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想像で描く世界旅行記 ~The World Travel Diary~  作者: 夢宇希宇


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大エジプト博物館

挿絵(By みてみん) 


 日本から飛行機で約14時間。私はエジプトの首都カイロへと降り立った。降りるや熱気に包まれるが嫌な暑さではない。日本の蒸すような暑さとは違うのだ。

 今回の旅の目的地は、大エジプト博物館である。2025年11月4日から一般公開され、その膨大な展示物が世界中の注目を集めている博物館だ。

 カイロ国際空港からタクシーで予約しておいたホテルにチェックインする。部屋に入り荷物を置く。そこで私は驚くべき光景を目の当たりにすることとなった。見えたのである。ホテルの部屋の窓から、ピラミッドが見えた。あれは確か一番大きなピラミッドなので、クフ王のピラミッドであろう。


 前日は実は良く眠れなかった。慣れない異国への飛行機移動もあるが、一番の原因は窓から見えたピラミッドだった。あれを見て平常心などといられようか。私は興奮にも似た感情がずっと続き、ベッドの中で夢うつつのような状態でうつらうつらして朝を迎えてしまったからだ。

 いや、気合を入れなければ。今回の旅のメインイベントである、大エジプト博物館はホテルからそんなに遠くない。ホテルの前のタクシーに乗り込むと、私は運転手に「大エジプト博物館まで行ってくれ」と英語で伝えた。私は5年ほどアメリカのロサンゼルスで暮らした経験があるので、英会話に困る事はない。英語が通じてほっとする。

 運転手に「お客さん、どちらから?」と聞かれたので「日本からです」と伝えると、運転者は何故か優しく微笑んで「ようこそ。歓迎しますよ」と返答を返した。

 大エジプト博物館までは車で約30分と意外と近く、ほどなく大きく開かれた道路に出た。そこで…。

「何て…大きな…」

 私が大エジプト博物館を目の前にした感想だが、我ながら表現のセンスの欠片もないと思ったが、「大きい」「巨大な」そんな言葉しか、大エジプト博物館には当てはまらないだろう。本当に大きく、近くに来てもその全容は見えない。

 そんな私を見た運転手がぐっと親指を立てて「着きましたぜ。良い旅を」と言葉を掛けてくれた。

 私は礼を言い、タクシー代と少し多めにチップを運転手に渡し、タクシーを降りた。

 運転手が「日本人は友達です」と言い残したが、チップを多めに貰ったからだろうと私は思ったのだが、その真意が違うことに後に気づかされる。


 広大な土地に巨大な建物。何と表現すればいいのだろうか。大エジプト博物館は、ただただ大きくそこに佇み、訪れる多くの観光客を続々と飲み込んで行く。だが、博物館の雄大さに比べれば、観光客の数がどんなに多くても、それは蟻を飲み込む蟻塚のようだった。本当に大きかった。敷地面積が東京ドーム約10個分らしいと言われるが本当だろう。

 私は逸る気持ちを抑え、事前にweb購入した入場チケット代わりのスマホのQRコードを確認する。よし、問題無く立ち上がった。大人1人1,450 EGP、日本円で約3,800円。エジプト人と外国人観光客と入場料が違うのは、今どきであるなと思った。

 巨大な大エジプト博物館博物館の本館であろう。他の観光客と同様にスマホをかざし、入場ゲートを通過した。よし、問題ない。無事に入れた。

 入ったぞ。私はついに入ったぞ。大エジプト博物館に入ったぞ。

 私は感動から叫びたくなる衝動を抑え、館内を見回す。広い、何て広々としているんだ。床は大理石で、壁や柱も大理石がふんだんに使われている。そこかしこに何かの石像らしきものも見えたので、その一つに近づき、ある事を確認する。そうだ。事前に聞いていた話である。展示物の解説がアラビア語、英語、そして、何と日本語表記があると聞いていたからだ。どうやら、大エジプト博物館建設に日本からの支援と日本人研究者からの協力が多々あって、そのために日本人向けの表記がされるようになったとのことだ。他の展示物を見ると、確かに日本語表記での解説が書かれていた。先程のタクシーの運転手はこのことを伝えたかったのだろう。私は思った。何て誇らしいのだろうと。日本人で良かったと心の底から思った。

 私がわなわなとしていると、他の観光客の変な注目を集めてしまった。落ち着け、自分。

 そうだ。本来の目的を達しなければならない。今回の旅の目的は、大エジプト博物館に行く事であるが、その中でも多くの割合を占めるのは、ツタンカーメンの至宝だ。その数約5,000点。館内マップを見ると、入口エントランスを入って左奥にその展示スペースがあるらしかった。進むしかない。ツタンカーメンだ。


 逸る気持ちを抑え、迷わずにツタンカーメンの展示スペースに入ると、いきなり、その黄金の輝きに圧倒された。前を見ても右を見ても左を見ても黄金の輝きで展示スペースは満たされていた。黄金のマスクは勿論、テレビで見たことのある、あんな至宝やそんな至宝。知らずに今回初めて目にする至宝の数々。前に進んでは圧倒され、圧倒されつつ前に進む。私は時間を忘れて夢中になっていた。美しいだけではなく、荘厳で威厳のある至宝の数々。展示されているものが全てではなく、現在も修復作業が進行中である。ツタンカーメンだけでこれだけなのだ。他の至宝や展示物は…。

「ファンタスティック」っと、叫びそうになって我に返った。危なかった。


 今回の旅では3日間に渡り、大エジプト博物館を見て回ったのだが、全てが見れたわけではない。私が見れたのはほんの一部だ。展示物は修復が終われば増えて行くし、その全てを見るにはどれ程の時間を必要とするのだろうか? まあ、それはそれで楽しみでもあるな。エジプトか。王家の谷やピラミッドもこの目で見たみたいと思い、私は帰国の飛行機に乗った。

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