補給ウィーク開幕!②
ー 補給ウィーク開幕!② ー
――3日目・空から降る火力
「本日より航空輸送比率、60%へ移行」
レンの指示と同時に、ノア上空が騒がしくなった。
大型輸送機が編隊で接近。
右舷側、左舷側滑走路に分かれて着陸
腹部ハッチが開き、巨大パレットが次々と降ろされる。
ミサイルコンテナ。
精密誘導弾。
レールガン弾体。
対空迎撃弾薬。
「弾薬区画、受け入れ準備!」
「火気厳禁エリア拡大!」
「タバコは吸うんじゃねーぞ!」
搬入デッキは一気に緊張感を増す。
タカヤが思わず呟く。
「昨日まで砂糖運んでたのに…」
「今日は戦争だね」
メインが短く言う。
巨大コンテナが慎重に吊り下ろされる。
少しでも揺れれば危険。
港宙務部隊司令"マーカス・ヴェルナー"の怒声が無線に響く。
「高度安定!揺らすな!
ここは市場じゃない、火薬庫だ!」
航空誘導員"マーシャラー"達は
航空搬入の進入ルートを確保する。
海ではタンカーの列がまだまだ続く。
空と海が同時に動く…
ノアは、補給される側でありながら、
すでに戦場の顔をしていた。
――4日目・異物混入
四日目の午後。
最後の大型輸送機が滑走路へ接地する。
「特殊貨物一件、あり」
管制が報告する。
「申請コード確認済み。
所有者―ウォン」
デッキがざわつく。
ハッチが開く。
そこから、
黒曜石のように艶やかな車体が姿を現した。
低く、流線型。
光を吸い込むようなボディ。
「…なんだあれ」
「戦闘車両じゃないぞ」
「フェ、フェラーリ?」
ゆっくりとスロープを降りてくる。
ウォンが腕を組んで立っていた。
「やっと届いたか」
タカヤが目を瞬く。
「補給ウィーク中に?」
「今しか枠が空いてなかったので」
真顔だ。
マーカスが額を押さえる。
「弾薬の隣に高級車を降ろす奴があるか……!」
「高級車と一括りにするな…これはフェラーリF80よ…」
ウォンが自慢気に語る。
「そんなの知るか!」
周囲の兵士が思わず笑う。
ウォンは車体を撫でる。
「新型重力制御サスペンション。
時速500でも滑らない」
「どこで出す気だよ…」
タカヤが苦笑する。
その背後で、
再び弾薬コンテナが運び込まれる。
ミサイル。
弾体。
戦争の準備。
そして、その隣で輝くF80。
ソウマがぽつりと呟いた。
「ノアって…なんでもありですね…」
バン中佐が鼻で笑う。
「都市だからな」
ヒメナは遠くからその光景を見ていた。
「弾薬搬入、残り30%。
車両は専用格納区画へ。
傷をつけたらウォンがうるさいわよ」
無線越しに小さな笑いが起きる。
空は静かに夕焼けへ染まっていく。
三日目と四日目。
ノアは火力を蓄え、
同時に――
とんでもない私物も蓄えた。
補給ウィークも後1日
無事終わるといいが…
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公開情報
・マーカス・ヴェルナー 45歳 男性 from火星
港宙務部隊 司令
・フェラーリF80
ラ・フェラーリの系譜を継ぐ世界限定799台の
次世代ハイブリッド・ハイパーカー
オークションにて落札
ウォンの愛車
今回は挿絵にチャレンジしてみました。AIってすごいですね…
これからもちょくちょくやって行きたいと思います。
次回もよろしくお願い致します。




