シンギュラリティAI と ハヤト
ポーション&ヒール
裏入学生…じゃなくて、ハヤト殿下ゴリ押しの 田舎者の少年を、春から王都魔法学院中等部に入学させなければならない!学院長補佐は、実質 王都魔法学院を、まわしている。理事長王様や学院長は、あーだこーだと 命令し、ごちゃごちゃと口を出す。言うのは、簡単さねー。なんじゃこりゃ~!な、無理クリな事を要求するが、コレ絶対ムリなヤツだ。田舎者少年は、生活魔法や言葉の理解も 出来ておらず、野山を駆け巡り、遊んでいる ガキんちょだと、報告書には書いてあり 絶望感を押し殺し、冬休みの4ヶ月で 生活魔法と 読み書きは、マジックアイテムを 使ってでも、田舎者少年に 身につけさせなければならない。大きな目の下のクマを つくって、悲壮な覚悟の学院長補佐は、ロンが、{能ある鷹は爪を隠す 外に出れば皆敵}という、先祖代々の家訓のもと、忍者修行を マリラ(母親)からされているのを、まだ 知らなかった。王都魔法学院裏第四門に、人知れず到着した、田舎者少年ロンは、学院長補佐自らの出迎えに 緊張した。「こんにちは 学院長補佐のヒースです。新入生だね?」ヒースは、また 馬車に乗って 田舎に帰れ!とばかりに、冷酷非情な声音で ロンを睨めつける。ロンは 非常にひたすら、学院運営にとって 厄介の種なのだ。ロンその人は(うわ~~っ、すっげぇ威厳のあるおっちゃん)位にしか、感じず「初めてお目にかかり光栄です。ロンです。よろしくおねがいします」と、満面の笑みを浮かべている。本当は、馬車の旅あるあるで お尻も 身体も、痛いの最上級中なのだ。双方とも、最悪の出会いだった。
寄宿舎とは、日本国で言う 大奥のような所だ。大きな権力や後ろ盾、平均以上の実力等 持っていれば、楽しく 安全に生活出来るだろう。それは、ロンが 案内された部屋で予測可能だ。ロンの部屋は、王国学院寄宿舎の最上階ブチヌキの、ハヤト王子専用フロアの 昇降機入口から、3つ目だったのだから。ドアを開けると、淡いパステルグリーンの部屋で 透き通った大きなガラス窓と、書棚と学習机と椅子のセット 白いベッドと柔らかそうな 布団と枕、あとは、剣等武器を掛けられるタンスが 1つあった。そして バスはシャワー付きで窓側、トイレドアは入口付近で別々。10畳はあるだろう 落ち着いた感じの部屋を、ロンは好ましく思った。そして 勉強机に座り、キチンと整理整頓されて、準備された教科書等を眺め 上級ポーションと エクストラヒールが使える 魔術師になるまで 絶対逃げ出さないと、家族の顔を思い出し心に誓う。魔法学院のなかは、おとぎ話の世界だった。昇降機のドアが開くと 玄関で、上履きにかえる。真正面にあるデカい絵画の 美術品は、縦180cm横3m程の リビングダイニングホールの目隠しと 防御を兼ねているのだろう。ロンの部屋は、高級ホテルのロビー全とした、フロアが見渡せる入口にあった。このフロア全体より、ロンの家は きっと狭い。学院の様々なコトは、明日、朝食後に このホールの応接セットの1つで 説明される。ゆっくり湯船につかり、全身を伸ばし旅の疲れをとった。コートもゆったり掛けられている 洋服箪笥はから、室内着を選び 着てみると、サイズはピッタリだった。王様みたいだ!と ふわふわのベッドに横になると、いつの間にか眠ってしまっていた(王様のベッドはもっと豪華だけどね)。ドアのノック音で覚醒すると、「お食事の時間です」と、係の人が言う。急いでドアを開けると、係の人はお辞儀をして 昇降機に乗った。窓側の応接セットの1つの横に、学院長補佐が立ち「コチらに、夕食が準備されています。」と話す。落ち着いた態度で「ハイ、ありがとうございます」と答える事が出来た。学院長補佐は、ロンと話しながら ゆっくり夕食を共にした。ロンは、食べ方や作法も キチンとしており、家族や 家庭学習の程度、魔法や武術のレベルについて、余談なく会話として、成立させることができていた。ヒースは、驚愕を 表情や声音にださないよう、努力しなければならず、しかし ロンがただの、田舎者ではなかった事に 小躍りするほど喜ばしくおもい、安堵していた。習学状況は、中等で十分通用するだろう。あとの説明等は、学年担任に 明日から丸投げすることにした。その頃、ヒースから 厄介者を丸投げされる、学年担任のアンは、突然の寒気に 顔をシカメていた。




