久々の配信
予告した通り今日出します
「ただいま~」
玄関を開け元気な声でそういう。
「おかえりー」
こうやって挨拶すると挨拶し返してくれるのはとっても幸せなことだろう。
「姉貴〜プリン買ってきたぜー」
そうやって楓に近づきながらビニール袋からプリンを1つ取り出し渡す天馬。
「ありがとう〜」
っと高い声で感謝しながら楓は天馬に抱きつき、頬にキスを来てくる。
「で、姉貴お代」
楓を完全にスルーしてそんな事を言う天馬。
「えぇ?!スルー?お姉ちゃんの愛情よりお金なの?ねぇ!ねぇ」
そんな事を結構大きい声で言う楓にうるさいな〜っと言わんばかりの目で見つめる。
「う…ぅう…う」
楓には大ダメージである。
楓は渋々財布を取り出し1000円を財布から出す。
「ねえねえ!お姉ちゃん!お小遣いちょうだい」
そうできるだけ作った声でそんな事を言う言う天馬。
それを聞いてから震える手で1000円札を戻し一万円札を取る。
それをスパッと取った天馬。
「ありがとう!姉ちゃん!」
満面の笑みでそう言う天馬。
こういうときだけお姉ちゃんと呼ぶ汚い手を使う天馬である。
「いいだ…いいだ…お姉ちゃんは弟の笑みを見るのが一番の幸せだ〜」
小さくそんな風に言う楓を横目に天馬は一万円を財布に入れて袋から昼ご飯を取って部屋に戻るのだった。
ちょっとして、昼ご飯の弁当もほとんど食べ終わり。
ゲームでもしようとイスに座る。
(よし!配信しよう!せっかくやってるのに最近全然できてないし)
そう決めて取り敢えず何するか考える。
何分か考える。
大分考える。
(ネタがねぇー)
成り行きで始めた配信業。
正直初動としては凄く良いスタートであった。
だがしかしそれを維持できるほど計画性がないのである。
因みに恋華が出てきた配信は切り抜きだったりが出てプチバズみたいなことをしていい感じである。
(うーんホラーゲーは最近零さんとやったしな〜てか今何が流行ってるんだろう)
そう思って色々調べてみるがあんまり魅力に感じるゲームなんかを見つけられない。
(じゃあしょうがないか…ワルクラでもするかー)
ワルードクライシス…恋華や零士、レフトなど言ってしまえば天馬が一番やり込んでるゲームで何時ものコミュニティーのあのゲームである。
「はい!予告無しゲリラ配信です!まあ自分の配信に予告があったことなどないけど」
〈ぽんたろう〉【待望の配信】
「待望の配信やめてね?別に忘れてた訳ではないけどね?ね?」
〈六条負ける〉【天ちゃんや!久しぶり待ってたで】
「あのね〜?所々天ちゃん、天ちゃんって言ってる人いるけど誰かさんに影響されすぎじゃない?」
〈太郎〉【姉貴の経由で知りました!】
〈けてけて〉【逆に何と呼べと?】
「いいんだけどね?」
〈六条負ける〉【亜蓮の姉貴は現在配信中だから今日は来ないかな】
〈タッチ〉【そう?あの人ならミラーとか全然しそうだけど】
「ま、ま、皆さん落ち着いて、本題に移りましょう」
あまり冒頭に時間を使いすぎてもアレなのでそうやって言って切る。
「今日はね〜何やるかギリギリまで決まらんで最終的に一番やってるゲームのワールドクライシスをねやっていこうと思いまーす」
〈設定3.14〉【あ、よく見るやつだ】
〈大和田三郎〉【おー】
「じゃあやっていこうか!」
そうやって配信をスタートしていくんだった。
何十分かもしかしたら何時間かたった。
「ふふぅぅぅ〜なんだこのクソボス!!何でこんだけやってギリギリ勝てるかどうかなんだよ!集めてたアイテムほぼ使ったぞ?!数カ月渋ったのに…」
〈田中太郎〉【いやいや普通に勝てるだけでもすげーよ】
〈あああ〉【亜蓮さんはもっと苦戦してた】
〈けてけて〉【大分上級者向けコンテンツをこのソロでこなす女】
「普通に設定ミスってるだろこれ、アホだろまあ別にエンドコンテンツのエンドコンテンツみたいなもんだから妥当っちゃ妥当なのか?」
〈あああ〉【大分むずいけどね】
「ふぅふぅ…よしちょっと振り返って今日は終わるか」
そう言って少しコメントを振り返ろうと遡ってみる。
「えーっと何々"何だか配信のペースが遅い気がします。次の配信がまた3日4日待たされると待ちきれません!せっかく始めて推しができそうなので次のはもっと速くやってほしいです!"っと…はいコメントありがとうえー応援してくれるのは有り難いけど一言言うとね喧しいはーっと、遅いのは自覚してますよ」
〈あああ〉【それは開き直りじゃない?】
〈設定3.14〉【天ちゃんがんば!】
「ハイハイ…頑張りますよ…よし!もういい時間なんで配信切りますバイバイ!」
久々の天馬の配信はそんなふうにして幕を閉じるであった。




