05.
「柳千! またそっちに行ったぞ!」
トールの声を聞きながら柳千は右手に持つ突剣で目の前のモンスター〈赤面小猿〉を貫く。正確に四肢を貫かれて絶命する〈赤面小猿〉を放置して新たに向かってきた〈青面小猿〉へと左手の曲刀を構える。
〈青面小猿〉は上段から棍棒を繰り出すものの、それを容易く見切って振るわれた三連斬は胴を輪切りに四分割する。
(――弱い)
今朝方、大都を出立しておよそ四時間。
一行の歩みは三十二回目の戦闘の真っ只中にあった。
だが、四人の歩みは多少鈍る事はあれど問題無く一方的にモンスター達を倒していく。それもその筈で、柳千が倒した〈赤面小猿〉も〈青面小猿〉もどちらも20レベルに満たないモンスターで、90レベルである四人にとっては雑魚モンスターに違いはなく、彼らが手こずる理由すらない。
一般的に手数勝負と言われる〈盗剣士〉であり、尚且つ速度のステータスを重点的に伸ばしている柳千が一撃でモンスターを倒せていることからもそれは明らかだ。
しかし現在の大都周辺のモンスターには例外が存在する。
レベル表記が通用しないモンスター。
『狂イ』。
実際に戦ってみる事でしかその例外を看破出来ない四人は取るに足らないレベル表記の低いモンスターの攻撃であっても、手を抜くことが許されず全力の攻撃に防御、回避を強いられる。
その為に彼らの歩みは多少鈍っているのだ。
「それに、こうも数が多くちゃ……」
数が少なければ対して鈍ることなどないのだが、襲い掛かる〈赤面小猿〉と〈青面小猿〉は数十に及ぶ。
「泣き言を言わないの、柳千」
「違うってば!」
それでもまだ幾らかの余裕を見せながら戦えているのはトールが適宜使用している〈禊ぎの障壁〉によるものが大きい。
ダメージ遮断という一定量までのダメージを完全に無効化するこの特技のおかげで、もしも受けてしまった攻撃が『狂イ』のそれだったとしてもダメージ量は春猫娘の即時回復呪文で充分に対応できるほどに大幅に削減される。もっとも、予め『そういうモノだ』と身構えてさえいれば春猫娘のHP管理で充分に対応できはするのだが。
「行くぞ、トール殿! 〈アンカー・ハウル〉ッ!!!」
「グッジョブ、黒兎! 〈剣の神呪・散〉ッ!!」
黒兎はタウンティングと呼ばれる特技〈アンカー・ハウル〉によって射程内にいるモンスターへ自らの存在を注視させる。モンスター達は黒兎を無視することが出来ず、黒兎へとその注意を向けてしまう。
目の前のもう一人の〈冒険者〉を無視してまで。
そして、トールはその発生した僅かな隙に低威力ながら射程内への敵全てへの全体攻撃を発動させる。元来が攻撃力に劣る〈神祇官〉の数少ない攻撃系特技の中でもさらに低威力という泣きたくなるような特技だが、レベルが70も開いていればそれでも殲滅に余りある威力となる。
「いよぉーっし、今回もあらかた片付いたか?」
積み上げられた〈赤面小猿〉〈青面小猿〉の死体を見渡して口にしたトールの声は軽快そのものだが、さすがにやや疲れの色が伺えた。
今回も、という言葉通りに今回も数十匹のモンスターが押し寄せてきたのだ。
三十二回目×三十〜五十匹=千匹ちょっと。実にその内の半数近くを倒しているトールは適当な岩を見繕って腰を下ろして〈魔法の鞄〉から水筒を取り出して水を口に含んでいる。
(自分の体で戦い続けるってのがこんなに辛いとは思わなかったよなぁ)
それに倣うように腰を下ろした柳千も水筒を取り出して口に含んだ。
体力的にはまだ問題ない。
