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姉弟勇者の異世界生活  作者: アジの缶詰
エピソード0 ~異世界転移する前の話~
2/5

世界の調停者

俺たちは魔物との戦いを終わらせ、村に戻り、村人達に村の無事を報告するために村に戻っていた


「いやー、最後のデストロイヤルファイアーめちゃくちゃ気持ちかった! なんかいつもよりもより強く打てた気がするし」

 

 アメリアが満足そうにそう話した。


「確かにさっきの魔法はすごかったけど、いつもより威力が強かったから、俺たちも爆風に巻き込まれるところだったんだよ姉さん!

 シャーロットがうまい対応してくれなかったら結構やばいことになってた思うよ。」


 と俺は姉さんに今回も身の危険が迫っていたことを告げる。


「それにアメリア、俺たちがやばかったのもあるけど、お前のその魔法で地面にクレーターが広範囲にできちまってる。

 いつも思うがもっと抑えめの魔法打てないとか?


 さすがに今回はやばいと思ったのか、ルーカスが質問する。俺がいつも思っていることだが...


「うぅ、わかったわよ.. 次はもっと控えめに魔法を放つわ。  でもついつい強い魔法を打ちたくなっちゃうのよね...」


 全く恐ろしいものである。

 俺とルーカスは顔を合わせていたがお互いなにも言わなかった。なぜならおたがいが何を思っているのかすぐにわかったからである…


「でもこうして、今回も魔物を倒すことができたわけだし、いいんじゃないですか?私からしてみればアメリアさんの魔法はとてもすごいものです!! 

