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ダークファイア
はじめての投稿ですのでお手柔らかにお願いします。
感想やアドバイスを書いていただけたら嬉しいです。
真夜中の住宅街、ビルの屋上にひとつの人影があった。
背格好からしておそらく男だろう。真っ黒なローブを着て闇に紛れながらその男はある場所を見つめていた。
男の目線の先にあったのは 豪華な住宅だった。
広い敷地にはさまざまざな植物が生い茂り他の家とはちがった完全な洋式の豪邸だ。
男は腕時計を見た。短針は3の近くを指し、長針は12の少し前にあった。
男は秒針にあわせて小さな声でカウントをはじめた。
「20、19、18、17…」
静かな夜に男の声が不気味に響く。
「10、9、8、7…」
数が小さくなるにつれて声に高揚感がにじみはじめる。
「3、2、1」
突如、まばゆい光が夜闇を切り裂く。
爆発音が静寂をうち壊す。
男は燃え上がった建物を眺めて顔に笑みを浮かべた。わき上がってくる興奮を押さえこみながら新月の夜空に向かって呟いた。
「さあ、始まりだ。」