HPもMPもまだまだ余裕があるし、こうして休んでいると少しずつ回復していくのがステータス画面で確認できる。
しかし、連戦に次ぐ連戦。全力を強いられる戦闘。精神に疲労が蓄積していくのはどうしようもない事だった。もっとも、これがゲーム時代だったとしたら「目が疲れたかな」程度で済むのかもしれないのだが。
「皆さん、先へ進みませんか」
「だな。こうも休憩ばかりしてちゃ港町へ辿り着けねぇ」
「……いや、残念だが今度は〈天使兎人〉の群れのようだ」
地平を見つめる黒兎は冷静にその目に映る事実を口にした。
確かに数十の〈天使兎人〉が群れを成して四人のいる場所へ向かってくる。
「……さっき戦った〈天使兎人〉は『狂イ』じゃなかったよね?」
「そもそも『狂イ』状態だったのって〈貧狼小鬼〉だけだぜ、今のところ」
「ですけど、だからといってそれを信用するわけにはいかないと思います」
その言葉通りに『狂イ』状態だったのは今日に限らず〈貧狼小鬼〉しか確認できていない。
それ以外のモンスターはゲーム時代ではありえないほどに群れて行動しているが、レベル表記と強さの関係は充分適正の範囲内だ。
しかし、春猫娘が口にした通りに〈貧狼小鬼〉だけが『狂イ』状態であるという確証はどこにもないし、証明のしようがない。
「実際に戦う以外でソレと判別することができないのが歯痒いな」
「でもさ、戦うしかないじゃんか隊長」
「……」
「それはそうですけど、エンカウント率が高く感じませんか? 少なくともこうなる前はこの辺りのエンカウント率はもっと低かったはずです」
「確かにそう言われるとそうだな。群れの数が多いのはパーティ数の上限が形骸化したことによるものだとしても、エンカウント率が高すぎるか」
「…………」
「そんなの考えるのは後だってば隊長、春猫娘! もう来ちゃうって!」
「ふむ、レベルの表記は32か。さて『狂イ』か否か……」
「………………」
「トールさん?」
「……………………うん」
「『うん』じゃなくて武器構えなってば!」
「トール殿、疲労も分かるが『狂イ』の可能性がある以上武器を取るしか――」
「――よし、逃げよう」
「は?」
「へ?」
「なに?」
トールのその言葉に黒兎、柳千、春猫娘は〈天使兎人〉を迎え撃とうとして構えていた武器を落としかける。
「いや、柳千の言葉で気が付いた。『戦うしかない』わけじゃねーや」
「何を言ってるんですか、トールさん。相手はモンスターですよ? っていうかもうすぐそこまで来てます!」
あれはモンスターなのだからエンカウントしたのならば戦うしかない。
経験値を得るため。生産素材を得るため。金貨を得るため。そこに至る理由は数有れど、それは〈冒険者〉にとって揺るぎない事実であり現実。
確かに、逃げるという行為も可能だ。
だが、現実化したこの〈エルダー・テイル〉の世界では逃げるということは勝利するよりも難しい。敵に背中を見せることは失敗すればそのまま背中から攻撃を喰らってしまうからだ。
「さっきの〈赤面小猿〉もそうだったけどさ、あいつらに戦う気なんて無いと思うんだぜ?」
「なんでそんな事が断言できるのさっ!」
「もう来ますっ!」
〈天使兎人〉との距離は目算で十メートルを切った。このままではあと数秒で接触、戦闘へと事が進むだろう。
三人はトールの言葉を無視して落としかけた武器をもう一度握りなおす。
だが、一度緩んでしまった空気を引き締めるのには数秒では時間が僅かに足りない。
「くっ、〈アンカー・ハウ――〉」
その足りない僅かの時間を作り出すために黒兎が〈アンカー・ハウル〉を発動しようとして、澄み渡る笛の音がその発動を中断させた。
