12
「殿下ー?殿下!」
じたばたと足音が聞こえたと思ったら部屋の扉が乱暴に開けられる。
「殿下!やっぱりここですか。殿下も12になられたのですから、無断でこの部屋を使ってはなりません。皆困ってしまいます。」
「悪い悪い。次からは気を付けるよ。」
てへっと笑うレーガンいや、レイを見てローランドの騎士団副団長であるハクですら何でも許してしまう。
僕ことレーガンは12歳になった。
10歳になると、自分で自分の名前を付け足せるようになる。
このときにレイとしたため、今では皆にレイ王子やレイ殿下と呼ばれることが多くなってきた。
レイはローランド皇国の第一王子であり、ローランド皇国では優秀な第一王子ができると若いうちに国を任されることが多いため、もうすでに殿下などと呼ばれているわけだ。
レイはチートとまだ1歳の時から始めた努力により、魔法はすでに
ローランドの魔団員を越えている。
さらに訓練のチートにより、対人や対獣などの体術と剣や槍、弓なども扱える。
これらもハクともかなり善戦できるぐらいのレベルまできている。
そしてスキルも勢揃い。
まだ周りには軽くしか見せてはいないが、それでも12歳にしては完璧すぎるほどであった。
それゆえ父である現国王はレイに継がせるつもりでいたのだった。