「ん?」

 「なんでもない」

 仕事のプレッシャーとかのいろいろなしがらみを感じる事なく過ごす時間は、自分でも生きている実感がする。それと同時に、しがらみを勝手に生み出してしまっていたのかと、呆れたため息も出てくる。

 「あっちに行ってみようか」

 「はい」

 感情のまま動くのは、気持ちがいい。そこまで、気を使っている自覚がなくても、気を使って行動していたのかもしれない。

 公園の道なりにまっすぐ進むと、元気よくアスレチックで遊ぶ子供達の姿と建物が何軒か並んでいる。そのまま橋を渡って行くと、インフォメーションの近くに作品のサンプルが展示されているのが視界に入った。

 自分自身が物作りをしているせいか、普段作っているビーズ以外の作品もつい引き込まれて見てしまう癖がついてしまっている。見ているだけで胸の奥がワクワクしてくるのを、感じてしまう。

 「優香さん、こういう作れる場所、好きですよね」

 「うん」

 「作れるみたいですけど」

 「本当?作る!」

 「どれにしますか?」

 「んー…どれにしようかな」

 どのアトリエにしようか迷いながら、優しい笑みを浮かべられているのを見て、子供のようにはしゃいで即答している自分が急に恥ずかしくなってきた。

 「じゃあ、コレにしようかな」


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