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あの建物を出てから結構な時間歩いたが、疲れや空腹を感じない

男は不思議に思ったが、だからといって困ることでもないかと、あれこれ考えることを止めた

暫く当てもなく歩いていると、只でさえ薄暗かった森が更に暗くなってきた

大分日が傾いてきたようだ

どこか野宿できるような場所を確保せねばと思ったが、疲労や眠気が無く、夜目が効くのか、薄暗くなってきているのにも拘らず特に差支えなく行動できていた

なのでまだいいかと思い、今はとりあえず歩いて人を探そうと考えた


そうしてさらに歩いているといつの間にか完璧に日が沈んでいたようだ

何故いつの間にかなのかというと、日が完全に沈んでおり、月明かりさえない暗闇にも拘らず見えるのだ、周りが

そのため気が付くのか遅れたようだ

昼間と比べると若干見え辛いのだが、こうして歩いている分にはまったく問題がなかった


「流石におかしい気がするぞ…何故夜でもこうして見えているんだ?」


男は自分の体はどうなっているのかと不思議に思ったが考えても解らないだろうし困るものでもない、便利なのだし良いか、とあまり深くは悩まなかった

だが眠気や疲れに関しては、ただ感じていないだけで、本当は体はとても疲れているのかもしれない

かれこれ何時間歩き続けているのか解らないほど歩いているのだ

いまだによく解らない森から出られていないが、ここらで少し休憩しようと考えた

眠くないのに眠れるか少し不安だったが、横になってしまえばそのうち寝られるだろうと思い、どこか横になれそうな場所を探すことにした


幸いすぐに場所は見つかった

横になるのに邪魔な樹や根っこのない、比較的平らな場所だ

葉っぱや土で服が汚れるが多少は仕方ないだろうと考え、横になる

幸い今の時期は夜でもそこまで気温が下がらないのか、寒さを感じることは無かった


男は目を瞑りながら今日の事を改めて振り返る


目が覚めたら裸で変な建物の変なカプセルに入っていた

生まれた場所は覚えているが、自分の名前や今までの記憶を覚えていない


(俺が眠っていたカプセルにはオウドと書かれていたんだよな…とりあえず記憶を思い出すまではオウドと名乗るか…そういえば服と一緒に銃があったけど、結局撃っていないな…明日起きたら試し撃ちでもしてみるか…)


(とりあえず人を見つけて、この森がどこなのか、それと俺が生まれた国、セントクルセイドの場所を聞き、そこへ行こう、何か思い出すかもしれない)


(さて、考え事はこの位にして、もう寝よう)


ところが、寝ようと意識しすぎているからなのか、一向に眠くならない

しかし横になって目を瞑っているだけでも体はやすまるだろうと思い、しばらくそのまま目を瞑っていた


一体どの位の時間こうして目を瞑り横になっていただろうか

結局辺りが白んできても一切眠気を感じることは無かった

オウドは目を開きゆっくりと起き上がる


「俺は眠らなくても良い体質なのか…?いや、流石にそれは無いか」


自分で言ってあり得ないなとその考えを切り捨てる

生物である以上、睡眠は必要なはずだ

例外的に眠らない生き物もいるにはいるが、自分もそうだとは思えなかった


「全く疲れてなかったけど、休息にはなっただろう、多分」


そういってオウドは再び人を求めて歩き出した

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