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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
4章 神格境界(しんかくきょうかい)

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神々の集い①


ー 神々の集い① ー


開催地:海王星・蒼天神殿


太陽系最外縁、蒼く輝く氷の巨星――海王星。

その大気圏上層、重力を制御した浮遊神殿「蒼天神殿」にて、不定期で行われるの神々の会合が開かれようとしていた。


濃紺の嵐を背に、黄金の光が差す。


最初に姿を現したのは、宇宙連合の主神"絶対神"パンドラ。

その後方から、灼熱の光柱とともに降臨する太陽の王ラー。


白き神衣をまとい、静かに空間を開いて現れたのは天照大神。


深海色の神威を纏い、水の槍を従えて現界したのはポセイドン。


そして学問と雷の気配を宿す知の神、菅原道真。


八百万の神々が、光の円卓を囲む。


だが今回は祝宴ではない。

議題はただ一つ。


「宙皇帝エルド・ノヴァの動向」


神々の沈黙を破ったのはラーだった。


「太陽系に帝神が侵入している。

もはや人類だけの問題ではない。」


天照が静かに頷く。


「星々の均衡が乱れております。」


「その話は皆が揃った時にしましょう…」


パンドラは言う。


その瞬間、神殿外縁に艦影が現れる。


ひと月前まで宙帝と交戦していた宇宙母艦ノア、漆黒の高速ミサイル艇部隊、無人護衛艦隊。


非公式輸送艇スレイプニルを含む複数の艦が、神殿周囲に展開。


統合司令キドウ・ヒメナはが低く告げる。


「戦争の次は神様方の警護か…」


「ノア、護衛配置完了。神域空間、異常なし。」


さらに空間の歪みが三つ。


海王星の王 神帝カイオオ。


黄金の艦隊、金星の王 神帝キング。


そして冷徹な知性を宿す男、パンドラ神の側近

神帝ダヴィンチ。


神帝キングが神々へ一礼する。


「神々の会合、我らが命に代えて守る。」


「お久しぶりですね、皆さん…」


そこへやって来たのは神帝タカヤとメイン


「おぉー!タカヤとメインではないか!」


キングは笑顔で歩み寄るがダヴィンチは険しい顔をしていた…


ー 蒼天神殿・控えの間。


まだ他の神々は到着していない。

広い空間に差し込む青白い惑星光。


そこにいるのは二柱だけ。


天照大神は椅子の背にもたれ、足を軽く組んでいる。

堅苦しい雰囲気はない。光も少し柔らかい。


向かいに座る菅原道真は、きちんと正座に近い姿勢。



「ねぇ道真。」


「はっ。」


「固いって。まだ会議始まってないよ?」


「いえ、いついかなる時も礼節は…」


「相変わらず真面目だねぇ。」


天照はくすっと笑う。


「天照様は日本の神の頂点でございますから…」


道真の表情がわずかに引き締まる。


「神帝のタカヤ、影響力は、日に日に強まっておりますね…」


「強いよねぇ、あの子。道真の土地の子でしょ?大出世だね。」


天照は天井の宇宙を見上げる。


「この前さ、宙帝の帝神を倒したって聞いたよ。」


「事実にございます。

しかし、力そのものより問題なのは“求心力”です。」


「人気者なんだ?」


「若き神々、そして一部の人類からも支持を得ております。」


天照は少し楽しそうに笑う。


「へぇー。カリスマってやつ?」


「恐れながら、そう言えるかと。」


沈黙。


海王星の光がゆらめく。


「ねぇ道真。」


「はい。」


「あなた、あの子のことどう思ってるの?」


一瞬の間。


「我が土地の子…」


「だけ?」


「眩しき存在でもございます。」


天照は目を細める。


「正直だね。」


「嘘は申せません。」


「怖い?」


「いえ、全く…ですが…」


「てすが?」


「期待はしております。」


天照は少しだけ驚く。


「へぇ。」


道真は視線を落とす。


「ただ、タカヤ達には真に神にはならず人間のまま生きてほしい…」


天照は立ち上がり、道真の前に歩み寄る。


金色の光がふわりと広がる。


「いいこと言うじゃん。」


「もったいなきお言葉……」


会議の時間が近い。


天照は深呼吸する。


「さて、そろそろ始まるね。」


道真は深く一礼。


「はい。神々の集いが。」


天照は最後にぽつりと言う。


「タカヤ、来るかな?」


神官がドアをノックし言う。


「天照様、菅原様、そろそろ開始致します。席にお座りください!」


ー 円卓 ー


「一席空いているがまぁいい…時期来るであろう。

そろそろ始めようか…」


パンドラの一声はその場を静寂にかえた。


(続)


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公開情報


・天照大御神

 太陽を司る最高位の女神


・蒼天神殿

 海王星にある神殿


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