最恐・サターン艦隊
ー 最恐・サターン艦隊 ー
グリフィンとの静かな離合を終えたノアは、単艦で外縁宙域を進んでいた。
星雲の淡い光が艦体をなぞり、灰色の装甲が静かに宇宙へ溶け込む。
だが、その静寂は、次の瞬間、破壊の閃光に塗り替えられた。
前方空域、広域戦闘反応。
無数のエネルギー光束、炸裂する艦影。
「識別信号確認…サターン艦隊。交戦中の相手は…宙帝軍。」
ノアの艦橋に緊張が走る。
映像が拡大される。
そこに展開していたのは―“蹂躙”だった。
サターン艦隊は陣形というより、意志そのものだった。
重巡、戦艦、空母型艦艇が有機的に連動し、
一斉射撃が空間そのものを裂く。
宙帝の主力艦が一隻、また一隻と爆散する。
防御陣は突破され、側面も背後も封殺。
撤退する暇すら与えない。
「圧倒的だ…」
ノアの副司令シャルルが呟く。
中心にいる旗艦―黒鉄の巨大戦艦。
そのブリッジに立つのが、サターン艦隊提督ジュウ。
神帝の一柱。
冷酷にして理知。
そして戦場においては、慈悲を持たない女。
「ノア、戦闘態勢に入りますか?」
その問いに、艦長オダイは即答する。
「当然だ。味方の援護に入る。」
推進出力上昇。
ノアのエンジンが蒼く輝く。
その瞬間――通信が割り込んだ。
『―止まりなさい、ノア。』
静かな声。
しかし、抗えない圧を伴う。
画面に映るのは、ジュウ。
黒髪を後ろで束ね、鋭い瞳がこちらを射抜く。
軍服の襟には神帝章。
『ここはサターン艦隊の戦域。あなたの出る幕ではない。』
「神帝ジュウ。宙帝軍は未だ多数残存。共同戦線の方が効率的だ。」
ジュウは一瞬だけ、薄く笑う。
『効率? 心配は無用よ…』
その直後
サターン艦隊が一斉に陣形を変えた。
まるで巨大な獣が牙をむくように。
集中砲火。
宙帝旗艦が光に包まれ、崩壊。
残存艦も逃走不能圏内へ追い込まれ、
次々と沈黙していく。
数分後
戦場は静寂に戻った。
「見たでしょう?」
ジュウの視線は冷静そのもの。
「ノア。あなたはまだ力を温存していなさい。これから先、もっと大きな戦いが来る。」
「……我々を信用していないのか?」
「違うよ。」
わずかに柔らぐ声音。
「あなたは“切り札”よ。最恐は、必要な時にだけ振るうもの。」
ノアの艦橋に沈黙が落ちる。
ジュウは最後に一言だけ残す。
「今日は、私たちに任せなさい。」
通信が切れる。
サターン艦隊は整然と再編され、
何事もなかったかのように宙域を去っていく。
その背中は圧倒的で、冷酷で、そして頼もしかった。
ノアは戦場の残光を見つめながら静かに進路を変更する。
「……最恐、か。」
誰かが呟く。
だがその胸には、確かな高揚があった。
次に牙を剥くのは自分たちかもしれない。
宇宙は、まだ静まらない。
(続)
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公開情報
・サターン艦隊 艦艇数1000艦
宇宙最恐クラスの大艦隊
総督 神帝ジュウ 土星の皇女
母港 土星
今回は宙帝対サターン艦隊でした。
サターン艦隊はこれから先ももっと詳しく書いていきたいです。
次回もよろしくお願い致します!