笛の主はトール。
吹き鳴らした笛は〈鷲獅子〉の召還笛。
空へと吸い込まれていった音色は一頭の〈鷲獅子〉となって舞い降りてくる。
「捕まれ、黒兎に柳千!」
「ふぇ? と、トールさん?」
「え? あ、ちょっと、トール!?」
「ぬ、これは……ッ!」
〈鷲獅子〉が着地する前に春猫娘を担ぎ上げ、その背中に飛び乗ったトールは片手で手綱を操作し、〈鷲獅子〉はその鷲の足で二人を拾い上げ〈天使兎人〉の手が届かない上空二十メートルへと飛翔する。
「ほら、俺達に気付いてないだろ?」
その言葉通りに〈天使兎人〉は脇目も振らずにその下を通過していく。
目の先、十メートルの距離にいた彼らをまるで認識していなかったかのように。
まるで、何かから逃げるかのように。
「なるほど……確かに私達を認識していないようだな」
眼下の光景を目にした黒兎と柳千は頷きながら「でも、どうして」と言葉を継ぐ。そんな柳千にトールは答える。
「これは、憶測だけどさ。さっきの〈赤面小猿〉はこっちのサーバ特有のモンスターだからわからねぇけど、今の〈天使兎人〉ってこんなに好戦的なモンスターだったか? 少なくとも、ヤマトやウェンじゃ自分達から縄張りの外に攻撃を仕掛けるようなやつじゃなかったぜ」
「そう言われれば〈赤面小猿〉は自分から攻撃を仕掛けてくる好戦的なモンスターだが、出現ゾーンは平原や街道ではなく向こう側の森のはずだな」
「〈天使兎人〉もヤマトやウェンと同じだと思うな。……ってか、トール。これ結構怖いんだけど」
言葉を交わすには宙ぶらりんとは中々に堪えるものがある。しかも、自分以外の誰かの手によって浮かされていればなおさらだ。ちなみに柳千は高所恐怖症であったりする。
「なに、気にすんな柳千。って、やっぱりそうか……ってことは」
「? なにか気付いたのか、トール殿」
「ん、仮説を一つばかり思いついた」
〈天使兎人〉の群れがその勢いを緩める事無く突き進んでいく様を眺めながら呟く。
「ふむ、興味があるな。聞かせてもらっても良いか?」
「あぁ。仮説だから話半分でそっちの意見も聞きながら固めていきたいしな。こっちのサーバの事は詳しくないしさ」
「了承した。私もそこまで詳しいわけではないが答えられる範囲で答えよう」
〈鷲獅子〉の上と下。二人はふらつく〈鷲獅子〉をそのままに言葉を交わし始める。
「あの、トールさん。そんなことよりもこの格好恥ずかしいんですけど」
その一方で春猫娘は手綱を取るトールの腕の中にスッポリと横向け――『お姫様抱っこ』という状態で収まっている。
春猫娘の年齢は21。白馬に乗った王子様に憧れる様な年齢でもないが、さすがに『お姫様抱っこ』は恥ずかしいものがあるのだ。
「ん、まぁ俺の役得って事で我慢してくれ春ちゃん」
「ていうかねトール」
「どうした、柳千。怖いのか?」
「それもあるけどっ! ちょっとずつ高度が落ちてきてんだけどっ!」
その言葉通りに〈鷲獅子〉の羽ばたきは弱っていて、空をふらついている。
もともと〈冒険者〉一人で乗るものに〈冒険者〉が四人。しかも頭の先からつま先までフル装備状態。
――明らかに重量過多。
主の望みに応えようと健気に頑張っていた〈鷲獅子〉にも限界はある。
「ん? おぉ、ホント……だ!?」
そして、それは唐突に訪れた。
突如として急降下を始める〈鷲獅子〉。
その〈鷲獅子〉は「ごめん、俺、もう無理……」と眼で雄弁に語る。
地上二十メートルからの落下。
ビルにしておよそ六~七階建ての屋上から落下。
