ミュージアムへようこそ!②
ー ミュージアムへようこそ!② ー
ノア内部循環モノレール。
透明なチューブ状の軌道を、白銀の車両が滑るように走っていく。
窓の外には、重力ブロック区画、格納庫、遠くには主砲塔の巨大な基部。
「わぁ……あれが第三主砲!?」
「静かに。あそこは作戦区画だぞ。」
引率教員が苦笑する。
今日は、居住区の子どもたちによる社会見学の日。
目的地は――ノア・ミュージアム。
車両がカーブに差し掛かると、視界が一気に開ける。
巨大な透明ドーム。
星海を背景に浮かぶ、文明保存区画。
「すごい……宇宙の中に、お城みたい……」
小さな少女が窓に額をつける。
モノレールは減速し、
"中央保存区画駅"へと静かに滑り込んだ。
⸻
ホームに立っていたのは、
ノア副司令 ミュージアム最高責任者
チョウカ・ナツキ中将。
「ようこそ、未来の守護者たち。」
子どもたちはざわめく。
「え、あの副司令!?」
「神帝タカヤ様の従兄弟の人!?」
ナツキは少しだけ困ったように微笑む。
「今日は軍人ではありません。
ミュージアム責任者として、皆さんをご案内します。」
⸻
最初に案内されたのは、戦車展示区画。
巨大な鋼鉄の塊を見上げ、少年が呟く。
「これ、ほんとに動いてたの?」
「ええ。動きました。でもね…」
ナツキは静かに続ける。
「止めるためにも、使われました。」
次は航空機。
伊400型潜水艦の格納機構の説明では、
男の子たちが目を輝かせる。
「潜水艦から飛行機!?すげー!」
「人はね、不可能だと思うことを、何度も形にしてきたの。」
⸻
最後に、大仏の前。
子どもたちは自然と声を落とす。
「どうして戦艦の中に、こんなのがあるの?」
小さな声が響く。
ナツキはしゃがみ、目線を合わせる。
「この艦は、戦うためだけに造られたんじゃない。」
透明ドームの向こうで、星が流れる。
「皆さんが、大きくなったとき。
“何を守るのか”を忘れないためにあるの。」
その瞬間、艦内に微かな振動。
子どもたちが不安そうに顔を上げる。
ナツキは微笑んだまま言う。
「大丈夫よ…」
そして、少しだけ空見上げる。
⸻
帰りのモノレール。
子どもたちは静かだった。
戦車も、刀も、潜水艦も、
ただの兵器ではないと知ったから。
「ねえ…」
最初に窓に額をつけていた少女が言う。
「わたし、大人になったら船に乗りたい。」
「なんで?」
「だって――」
少女は星を見つめる。
「守るって、かっこいいから。」
モノレールは星の中を走る。
戦艦の中で、
未来がひとつ、生まれた。
(続)
今回はノアの学生達がミュージアムにやってきました!
ミュージアムの展示物を見て色んなことを知り夢を持ちます。ノアの子供達は何に興味を持ち何の夢を持つのかな?
ミュージアムはとりあえず今回で終了
次回もよろしくお願い致します。




