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想像で描く世界旅行記 ~The World Travel Diary~  作者: 夢宇希宇


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富士山

挿絵(By みてみん) 


 記念すべき初回第1話なので「一」「1」「イチ」にちなんだ場所を取り上げようと思う。


「はぁ? 何でそんな誰でも知ってるところを選ぶんだよ?」


 そんな声が聞こえそうだが、私が富士山を選んだのには私なりの理由があるし、その理由を読者諸君にも聞いていただきたい。


 ふ~じ~は に~っぽん いちのやま~♪


 富士山か。標高は3775.5m。山梨県と静岡県に跨る日本にある山で世界遺産でもあり、日本人だけではなく、世界中の人々でも富士山が日本一の山だと知っている。

 実は、私は富士山に登った。正確には車で行けるところまで登ったことがある。高校卒業後に、当時の友人達と車でだ。車では山頂には行けない。当時、友人の誰かは忘れたが、「富士山行かない?」そんな感じで、車で富士山を目指した。いや、若いって恐ろしいな。ノリだけで富士山に車で行く事になるとは思わなかった。山頂までは登っていない。

 若き日の思い出である。


 であるから、正確には私は本当の富士山の姿を知らない。ここから先は、私の想像で書く。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 私は、富士山で日の出を見てたくて、富士山の山頂を目指すことにした。

 五合目の登山口では、日本人だけではなく、多くの外国人観光客がいて、富士山が日本の観光地と化したのを実感する。噂に聞いた以上のオーバーツーリズムである。

 今は、入山規制があり、事前にweb予約をしたので私は大丈夫であったが、外国人観光客は知らない人もちらほらとおり、入山を諦める外国人も多少なりといた。

 山頂は夏でも寒くあるため、防寒対策は必須だ。外国人観光客の中には、Tシャツ弾丸登山をする人も少なからずおり、入山を拒否される姿もあった。


 日の出を見る機会をどれだけ待った事か。私は胸が高鳴るのを覚えながら、無理せずに1歩1歩と登山道を登り、牛歩の如く山頂を目指した。

 そして、入山からどれくらいの時間が経過したのか。遠目に山頂が見えて来た。酸素が薄いので、呼吸をするのも楽ではなかったが、順応したのか山頂を目前にして、そんなのどうにでもなりそうな気がした。それだけに楽しみにしていたからな。


 少しずつ少しずつ、歩を進め、山頂が目と鼻の先に。

 成しと遂げた。私は今、富士山の頂上に立っている。登頂したのだ。

 そうだ、日の出。辺りはまだ薄暗かった。だが、遠くが徐々に明るみを帯びて来て…ついに現れた。いや、見る事が拝見することが叶った。

 富士山頂の天気を心配していたものだが、快晴といって良く、私の目の前、周りは雲を眼下に雲海が広がり、その雲海から太陽が昇り始めていた。


「ああ、美しい…」


 私は自分がそう言ったのを誰かが言ったかのように自分の言葉を聞いていた。

 私は太陽が昇るのを、これを感動と言わずに何と言えばいいのだろうか。感動して、私は自分が涙していることにも気づかなかったくらいだった。

 

 この体験をどう表現したらいいのだろう。

 神秘的でもあるが、何か自分が世界から祝福されているかのような、そんな錯覚に近いものを覚えた。

 

 富士山。霊験あらたかな山とも昔から言われている。数百年に何度から大噴火をする。

 それでも、日本人にとっては特別な山で、信仰の対象になっていたりもする。


 だからだと思う。

 日本人が富士は日本一の山というのは、富士山が日本人にとってのアイデンティティなのだと。

 そう思い、後ろ髪を引かれる思いで私は下山をして帰路についた。

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