即ち、死。
「――ってぇぇぇぇぇええええええっっ!!!」
「これは――死んだ、か?」
「なんでそんなに冷静なんですかっ、黒兎さんはっ!」
「いや、黒兎は〈キャッスル・オブ・ストーン〉使えば無傷で済むしな?」
「うむ」
「『うむ』じゃ、ないだろぉぉぉおおおおおっっ!!!! 僕らどうすんだよぉぉぉぉおおっ!!!」
「まぁ、そこはほら。俺が〈禊ぎの障壁〉を掛けるから大丈夫じゃね?」
「でもでも、落下によるダメージ量が解らないですよ!?」
「案ずるな、〈キャッスル・オブ・ストーン〉は無敵」
「『無敵』じゃないでしょうが! 隊長、なんでそんなにノリノリなんだよっ!!」
「……いや、バンジージャンプとかスカイダイビングが大好きでなぁ。そうか、こういう楽しみも出来たか……」
「お、黒兎もそうなの? 俺も大好きだぜ!」
落下する中で見つめ合う黒兎とトール。
頷きを交わし、一言。
「「同士よ」」
ここに、一つの固い友情が生まれた。
「そんなことはあとでやれぇぇぇぇぇええええええっ!!!!!!」
「そうですよっ! このままじゃ、し、死んじゃいますって―――」
――落下からこの間、実におよそ二秒。
結果として、無傷の者が一人に、ヒットポイントバーがレッドゾーン突入が二人、イエローゾーンが一人。
「〈即時回復呪文〉……」
「同じく〈即時回復呪文〉……」
レッドゾーン突入者二人は揃って自らに〈即時回復呪文〉を使用する。
「ヒットポイントよりも精神的ダメージの方が……」
と、イエローゾーンの人物は仰向けのまま身動きをとれずにいる。
ちなみに力尽きた〈鷲獅子〉は送還済みのようで、羽根が何枚か落ちている程度だ。
「トール殿。仮説の続きを聞いても良いか?」
一方でただ一人無傷の人物は油断無く周囲を警戒しつつ、口を開く。
「……おぅ、中々にSだな黒兎。ま、回復完了ってことで」
身体の節々の調子を確認しながらトールは自らの仮説を語り始める。
「〈赤面小猿〉〈青面小猿〉〈天使兎人〉〈紫毒蛾〉〈歩行樹〉に〈貧狼小鬼〉。ま、この六種類のモンスターと連戦に次ぐ連戦を繰り広げたわけだが『狂イ』は〈貧狼小鬼〉でしか確認できていないんだよな。後のやつらはレベル帯も20後半から30前半ってな具合で表記の上では『正常』だった。そんで、この六種って『ゲーム時代』は平原に出てくるモンスターじゃないんだろ? なら、なんでこの平原にまで出てきてる?」
「単純に考えれば縄張りを広げようとしたんじゃないの?」
「あぁ、そうだ。その通りだよ柳千。六種の中の一種が縄張りを広げようとした。いや、広げたんだ」
「?」
「多分、というかテキストに表記されてたりすることから考えればモンスター間にも食物連鎖があって生態系ってもんがあるはずなんだ。そんで、あの森が住処だった、と」
鞘で指したのは〈天使兎人〉が姿を現した方向。確かに、その方向には森が広がっている。
「その六種のモンスター達は持ちつ持たれつで生態系を保ってたんだろ。レベル帯もそう変わらなかったしな。それを脅かすとすれば」
「……『狂イ』か」
「あぁ、その通りだ黒兎。『狂イ』によって他の五種を圧倒的に上回る力を手に入れた〈貧狼小鬼〉は縄張りを拡大し始めた。レベル90の〈冒険者〉ですら殺すほどの力だ。20~30程度のモンスターで太刀打ちできるはずも無ぇ。だから、逃げ出す。今までの縄張りを捨ててまで。生きるために」
「でもさ、僕らに襲い掛かってきたじゃんか、あいつら」
