地下ドックのアウトロー
ー 地下ドックのアウトロー ー
セドナ大戦終結。
宙帝の支配は崩れ、星は解放された。
だが表の勝利の裏には記録に残らない働きがある。
地下ドックG-12"スレイプニル"帰還。
作戦報酬
ノア非公式端末。
認証コード入力。
《極秘任務:完遂》
振込額表示。
五億二千万クレジット
ミミが目を丸くする。
「増えてる」
ランは冷静に分析。
「危険度SS評価。帝神級交戦の可能性が加算」
リクは椅子に座ったまま笑う。
「命の値段が上がったか」
さらに追記。
・整備補助金
・セドナ復興貢献ボーナス
・非公式恩義ポイント 3
ミミが呟く。
「結局ポイントって何なの?」
ラン「さぁ?」
リク「貯めとけ。いつか使えるかもな!」
地下ドックでの生活
G-12は騒がしい。
違法改造船。
整備士、元軍人、傭兵。
だがどこか温かい。
リクは簡易キッチンでコーヒーを淹れる。
ランはモニターで航路データを整理。
ミミは武器分解。
天井から油の匂い。
遠くで溶接音。
夜になると、皆で食堂へ行く。
「セドナ、復興進んでるらしい」
ミミがニュースを指す。
ランは無言で見る。
リクは何も言わない。
だが視線は画面から外れない。
スレイプニルは傷だらけ。
船体外装、焦げ跡。
後部スラスター、亀裂。
リクが船体を撫でる。
「よく生きて帰ったな」
ランが報告。
「重力制御コア、微細損傷」
ミミが工具を投げる。
「交換する?」
「いや」
リクは首を振る。
「補修で行く。こいつの癖は変えない」
スレイプニルは速さが武器。
だがそれ以上に。
“操縦者と一体化した機体”
三人で夜通し整備。
火花が散り工具の音が響く…
そして沈黙。
それが落ち着く時間。
それぞれの想い
ミミは呟く。
「戦争終わったのに、仕事増えてない?」
ランは答える。
「戦後の方が混乱は多い」
リクは言う。
「平和ってのは、金が動く」
少し間。
「……守るもんがあると、なおさらな」
ランがリクを見る。
何も言わない。
地下ドックの奥。
非公式回線が光る。
《至急任務》
三人の視線が交わる。
リクが笑う。
「休み終わりだ」
ミミが立ち上がる。
「次は誰に追われる?」
ランが端末を開く。
「不明。ただし危険度S以上」
リクは操縦席へ向かう。
「いい」
「俺たちは戦争の英雄じゃない」
「だが、流れを変える運び屋だ」
スレイプニルのエンジンが低く唸る。
地下ドックのアウトロー。
平和の裏側でまた飛ぶ…
(続)




