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姉弟勇者の異世界生活  作者: アジの缶詰
エピソード0 ~異世界転移する前の話~
3/5

森での生活

 俺たちは、シャーロットとアメリアが行きたいと言っていたベイスカイ王国を目指し歩いていた。

 ベイスカイ王国へは歩き続けても5時間くらいかかるかるし、村を去って、ベイスカイ王国に行こうという話しになったのが夕暮れ時だったこともあり、俺たちは一晩、山で野宿をして翌日にベイスカイ王国に向かうことにした。

 

 村でお金とたくさんの鉱石はもらっていたが、食料等をもらっていなかったため、俺たちは山で食材を探すことになった。

 まず始めに川で魚を採ることにした。


「よーし今日の晩飯のためにもここでたくさん魚を採るぞー、誰が一番多く魚を採れるか勝負な、

 アメリアとシャーロットは魔法を使うの禁止、ゼインは剣を使うのは禁止な!!みんな平等にこの銛を使って魚を採ること。」

 ルーカスがそう提案してきた、


「ルーカス、いいアイディアだね、楽しそうだし、ここはたくさんの魚がいるから盛り上がりそう!」

 と俺が言う。


「確かに面白そうね、魔法禁止なのは守れるか不安だけど、この勝負勝たせてもらうわ!」


「私は魚を銛で採るなんてやったことないのですが、魚を採れるように頑張ります!!

 それとアメリアさん、魚が採れなくてイライラしても、魔法を放つのはやめてくださいね、ここらいったい吹き飛んでしまうので、」


 これを聞いてみんな笑っていたが、本当にやりかねないのがアメリアの恐ろしさである。


「よし、じゃあ始めるか、それじゃあよーいスタート」


 ルーカスの合図で俺たちは一斉に魚を採りにかかった


 俺たちがいる場所にはたくさんの魚がいて、俺は最初簡単に魚を採ることができると思っていた。

 だが、俺の考えは甘かった。

 魚はとても警戒心が強く近づいたら、もちろん逃げてしまうし、とらえたと思っても銛が刺さっていないこともあった。

 剣であれば簡単にとらえることができるだろうが、そう言うわけにもいかないから、なれない道具で頑張っていた。

 最初こそ苦労したものの、だんだんとコツをつかんでいき、気がつけば10匹以上の魚を採っていた。

 剣を扱うときと同じようにしてやれば大したことがないことに気づいた。


 ルーカスも俺より早くコツをつかんでいたため、俺よりもたくさん魚を採っていたが、何とか追い上げていけそうだ。


 そんな中、なかなか、こつがつかめずにしているものもいた。シャーロットとアメリアである。

 俺は普段から剣を使っていて、銛は剣とは違えど全く似ていないわけでもないから、あまり苦労ぜす扱うことができた。

 ルーカスは普段は弓を使ってるから、何で慣れるのが俺より早いのかは理解ができないが、まぁ才能だろう、


 問題のシャーロットとアメリアは普段は魔法を使っているから、俺達と違う、慣れずらさがあるのだろう。

 二人もと全くと言っていいほどに採れていない。


「うぅ...、魔法が使えればここにいる魚を全て捕まえることが出来るのに.. どうして魚はこんなにも警戒心が強いのでしょうか? 近づくだけですぐに逃げてしまう。

 どうして二人はそんなに魚が採れるんですか?」


「そうよ!てか普段からあんた達は武器を使うじゃない、だからある程度は感覚がつかみやすいと思うけど、私たちは、違うのよ!条件が私たちの方が不利だわ!

