シンギュラリティAI と ハヤト
備蓄
シャリファアスマ バーレンシア王国の第2王女は、世界一美しいと言われる バラの花と同じ名前をつけらた。一卵性の双子で、10数分遅く産まれた妹王女は 同じ顔を持って産まれた姉と、王位相続で争っている。もっとも、本当に争っているのは 臣下や国民であり、それは 戦争まで引き起こした。ある夜 儚げに長い睫毛を落とし もう一度見開いた両眼には、決心の色がみえた。翌朝 数年前王子がら、消えたのと同じように、シャリファアスマは 王城の自室から、消えた。宰相達は、宣戦布告をされ 1年後実戦なのだ、見た目そっくりな 第一王女を女王に即位させ、バーレンシア王国として 敵国を迎え撃つ必要がある。国民は 近隣諸国に多数逃げ出し 軍隊は軟弱だが、先週 砂の大陸より移民してきた、エルフ族は、強力な魔法使いと 強靭な肉体を持つ戦士だった。戦力も 補強された。あとは、戦時下の 糧食の問題である。塩貿易と漁業の国で、穀物や精製肉 乳製品に、果物まで 宣戦布告してきた国や、周辺国から輸入して来た、糧食の確保は、何処からするのか・・宰相は、西のドワーフの国 雪皇国に、食糧の大量買い込みについて 大臣を派遣した。近くの聖国の女王は 敵国国王の母親なのだ。こちらに 頼れるはずはない、また サザンクロス帝国とは 国交はなく、ウィントクーフなど 遠く離れており、問題外だった。海岸線から 離れた地域の農民たちが、敵国に流れ出たのが 本当に腹立たしい。
バーレンシア王家は、伝説の勇者の末裔で 魔法やマジックアイテムが、一子相伝で 引き継がれていた。行方不明になった第一王子は、消えたその夜に そのマジックアイテムで遊んでいた。異空間転位が可能な 地味な腕輪は、代々受け継がれていた 王子の学習机の 隠し引き出しの中にあった。幼かった王子は、伝説の昔 勇者が使っていたであろう、異空間転位の腕輪に 勇者の末裔の血で、 魔力を流してしまった。何の痕跡もなく 王子が消えたのは 異空間転位の為だった。シャリファアスマが 母親から引き継いだ、数々野宝石の中にも マジックアイテムがあった。山脈の大陸中の 位置情報が刻まれた、転位アイテムの指輪。何の飾りもない ミスリル?の指輪は、嫁いできた王妃には、地味すぎて 公務でも私用でも、見向きもされなかったが、シャリファアスマが 指輪に嵌めると、魔力がながれ その使用法も シャリファアスマは理解出来た。魔法と物理攻撃無効のヒヒイロカネの 華奢なネックレス、生まれた時から 持っていた、時間停止のアイテムボックスのスキル 儚げな妹王女は、姉王女の国内統一と、内乱の沈静化を願い、冒険者に成るべく、王城から消えたのだ。
ウィントクーフ王都冒険者ギルドの、ギルドマスターは、またまた眉間に三本線を浮かべている。今日 何の前ぶれもなく、ギルマス室に 現れた少女は、儚げな美しい声で カーテシーをキメ!挨拶したあと ギルドカードを所望した。冒険者登録には、名前ーシャリファアスマと 年齢10歳と 職種ー魔法使い、それだけの記入で 誰でも冒険者登録出来る。しかし 眼の前の少女は、腰までの煌めく金髪 虹色の虹彩のブルーアイ 折れそうな華奢な肢体・・・女性のスターシアナでも ため息がでる、まるで王女様だ。突然直接転移出来たのは、伝説の勇者の末裔だからと、話すのだ。スターシアナは ハヤト達で学習しており、コレは。考えたら負けな奴!と、登録のマジックアイテムに通すと、果たして シャリファアスマのカードの色は、Sクラスのミスリルカード。スターシアナは 自ら冒険者の心得だけは 丁寧に説明した。素直に説明を受けたあと、シャリファアスマは カーテシーをバッチリ決めて、再び転移した。スターシアナは、全く 何もなかった如く 瑠璃色の風がもたらした、書類の山脈に挑み始める。天使か女神のような シャリファアスマは 放っておいても大丈夫だろう。ギルマスと女のカンを両方賭けても…
カーテシー
転移座標で とても気になったのは、ウィントクーフ王城の森の離宮。森の離宮?隠れ家?シャリファアスマは、転移してみた。玄関には、鍵がかかっているけど、今立つのは、玄関の中ナノで 問題なし。大きなガラス窓越しの 広い庭は奇麗な花達が 咲ほこっている。スターシアナは
、アイテムボックスから、熱々の紅茶のティカップを出し 一人で紅茶を啜った。少し疲れていて ソファのクッションにもたれると、眠ってしまった。物音で 目覚めると、通いだと言うメイドが、掃除をしていた。離宮は 王国第11王子が 使用していると話す。話しているうちに、執事イリアが 帰還した。シャリファアスマは みごとなカーテシーを披露し、冒険者だと話す。イリアは、深い話しはせず 一番上等な客間は、いつまでも使って大丈夫と説明する。但し 食事等は、転移出来るのなら 外ですまのと、時計だけの使用設定の、腕時計をつけるよう 義務付けた。この 離宮を使用する条件として。イリアは
イロイロ説明すると、次の仕事へと 転移して行く。シャリファアスマは、何て忙し方から・・・と考えただけで、また暫く眠った。
「と、いうわけで 何故か、バーレンシアの一卵性の双子妹王女が、Sランクのギルドカードを スターシアナから貰い、冒険者として 森の離宮に住み着いてる。」ハヤト達は、イリアの報告は なかった事にした。この時期に、一番の問題事に何て 関わりたくないのだ。そして ハヤトは、ドワーフの国へ転送した。
傭兵移民
フック船長達は、バーレンシアに転移して 傭兵団組と合流した。三ヶ所に散って 上陸した山脈の大陸では、バーレンシアの軍隊が 一番組みし易そうだったからで、軟弱な軍隊の中での 新米エルフ隊員の昇進は早く、半年後には 隊長クラスはほぼエルフが締めた。シャリファアスマが国を、出奔して北と西の軍隊を 統合するタイミングだったのも、エルフ達に優位に働いた。また、軍隊を視察にあらわれた、新女王リ・リンは、エルフ族を驚かす程に 絶世の美女であり、その士気は 上がる。絶世の美女の為に国を 護る!単純だが わかり易い目標で、武功をあげれば まだ独身の・・・ヤル気はあがるよねー。宣戦布告され、軍隊だけは 強化されつつある。
兵糧確保は、雪皇国だのみだったが 1年分ならと、協力を取り付け 外務大臣は、一応ホッとしていた。随時船で 戦線の戦闘が始まる前に、兵糧は備蓄出来る。雪皇国は、高名な鍛冶師が多く バーレンシアの貴族や豪商たちが、高級な武器類を 多数輸入していたので、皇国側も 断りづらかったのだ。しかし、大切な国民の命まで 貸し出すつもりは 全くなく、兵力の応援要請は キッチリ却下された。ハヤトは、この結果でも 悪くはないと、考える 出来れば兵糧も 出してほしくなかったが、それは 仕方ない。




