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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
2章 星域突破

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20/33

木星宇宙ドック基地


ー 木星宇宙ドック基地 ー


火星宙域での戦闘から3日。


赤い惑星の軌道上に散った残骸と閃光は、もう遠い記憶のようだった。


ノアは静かに減速し、木星の重力圏へと入る。


前方に広がるのは、幾重ものリングと巨大アームを備えた木星宇宙ドック基地。


「見えたぞ、宇宙ドック基地入港準備」


オダイの声が艦橋に響く。


背後には、白と橙の渦を巻く木星。

その圧倒的な存在感の前でさえ、ノアは威厳を失わない。


だが―近くで見れば、その装甲は無傷ではなかった。


外殻プレートの焦げ跡。

主砲塔基部の歪み。

左舷推進ブロックの熱変色。


火星戦は、確実に痕跡を残していた。


ドックの周りは木星艦隊が護衛している。


木星艦隊の戦闘技術は宇宙最強クラスである…


ドック接続


「速度ゼロ。係留アーム展開。」


挿絵(By みてみん)


機械的なアナウンスと共に、巨大なアームがノアの船体を掴む。

衝撃はない。ただ、ゆっくりと包み込まれる感覚。


格納灯が赤から白へ切り替わる。


戦闘態勢解除。


艦橋では、静かな安堵が広がる。


「着いたね…じゃー始めようか…」


ヒメナの一言でノアの空気が変わる。


「点検開始」


ドック内では、整備ドローンが群れのように飛び交う。


外装パネルが一枚ずつ取り外され、内部フレームが露わになる。


「第3砲塔、内部配線の焼損確認」

「推進コア出力安定率92%。オーバーホールは大丈夫かな…」


整備主任は無言でデータを確認する。


「この程度でよかった」


その言葉は、艦に向けられたものだった。


船内


クルーは久々に重力安定区画でヘルメットを外す。

誰も大声を出さない。


戦闘後の独特の静寂。


生還した者だけが知る、あの感覚。


廊下を歩く整備兵が、そっと外壁に触れる。


「ありがとうよ、ノア。」


ドック外壁の展望窓からは、巨大な木星が見える。


赤い大斑点がゆっくりと回転している。


その下で、ノアは静かに眠る。


そこへ…


「で、どこから入ればいい?」


第一声がそれだった。


整備主任が固まる。


振り向くと、そこに立っていたのは――木星王。


豪奢な儀装ではない。

シンプルなダークコート姿。護衛も最小限。


「えっ!? 木星王ゼノス様!本日は公式視察では…」


「公式じゃない。ちょっと見に来ただけだ。」


王はひらりと手を振る。


「堅苦しいのは嫌いでな。」



整備用の仮設通路を、王がずんずん歩いていく。


下には巨大なノアの主砲基部。


「ほう……近くで見ると傷だらけだな。」


焦げ跡を指でなぞる。


整備兵が慌てる。


「さ、触られると危険です!」


「爆発はせんだろう?」


「しませんが!」


王は笑う。


「よく守ったな、ノア。」


まるで部下を労うような口調だった。


推進ブロック前


巨大な推進ユニットが分解され、内部構造が露出している。


「ゼノス王、お久しぶりです。」


整備兵より報告を受けヒメナとモックが到着する。


「内緒だったのに…」


ゼノスはさらりと言う。


艦橋ブロック


王は艦橋区画にも立ち寄る。


「王!お久しぶりでございます!」


兵達は王に向かい敬礼をする。


王はひとりひとり丁寧に敬礼を返す。


「次は、勝って帰れ…」


命令ではない。


願いに近い。


帰り際


ドック外へ向かう途中、王は振り返る。


「神帝モックよ…次はゆっくり帰ってきなさい…木星の民達は君の帰りを楽しみに待っているよ。」


そう言うと王はノアを見る。


整備中の巨大艦体。


光に包まれ、まるで眠る獣のよう。


「木星に来たらまた呼べ。」


「公式にですか?」


「いや。今日みたいに、ふらっと来る。」


ヒメナが言う。


「ゼノス王、それは困ります。」


王は肩をすくめる。


「王だって、たまには現場を見たいのだ。」


木星の巨大な渦が、ドックの窓越しにゆっくり回る。


その下で、ノアは静かに整備を受け続ける。


王が去ったあと、整備主任がぽつりと言う。


「悪くない王様だな。」


誰かが答える。


「ええ。ノアのファンですね。」


ノアは整備を続ける。


次の戦いのために…


(続)


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公開情報


・木星王ゼノス 45歳 男性 from木星

 ギフト"?"


・木星宇宙ドック基地

 宇宙空間にあるドック基地

 宇宙戦艦の整備が可能


・木星艦隊

 宇宙最強クラスの艦隊

今回は木星宇宙ドック基地にてノア整備でした。

次回はドックを出て先へ進んでいきたいと思います。

次回もよろしくお願い致します!

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