 魚すぐに逃げるし、なんかイライラしてきたわ、」


 やばいやばい、これはそろそろ魚に対する怒りで魔法をぶっ放つパターンだ、

 アメリアは温厚そうに見えて、沸点が低いから怒り口調になっているときは危険信号だ、


「まぁまぁ姉さん落ち着いて、姉さんの反射速度なら絶対捕まえられるよ、魚の動きをしっかりみて、動きを予測してみなよ、」


さすがにやばいと思ったので姉さんを落ち着かせる。


「そうなの?まぁ分かったわ、やってみる」


 その後徐々に感覚をつかんでいったアメリアとシャーロットだが、そこに至るまでの時間が長く早々に終わってしまった。

 結局30分ほど魚を採って結果がこんな感じ

     ルーカス 27匹

      ゼイン 24匹

     アメリア 12匹

   シャーロット 10匹


 結局ルーカスに追い付くことは出来なかったが、我ながら頑張った方だと思う。

 アメリアは始まる前に勝利宣言をしていたからかかなり悔しそうにしていた。だが、後半は思うように魚がそれたらしく少し満足しているようにも見えた。


「いやー、悔しいわね。最初がうまく行かなかったのが、痛手だったわ、魔法が使えれば、絶対圧勝だったわ」


「でも、アメリアさんの魔法は魚を捕まえるのではなく、殺してしまうのではないのですか?

 魔物さえ灰になるのに魚が耐えられるはずないですよ、

でも私の魔法なら、魚を空中に浮かすことができるとで、魔法がもし使えたら、確実に勝ってました!」


 アメリアとシャーロットが魔法を使えなかったことを皮肉るようにして話していた。


「まぁまぁ結果はともかく、こんなにたくさんの魚が採れたんだし、良かったじゃねーか、早くこの魚を焼いて食べようぜ!!」


「でも俺思ったことがあるんだけど、今俺たちが採った魚の数って73匹じゃん、この魚そこそこ大きいし、食べれるかな?」


 俺の疑問は実に素朴なものだったが、魚を採っているときはそんなこと気にもしなかったが、よくよく考えてみたら、すごい量の魚を採ってしまっていた。

 見るからに俺が食べることができるのは多くても、5匹が限界だろう。

 ルーカスとアメリアは俺より食べることができるが、そこまで差があるわけでもないし、シャーロットに関しては、普段からあまり食べないから、夜ごはんに73匹の魚を食べることは不可能だと思う。


「まぁとりあえず、食べれるだけ食べて、残った魚は明日、ベイスカイ王国に行って売るなりなんなりしよう。」


 日もほとんど沈み辺りが暗くなり始めて来たの俺たちは、川の近くで夕食をすることにした。

 

 まず始めにテントを建てた。このテントは2年ほど前に、旅の途中で訪れた国に売られていたもので、箱みたいなものにボタンがついていて、そのボタンを押すと、瞬く間にテントが出来上がるのだ。

 テントの広さも4人が寝るには十分な広さまで広がるし、とても快適に過ごせるので、俺たちはこのテントを長い間愛用している。


 次に火をおこす、といってもそんな大したことではない、あらかじめ森に入ったときに木の枝をある程度採っておいていたから、それらを並べたら、アメリアが魔法で火をおこす。

 そうすれば、焚き火の出来上がりだ。


 出来た焚き火でさっき採った魚を焼いていく。料理をするのはルーカスに任せている。今回は魚を焼くだけのシンプルなものだが、ルーカスは普段の旅でも、食材を集めては美味しい料理を作ってくれる。

 ルーカスのお父さんは料理人らしく、もともとルーカスは冒険にでて、シャーロットと出会うまでは父の店を継ごうと思っていたらしい、しかし、冒険に憧れ旅にでて、シャーロットと出会い、二人で旅をしているなか、俺達と出会ったという。


 そんなことを思い出していると、ルーカスが手際よく作業しながら、

「そこの4匹の魚はもう焼き上がってると思うからためしに食べてみてくれ。

 一応、塩味は少しつけておいたんだが、足りなかったら付け加えてくれ、」


 俺たちはルーカスが焼いてくれた魚を食べ始めた。やはりルーカスが料理すると、その食材の味を最大限に引き立たせているいる気がする。

 焼き加減やら塩加減やら全てが完璧!!