 私は攻撃系の魔法を使えないのでとても羨ましく感じます!!」


 シャーロットがアメリアを羨ましそうに見ながらそう言った。   確かにシャーロットは攻撃系の魔法を得意としていないが、俺たちからしたら、いなくてはならない存在だ。

 シャーロットが使うバフ、デバフ魔法にはいつも助けられている。





 そんなことを話しているうちに俺たちは村についていた、そして俺たちを待っていたかのように村人達が俺たちを祝福してくれた。


「魔物からこのむらを救っていただき本当にありがとうございました。村を代表してお礼を申し上げます」


 村の村長らしき人物が俺たちの前にでてきてそう言った。

 他のもの達もそれに続いて俺たちに頭を下げた。


「僕たちは冒険者として当然のことをしたまでです。また何かあったら、すぐに駆けつけます。

 だから、今までどおり安心して生活してください」

  俺がそういうと村長が


「ありがとうございます。力強いお言葉に心から安心しております。

 また、いつでも私たちの村に訪れてください。最高のもてなしをさせていただきます。」と言った。


「それとひとつお聞きたいしたいことがあるのですがよろしいですか?」

 そう言ったのは一人の村人だった。どうやらこの近くの鉱山で働いているらしい。


「さっきあなた達が魔物との戦っているときに、物凄い爆発音がしました、その爆発が僕が働いている鉱山の辺りだったので...」


 そこまで聞いて俺は、姉さんやっちまったなと思った。

なんて言おうか俺が悩んでいると、


 「あーそれは私が放った魔法よ、ちょっと威力が強すぎたらしくて、あの辺にクレーターができちゃったけど問題ないはよね」と姉さんが言った。


 問題ないことならわざわざ質問しないだろ、まぁしょうがないやってしまったことは仕方がないから正直に話そう。

 俺がそんなことを思っていると、


「クレーター? まさかあの辺りの地面に穴を開けたのですか?」一人の村人がそう言うと村がざわつき始めた。


「ええと、まぁそういうことになるな、結構広範囲に穴を開けてたぞ」

俺が言う前にルーカスが状況を話した。


「なんて事だ!! じゃあもしかして……」


と言い村人達次々とアメリアが開けた穴に向かうのだった。

 俺が不思議に思ったのは、村人達は真剣そうな顔をしていたが、何かよくないことが起こったような顔ではなく、少し希望に満ちているような顔だったのだ。


 ほとんどの村人がクレーターの方に向かい、残ったのはこれ達だけになった。

 珍しくアメリアは深刻そうな顔をして


「私やっちゃったかも、何もないところだったから、平気だと思っていたけど、このむらの人たちにとって大事な場所とかだったのかな?」


「たぶんそれは違うと思いますよ。確かに村の人たち真剣そうな顔していましたけど、なんだか喜んでいるように私は見えました、

 たぶん村の人たちにとって、ありがたいことをアメリアさんはしたんだと思います。」


 どうやらシャーロットも気ついていたようだ。


「でもよー、地面に穴開けて喜ぶ人なんているのか?」


ルーカスがそう言うと少し元気そうな顔になっていたアメリアが再び心配そうな表情になった、


「まぁまぁポジティブに考えようよ」


「そうですよルーカス!」


 俺とシャーロットがアメリアを慰めるようにして言った。その事を察したのか、


「そうだな!きっと穴を開けることで村の人たちにとって都合のいいことがあるんだ。そうだ!きっと…」

 

 とルーカスも賛同した。


 そして俺たちはその話題を早々に切り上げこれからの旅についてや、今回の戦いの反省などをしていた。



 そしてしばらくして村の人たちが俺たちのもとに帰ってきた。

 緊張の瞬間である。

 しかし、それはすぐに安堵へと変わる


 村の人たちは喜びながら帰ってきたのだ。


「いやーまさかこのむらを危機から救ってくださるだけでなく、私たちが長い間、苦労しても掘る進めることのできなかった、岩盤の層に穴を開けてくださるなんて。

 おかげでその層のしたにある、鉱石をとることがようやくかないます!!

 なんとお礼を申し上げればいいか。」


 アメリアは自分が称えられていることまでは理解していたようだか、その理由までは理解していなかっただろう


 村人の話をまとめるとこういうことだ


 もともとこの村は炭鉱や鉱山が多く、それらを加工して町に売ったりしていたようだ。

 しかしその数にも限界があり次第に鉱石もとれなくたっていたという。

 そして、農業が中心の村になっていった。それでも、少数派だかまだ鉱山で働くものもいた。だが、鉱山の鉱石はほとんどとり尽くしていたため、彼らは正直諦めかけてたという。 

 そんなとき、一人の若者が今回アメリアが大穴を開けた辺りが硬い岩盤の層になっていて、その下に高価な鉱石が眠っていることを突き止めた。

 しかし、このむらの技術では岩盤を破壊するこが不可能であり、すぐそこに高価な鉱石があるにも関わらず採ることができないといる状態だったらしい。

 それをアメリアはいとも簡単に壊してしまった。

 そして今、その大穴には鉱石が大量にあるらしい。


 ここまでをアメリアに話した。そして、


「まぁ詳しいことはどうでもいいけど、あなた達にとっていいことをすることができたから良かったわ。

 それとその鉱石は高価なものだって言ったわよね?

