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【急募】姉うざい どうすれば

ごめんなさい

配信が終わって疲れたからベットに飛び込む。


するとカチっと音がしてゆっくりドアが開く。


「天馬〜ひま〜助けてぇ〜」


楓である。

配信してるから念の為鍵を閉めていた筈なのに毎度のことながらどうやってか解錠して入ってくる。


「なんだよ〜一人で遊んどけよ」


気だるそうにこんな事を返す天馬。


「違うの〜お姉ちゃんは構ってほしいの〜さっきの一万円分くらいは構ってほしいの〜」


そうやって言って抱きついてくる。


「う、うざい…なに?酔ってるの?」

「いや?まだ呑んでないよ弟不足なだけー」


抵抗しようとしてもどうせ抜けだせないのでもう、どうでもいいと思いつい楓がついたまま携帯を取り出しゲームを始める。


「ちょ、ちょ!天馬!天馬ぁ!お姉ちゃんに構って!!構って!構って!」


そうやってより強く抱きついてくる楓。


「う、うざい!」

「じゃあ構って満足したら落ち着くから」


"落ち着いてない自覚があるなら落ち着け"などと話しつつも天馬は考える。

ここでごねてもこの姉は引くことは無いならどうするか。

そうかまってやれば良いのである、そうすれば勝手にどっか行く。

猫みたいなものだかまってほしそうな時にかまってやれば自然にどっかに行く。


「は…わかったよ構ってやるよで、何すればいいの?」


やっと折れてそんな事を言う天馬がそんな事を言うと楓はニコっとなる。


(どんな事を言われても多少は我慢しよう、日頃の感謝や)


そんな事を考えながら身構えていると、楓は自身の腕を開いて言ってくる。


「お姉ちゃんに抱きついて、可愛い声で"お姉ちゃん愛してる"って言って」

「………」


想像以上に強烈な願いである。


「一旦深呼吸させて…それとやってあげるから…終わってたら1週間ぐらい距離置いていい?」

「なんでぇ?!」 


そんな会話がありながらも、楓はほれほれっとてを広げてやってくる。


覚悟を決めてから天馬は楓に抱きつく。

そうして上目遣いで。


「お姉ちゃん、愛してる」


っと言ってくる。

いつ天馬がお願いをする時に使うちょっと高い声で。


そうしてこの間天馬はあまりの恥ずかしさに赤面しながら頭が真っ白になっている……がそれと対比で楓の脳内はフル回転している。


(なんだ?なんだ?この可愛すぎる生き物は?私はこれと一緒の世界に生まれてきて、それでいて姉と言う身近な存在に生まれてこれたのか?え?最高か?あぁ神よ!私はいま天国に居ます!感謝感激!最高です!ええ!強いて言うなら最高です!この天使を天使を作ってくれた神に伝えよう、私はいま!この瞬間死んでも悔いはありません!!!!!!)


以上省略した楓の脳内であるこれがほんの数秒の脳内であるのが恐ろしいのである。



「あの〜?お二人さん?お熱いとこ良いですけど見せつけてないで離れてくれませんかな?」


突然…そう本当に突然ベットの横に美桜が立っていたのである。


「ふぁ?!美桜、いぃいいや!これはそういうのじゃなくて?!どこから観てた?」

「お兄ちゃんがお姉ちゃんに抱きつく2秒前くらい」


狼狽し狼狽える天馬の質問に美桜は軽蔑した目で淡々と返してくる。

因みに楓は愉悦に浸っていて恐らくまだ美桜がいたことすら気づいていない…どころか今楓はこの世界にいないないだろう。


「あのね?あんまり距離が近すぎるってのもどうかと思うよ?」

「いや!マジでそんなんじゃない?」


美桜の目はゴミを見るようである。

【天馬は精神に100のダメージを食らった】


「そういのじゃないってどうのなのよ?実際私はこの目でお兄ちゃんのかわいいとこ見ちゃったからね?ちょっと私の気持ちを考えて?」


【天馬は精神に100000のダメージ、もう息は無さそうだ】


「ごめんなさい…」


天馬は何も言えなくなってただ一言そう放つ。


「まあ…どうせお姉ちゃんになんか言われたんでしょ?そうじゃなくてもそうと思っておいてあげるから」

「ありがとうございます…」


そんな会話の後美桜は"はー"っと一息ついてから天馬に話し始める。


「ちょっと学校休んだ分勉強してたんだけどさ、分かんない所あるから教えてくれない?」

「はい、もちろんです」


そんな美桜のお願いに即答する天馬。

それとその2人の隣でまるで某漫画の目隠しの人のアレを食らったかの如く思考停止している楓。


まさしくカオスである。



天馬が美桜の部屋で勉強を教えている時、突然扉が開く。


「あ、2人ともここにいたんだ」

「なんだよ姉貴今勉強教えてるんだけど?」


入ってきた楓に不服そうに天馬が返す。


「いや、天馬にかまってもらったから次は美桜に〜」


そんな事を言いながら近づいてくる楓。


「お兄ちゃん、もうだいたいわかったからあの変人の対応してくれない?」

「うん…任せて」 


そうやって2人から敵視される楓であった。

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