宙帝の神
ー 宙帝の神 ー
視界に広がるのは、白銀の惑星。
惑星セドナ。
宙帝領外縁にして最大級の軍事拠点。
氷の地殻の下に築かれた大都市。
天を貫く結晶塔。
軌道を埋め尽くす軍港。
整然と並ぶ戦艦群。
帝神ヴァルケインの乗る"アビス・レガリア"はその中心港へ静かに降りた。
帰還
損傷警告は鳴っている。
だが沈まなかった。
それで十分だ。
「第一から第三ドックを開放。修復を最優先」
ヴァルケインは艦橋で命じる。
「負傷兵は都市医療区へ移送。休養許可を出せ」
副官グロームが一瞬驚く。
帝神が“休養”を口にするのは珍しい。
だが彼は淡々としていた。
「兵は消耗品ではない。戦力だ」
感情ではない。
合理、それだけだ。
セドナ市街
氷の地表の下。
巨大な透明ドーム都市。
光る街路。
空中交通網。
軍人、技師、市民が行き交う。
戦争と繁栄が同居する世界。
ヴァルケインは高層指揮塔の展望室に立つ。
都市を見下ろす。
「揺らぎはない…」
セドナは秩序の象徴。
反宙帝の星エリスとは違う。
混沌ではなく、統制、この星は宙帝の重要拠点である。
エリスでの一瞬を思い出す。
補助艦の爆散。
ノアの主砲。
あの僅かな誤差。
「甘く見たか…」
自嘲ではない.事実の修正。
帝神は万能ではない、だからこそ演算する。
次は失敗しない…
戦術会議
損失報告
" 補助艦二隻消失、中型艦十六、人的損耗、許容範囲内"
「補助艦は三倍体制に増強」
「演算中枢は分散配置」
「次は揺らがせない」
将校たちは緊張しながら頷く。
彼の言葉は絶対、だが怒号はない。
ただ冷たいだけだ…
それが余計に恐ろしい。
夜。
氷都セドナの人工夜景。
ヴァルケインは一人、展望室に立つ。
遠くに修復中の旗艦。
静かな光。
「ノア……」
灰色の巨艦。
神帝四柱。
折れなかった反宙帝。
「潰す」
低く呟く。
だが焦りはない、帝神に時間は味方する。
戦力を整え完全な形で次は殲滅する。
副官が報告する。
「3日後、皇への戦況報告が入ります」
ヴァルケインは頷く。
「問題ない」
視線は都市へ…
氷の大都会、完璧な秩序
この宇宙に反宙帝は存在してはならない。
帝神は目を閉じる。
次の戦を演算しながら。
(続)
今回は宙帝側にフォーカスし少し冷たく単調に書いてみました。次どうしようか考えながら…
次回もよろしくお願い致します!