「とっても美味しいわ、ルーカス。 焼き加減がちょうどよくて、よっても食べやすい。」

 シャーロットがそういうと


「そう言ってくれると、俺も嬉しいぜ!! おかわりあるから遠慮せずどんどん食べな!」


 その後も俺たちは、楽しくルーカスが作った魚料理を食べて、一時を過ごした。




 夜も遅くなり、ルーカスとシャーロットはテントに入り寝る準備をしていた。

 俺も普段なら寝る支度をしている頃だが、今日はなんだか寝付けそうになかった。俺は川のふもとに行き考え事をしていた。今日、村で聞いた世界の調停者のことについてだ。

 本当にそんなものがいるのかすら分からない状況だが、村のもの達の様子をみるに実在するのだろう。

 それに近年起こっている魔物が狂暴になっているのが、その調停者の影響とも村人達は言っていたが、それが本当なのはともかく、この世界がおかしくなり始めているのは事実だ。

 

 そして何より一番引っ掛かるのは、俺もアメリアも調停者のことを一度も耳にしたことがないことである。

 何百年と生きてきて世界の理のような人物を一度も耳にしないのはあり得ないと思ったのだ。


 何か裏があるような気さえもした。

 もし仮に世界の調停者が俺達のことを知っていて、俺達を避けるようにして、過ごしていたとしたら...

 または違う誰かが俺達と調停者を合わせないように、話を聞かないようにさせてたら...


 そう考えるときりがなく、余計に悩んでしまう。


「あら、そんな真剣そうな顔して、珍しいわねゼイン、何か悩み事でもあるの?」


 後ろから声をかけられ振り向くと、アメリアがこっちに向かって歩み寄って来ていた。


「今日、村で世界の調停者ってやつの話を聞いたじゃん。

 どうもその話が引っ掛かるんだよね、だって、俺も姉さんも一度も聞いたことない人物な訳じゃん?」


 俺はアメリアに今考えていたことを話した。


「それに関しては、わたしも思うところがあるわ。

 調停者なんて凄そうな名前、何百年も旅をしていれば、一度くらい聞きそうだもんね。

 でも、案外村人達の作り話だったていうこともありそうじゃない?」


「うーん、個人的には村人の話は本当で世界の調停者は実在すると思うんだよね。

 もし実在しなくても、今の世界の状況は誰かが意図してやっていることだと思うし、」


「確かに、近年で一気に世界がおかしくなり始めているのは、旅をしていた痛感しているわ、調停者がそれにどう関わっているかは分からないけど、何もしないでこうなったとはいいずらいわよね。

 でも、今そんなこと真剣に考えても答えは導き出せないと思うわよ。

 明日、ベイスカイ王国に行って、世界の調停者について聞いてみるのもいいわね、   これからも旅をしていくなかで、きっと新しい情報を得ることができると思うから、そのときになったらまた考えればいい。 

 何百年も生きてきて一度もあったことないやつとばったり会うこともないと思うし...

 今日はもう遅いわ、この事は一旦忘れて、明日からのベイスカイ王国で楽しむためにも、もう寝ましょう。

 それに早く寝ないと背が伸びないわよ、ゼイン。」


「せっかくいいこと言っていたのに、最後と一言で台無しだ、それに背は俺も諦めがついているんだ!!」


「あら、そうだったの?ならゼインが私の身長を越えることはこれからもないわね、

 これからもずっとゼインはお姉さんより背の低い弟なのね。」


 アメリアはなんだか嬉しそうにしていたが、俺は悔しい気持ちでいっぱいだった。

 身長が欲しいなと思いながら、テントに戻り俺もアメリアも明日に備えて眠りについた。






 ドドゴーン、ドカーン

 日は僅かにでているが、空はまだ暗い薄明の時間の事だ。森にまだ響き渡る轟音で俺は目が覚めた。

 回りを見ると他のみんなも、その音で起きたらしい。


「今のは何の音だ?どこから?」

俺がみんなに尋ねるようにして聞くと、


「分かりません、でも音は向こうの方向から聞こえます」


「向こうはベイスカイ王国がある方角だぞ、ベイスカイ王国で何かあったのかもしれない」


「とりあえず行ってみましょう、私たちにできることがあるかもしれないわ!」


 みんなの意見はすぐにまとまり、俺たちはベイスカイ王国で何があったかを探るべく、急いでベイスカイ王国に向かうのであった。





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