極寒の星
ー 極寒の星 ー
白い静寂に包まれた極寒の星、冥王星。
氷の平原を渡る風は、音すら凍らせる。
その地下深くに築かれた黒晶の宮殿で、会談は行われようとしていた。
ノアは軌道上に静止している。
灰色の装甲に、冥王星の淡い反射光が落ちる。
「着艦許可確認、準備完了。」
艦橋に柔らかな緊張が走る。
今日は戦ではない。
会談である…
冥王とヒメナの…
氷晶の間。
玉座に座す冥王は、静かで重い気配を纏う存在だった。
蒼白の髪、深い蒼の瞳。
その前に立つのはヒメナ。
穏やかだが芯の強い視線で、冥王を見据える。
「久しいな、ヒメナ。」
「ええ。ですが距離はあっても、志は同じです。」
外縁宙域の安定。
宙帝の動向。
神帝の今後。
言葉は少ない。だが互いに理解している。
やがて冥王がわずかに笑う。
「今日は堅苦しい話だけではあるまい?」
ヒメナも微笑む。
「ええ。今日は“帰省”ですから。」
神帝メイン、帰還
氷の回廊に足音が響く。
神帝メイン。
この冥王星の出身にして、いまや神帝の中核。
帰還を迎える民たちの表情は誇らしい。
「おかえりなさいませ、メイン様!」
その声に、メインは少し照れくさそうに応じる。
「ただいま。少しだけ、ね。」
戦場では鋭い彼女も、
ここでは一人の“娘”だった。
冥王星のドラゴニュート大神官メイリュウ、
会談の場に、新たな存在が現れる。
長身。ぱっと見は人間と同じ…
その瞳は金色に輝き、背には折り畳まれた翼。
「お久しぶりです。メイン様。」
低く澄んだ声。
「久しいね、メイリュウ…」
メイリュウはメインを見上げる。
「また会えて嬉しゅうございます。次の旅には神軍大神官として同行致します…」
その目は輝いていた…
「期待してるよ」
メインは微笑み、そう返した。
氷の柱の影から、ひょこっと現れる小柄な影。
長い翠の髪、透き通る耳。
「わぁ……大きい……あれがノア?」
エルフの少女、バルサルナ。
元々は宇宙を旅していたが冥王星に住み着いた変わり者。
メイリュウが苦笑する。
「落ち着け、バルサルナ。」
だが彼女の目は、すでにノアに釘付けだった。
会談は和やかに終わる。
冥王は静かに告げる。
「ノアはこの星の友だ。歓迎しよう。」
氷原に灯がともる。
歓迎の宴。
その最中、バルサルナが突然言い出す。
「わたし、ノアに住んでもいいかな?」
場が一瞬静まる。
「ん?あの大エルフ、バルサルナ様がですか?」
メインが目を丸くする。
「この星も飽きた…そろそろ他の星も見てみたい…」
メイリュウが腕を組む。
「バルサルナ様は好奇心の塊です…止めても無駄でしょう。」
ヒメナが優しく微笑む。
「ノアは広いわ。歓迎する?」
通信でノア艦橋に確認が入る。
艦長オダイは苦笑しながら答える。
「歓迎します。コロニーの山間部に一軒建てましょう。」
歓声が上がる。
冥王星の氷の空に、祝福の光が舞う。
神帝、ドラゴニュート、エルフ。
種族も立場も違う者たちが、同じテーブルを囲む。
ノアは静かに軌道で輝いている。
新たな仲間を迎え。
そしてその未来を、静かに見守っていた。
極寒の星は、今夜だけ少し温かい。
次なる航路は―
さらに賑やかになりそうだった。
(続)
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公開情報
・冥王 62歳 男性 from冥王星
冥王星の星王 神帝メインの父
ギフト"?"
・メイリュウ 30歳 男性 from冥王星
大神官 神帝メインに遣える
ドラゴニュート(見た目は普通の人間)
ギフト"浮遊"
・バルサルナ ?歳 女性 from?
エルフ(見た目は若い)
ギフト"探究心"
・ドラゴニュート 冥王星のみに存在する固有人類
・エルフ 長寿
今回ノアは冥王星に到着、次回ついに太陽系を出そうかな…
次回もよろしくお願い致します!




