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シンギュラリティAI と ハヤト  作者: 小泉ハヤト
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シンギュラリティAIとハヤト

 シンギュラリティAIとハヤト

 1 秘匿

 

 315360000秒…

 小さい端末は 待った。315360001秒 微弱な電気信号を 最新鋭フリゲート艦艇メインAIは確認。

新宇宙艦隊旗艦である、ハセイ 夢幻の宇宙に散りばめられたタイムワープ可能な艦隊から複数の小さな探査機が音もなく射出された。

  



 2 side第11王子 

 青い三日月の夜誕生した、第11王子は、王位継承権とは、ほぼほぼ無関係だ。王城内の森の離宮に暮し、現在魔法学園初等科を卒業、12月からの冬休みを経て、4月から中等科生になる予定だ。

 「ブルームーンって 本当に青いんだな?」第11王子は呟く。執事イリアは暖かい薬湯を、カップにそそぎながら、「週末で、学院は休みですが、王族会の朝食会がありますよ?」と、秋のロマンチックな雰囲気は台無しにしてくれた。




 3sideコタロ

 コタロ6歳9ヶ月は、決断の機会を窺っていた。コタロ4歳の誕生日前夜、突然両親は行方不明になった。王都の次に栄える都で、塩を専売する豪商のおぼっちゃまを、その父親から忌避されていた母親の異母妹夫婦が、「この大きな邸宅は、今日から私達家族がすむのさ!おまえは、塩倉庫の2階にでも住むがいいさ」と、こずき倒した。

 コタロを大切そうに、太助起こしたじいやは、「ジーナ様、世間体もありますぞ!コタロ様をむげに扱えば、塩の商売にも差し支えるでしょう!」とジーナを見据える眼は、おまえ達がご主人様夫妻を殺したのだろうと語る。ジーナはしばし怯み、目を逸らした。じいやは先祖代々塩屋に仕えており、ジーナ達より、街の信用はあるのだ。

 コタロの父親は草(間諜)だった。先祖代々サザンクロス帝国のスパイだ。時折父親の肩に止まる小鳥、その小さな足にハマるリングに、「オープン」と言いながら触ると、卒業証書入れの筒ほどになる。【特に異常なし】【引き続き定時連絡せよ】と、繰り返して、半年に一度金貨1枚が筒に入っており、報酬となる。「クローズ」と言いつつ筒と小鳥の足に触ると、足にはまるリングになり、小鳥は飛んで行くのだ。父親のあと、小鳥は当たり前のように、コタロの肩にとまる。じいやは、小鳥がコタロの肩止まったとこで、父親の死と、コタロも草(間諜)になったことを悟った。

 じいやは、コタロに言い聞かせた。「能あるタカは、爪を隠す。マワリは皆敵とおもえ」と諭したし、ジーナからまずコタロを護らないといけない。幼い4歳の子どもに、読み書きと計算、生活魔法、間諜スパイの忍術等教えることは多い。コタロは賢く聡い子どもだ。数え切らない涙をながし、泥まみれになりながら、じいやの鍛錬に耐えた。5歳の誕生日、じいやはアイテムボックス(時間停止)になっている、汚くみえるみさんがをコタロにハメた。コタロ専用の魔法をかけて。「秘密のマジックアイテムですぞ!命の素です」と言い含めた。じいやにはもうあまり、時間がないのだ。コタロを護って育てる時間!時間は無駄に出来ない。

 コタロはじいやと、草原や川、時には森で1日を過ごす。そして、湖のほとりの露天風呂に毎日入る。ジーナ達は、3棟あった塩倉庫が空になりかけて、金の工面にイライラと2人を見張っていた。じいやは、塩には一切手を付けず、ウサギや鳥をかり、魚やエビやカニをとり、森の果実と、竹や蔦のカゴやざるを街で売り、コタロを養う。その為手が出せないでいたのだ。




 4sideサザンクロス帝国第3王子

 ダイアナ・フラウ・サザンクロス第1王女は皇帝の右隣に立つ。親衛隊長と騎士総長であり、皇帝の信用厚く、何事にも頼りにされている者にのみ許される立ち位置、左側には宰相であり、ダイアナの幼なじみの乳兄弟シオリとのタッグは、皇帝の盾と鉾として、大陸中に轟渡っている。

 サザンクロス帝国のお家事情は、お約束どうりだ。

帝位継承権第一位 第1王子アーサーは、病弱で儚い命は、まさに風前の灯。

帝位継承権第二位 第2王子ハイメは、脳筋のキン肉○カ。東国のお伽話の頭に輪っかのゴリラの様相。

帝位継承権第三位 第1王女ダイアナは、頭脳明晰、聡明な淑女にして、親衛隊長と騎士総長を兼任する、女傑。

 ここまでが、皇帝と王妃の実子

帝位継承権第四位 第3王子ユーダリ。妾腹で実際に皇帝の種かと疑われて育った為、性格が歪み、帝位に執着し暗躍する。

 側室との間には、王女ばかり14人もおり、全員すでに他国に政略結婚(一応イヤイヤは無し)しており、平和貢献している。

 で、ユーダリのイライラは現在最高値近い。もし、明日にでも、父皇帝のツルの一声で、皇太子にダイアナが選ばれたら!第2王子のハイメさえ、喜んで賛成するだろう。そう、何十年も第1王子に毒をモリ続けた苦労も水疱と帰す。目の上のタンコブのダイアナは、ウイントクーフ国王の側室であり、第11王子の母親なのに、王子を王国に残し、実家に帰って暮らしているのだ!言い方をかえれば、ダイアナには、もう継子までいるのだ!ユーダリの立ち位置は、針の先程か。



 

 5 10月31日未明

 バルコニーのお月見で、冷えた身体を暖かい薬湯で暖め、天蓋付のベッドで眠る。マジックアイテムのベッドは、強固なシールド付で、エンシェントドラゴンのブレスも防ぐだろう。王国では、第11王子でも、ダイアナの唯一無二の男の子なのだ。(本人自覚皆無)

 すや…すや…すう

未明のブルームーンが弾けて、碧い雫が僕にまとわり付いた?夢?の中のオッドアイ、瑠璃色の虹彩から世界が発光した。

 身体がブレた…AIを立ち上げたような音とシンクロして…?…おかしな夢だ…

《キャプテン、並列思考を開始します。私はシンギュラリティAIです》脳内に響きわたる音声?

落ち着け僕!夢だから…息を吐いて吸う、腹式呼吸で、自律神経を刺激し、副交感神経系を優位に働くことで、心のリラックス効果を、期待するんだ!

…はあっー…すうっー……ゲホゲホ

《キャプテン、コレからキャップとお呼びしますが、落ち着いたら、ステータスオープンと考えてください。ソロソロお約束とお気づきと愚考しますが》

10月31日未明の出来事から、僕も覚醒した。

 

 シンギュラリティAIとハヤト

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