「それは単純に、俺らよりも『狂イ』の方に恐怖を感じてたんじゃねぇのか? もし、俺らを殺そうとして襲い掛かってくるなら狙ってくるセオリーは黒兎か春ちゃんだろ? でも、一番モンスターが殺到してたのは柳千だ。多分、身体の大きさ的に突破しやすいと踏んだんだろうな」
身長が190を超え、重厚な鎧で身を包んでいる黒兎と身長が140前後で軽鎧に身を包んでいる柳千では立ちふさがる壁としてのプレッシャーは黒兎のほうが大きく、柳千のほうが圧倒的に小さい。
トールと春猫娘に比べても明らかに小柄である柳千を狙って突破しようとモンスターが考えたとしてもそれは当然といえば当然といえる。
「そんで俺の仮説をまとめると、だ。一、『狂イ』は〈貧狼小鬼〉固有の異常。二、それ以外の大群で移動しているモンスターはそれから逃げている。三、それ故に俺ら〈冒険者〉のことを気にかけてなんかいない。まぁ、こんな感じかな」
「ふむ、納得できる話ではある……か?」
「そうですね。不確定要素が多いですけど、現状では一番しっくり来ますね……」
黒兎と春猫娘はうなずきながらも仮説に対する疑問点を口にし、トールと言葉を交わしていく。
「……てことはさ。あの森に『狂イ』の〈貧狼小鬼〉がいるって事?」
「んー、十中六七ってところじゃないか? まぁ、いたとしてもそれで全部ってわけじゃないだろうけどな。ほら、春ちゃん達が襲われたのってあの森じゃないだろ?」
目の前に見える森は〈蒼葉樹海〉。黒兎達が襲われたの森は『大都』を挟んで反対側にある〈黄葉樹海〉。同系統のダンジョンではあるが、まったくの別物だ。
「ま、結局この仮説も『狂イ』の原因がわからねー事にはどうしようもなんないんだけどな」
トールの仮説が正しいとして、その根幹にある問題はやはり『狂イ』という現象だ。それが解決されない以上、どうすることも出来ない。
「『〈灰斑犬鬼〉に良く似た外見を持ちながらもより本能に忠実であり亜人間にカテゴライズされているもののその性質は魔獣に近く凶暴である。簡単な武器や戦術も使用するがそれらは全て本能で行なわれる狩りであり、知性には欠ける。また、非常に食欲旺盛でかつ雑食なために他のモンスターを捕食することもある』……だったか」
「黒兎、それなに?」
「〈貧狼小鬼〉の説明テキストですね」
「あぁ。〈貧狼小鬼〉のみが『狂イ』ならば、こういったところに原因がないかと思ってな」
とりあえず、情報は多いに越したことはないだろう? と続ける。
「食欲旺盛ってとこぐらいじゃないかな、関係あるとすれば。ほら、変なもの食べたとか」
「恐ろしいなその変なもの」
「ですけど、今まで食べれなかったものも食べれるようになったので分からないんじゃないですか?」
『ゲーム時代』は食べられるアイテムは明確に設定されていた。その為にそれしか食べることが出来なかった。だが、今は背景オブジェクトの一つだった炉端の石ころや雑草。食べようと思えば剣ですら食べることも可能だ。ならば、その未知の影響があったとしても不思議ではない。
「そんなことを考えても始まらんか。まぁ、とりあえず俺らの選択できる道は二つだ」
本調子に戻ったトールが立上り、森を再度鞘で指し示した。
「あの森ん子に突撃して〈貧狼小鬼〉を倒してくるか」
そして、鞘から刀を抜き、反対側を指す。
「そんなことは無視して港町を目指すか、だ」
さ、どっちを選ぶ? とトールは三人に問いかける。
「そんな事は聞く意味がないだろう?」
「そうですね」
「だね」
それに、即答する三人。
「よし、そんじゃまぁ……『狂イ』退治と行きますか」
2015.04.03 改訂