 どんな効果があるのかしら?」


そう村人に尋ねる。


「この鉱石は昔から魔よけの効果があるとされているのです。ですが最近は数も減ってきていて、希少価値の高いものになっています。

 この鉱石の魔よけ効果はすごいもので、街などに行って売るとかなりの値がつきます。

 あ、そうだ、この鉱石を使ってあなた方にお守りを作ります。

 魔よけ効果があるので少しは戦闘に役立つかと、少々お待ちくださいませ。」


 そう言うと三人ほどの村人がお守りを作りに家に帰っていった。


「わざわざお守りを作っていただいてありがとうございます!!」


俺が村長に礼を言うと、


「我々は魔物から村を救っていただいただけでなく、希少価値の高い鉱石ををもあなた方に与えていただきました。

 お返しがつまらないものになってしまいますが、私たちが作るお守りであなた方のお役に少しでもたてたら幸いです。」


 と村長が礼を言った、そして続けて


「それとやはり、近年魔物はより狂暴にかつ数も増えているのですか?」


「えぇ近頃の魔物はかつても比にならないくらい、強くなっています。数も増えていると思うのですが、

 そもそも倒される魔物の数が減ったせいで生き残る魔物が増えたのだと思います。」


 俺がそう答える。


「それによー、強さや数だけでなく魔物の生態系も変わってきてると思うんだ」


「と言うと?」村長が首をかしげる。


「通常、魔物は狂暴ですが理性や感情を持たないのでただ暴れまわることしかしません。

 ですが最近の魔物は私たちに対する殺意が異常なほど強かったり、私たちを見つけると、他の者を襲わずに私たちのところに襲いかかってくることをあります。

 まるで魔物が理性を持ったかのように、」


シャーロットがそう付け加える


「まるで世界がおかしくなったてるみたいだよね、」


アメリアがそう言うとみんな頷いた。


「そうですが、やはりそのようなことが起きているのですか。  どうやら調停者様がお怒りのようですね、」


「調停者?何ですかそれは?」


俺は調停者という言葉を疑問に思った。

 なぜなら何百年と生きてきてそんな言葉聞いたこともなかったからだ。


「調停者様というのはこの世界を統治する存在です。

 いわば、神のような存在ですかね。この辺の地域では、調停者様の心情が世界が形を形作っていると言い伝えられています。

 なので今は、調停者様が気分を損なわれているために世界でこのような災いが起こっていると私たちは考えているのです。」


「ねぇゼイン、あんたこの話し知ってた? 私始めて聞いた話なんだけど、こんなに長く生きてて合わないのはともかく、

 話しすら聞かないなんてことありえる?」


 アメリアは俺と全く同じことを考えていた。

 確かに俺たちは長い人生の中で旅をずっとしていたからあまり人と関わったり、村などに訪れることは少なかった。

 他の人と関わるといったら冒険の手伝いとかだったから、あまりそういう話をしたことがなかった。

 だからといって世界の調停者だが神とかそういう存在についての話を一度も聞いたことがないなんてあり得るのだろうか?


「ゼイン、ゼイン、大丈夫ですか?そんなに深刻そうな顔をして、何か考え事でもしていたのですか?

 何かあったら遠慮なく話してください。」


いきなりシャーロットが話しかけてくるもんだから、驚いた。

「そういえばシャーロットとルーカスは世界の調停者について聞いたことある?」


二人に聞くと、


「いいえ、そのような話は始めて聞きました。

 でも小さいときお母様がこの世界には神様が存在して、この世界を守ってくれているんだと、言っていたことがありました。」とシャーロット


「俺はそんな話し一度も聞いたことねえな、確かにこの世界に神様釜いるってのはあり得る話しかも知れねぇが、

 そいつの気分で世界の形が変わるっていうのは、さすがになぁ、

 それにもしそれが正しいとしたら近頃モンスター達がおかしくなってるのもその調停者とかいうやつの仕業なんだろ、だったら早くそいつを見つけて、ぶっ倒そうぜ!」


 ルーカスの言っていることその通りだが、存在すら知らなかった者といきなりであることは、まずないと思うし、どんな相手かわからない以上戦いは避けたい。


「あんたのいう世界の調停者ってどんな見た目でどんな戦いかたをするかわかる。剣術とか魔法とか?」


 さすがにそれはわからないだろう、調停者にあったものがいるのかすら分からないし、村長だって言い伝えで聞いている程度だ。


「さすがにどんな戦いかたまでは分かりませんが、見た目なら私たちに伝わる言い伝えが正しいのであれば、燃え盛るような赤い髪の毛と耳に独特の耳飾りをつけています。

 それと特殊な魔法を使うことができると」


「特殊な魔法?それはどんな魔法なの?攻撃魔法?それとも妨害魔法?」

 話を吹っ切るようにしてアメリアが質問をする。


「私はあまり魔法には詳しくないのでよく分かりませんし、言い伝えにもそこまではっきりとは言われた事がないですが、

 水色の光を放つ、球状の魔法を使っている絵をみたことがあります。」


「うーん水系統の魔法かしら?だとしたら炎系統の魔法を扱う私とは部が悪いわね、」

 真剣に考えるアメリアに


「そんな単純じゃないんじゃない?姉さん、俺たちもみたことのない魔法を使ってきたりするとか」


と一声かけた、



その後も調停者についての話をあれこれしているうちに、お守りを作りに家に帰った村人が戻ってきた。



「お待たせしました!これがお守りです。4人それぞれ違ういろの鉱石で作ってあるので、お好きないろのお守りをお選び下さい。」


 俺は水色、アメリアは赤、ルーカスは緑、シャーロットは黄色のお守りをそれぞれもらい、村の人たちに礼をいい村を去った。




「これきれいなお守りだなー、よくこんな短時間で作れたよな。」


「村の人が一生懸命作ってくださったのでしょう、私はこのお守りを一生大切にします!!」


ルーカスとシャーロットがそんな会話をしていた、


「ところでゼイン、これからどこにいくか決めてるの?特にいくあてがないなら私は一山越えた、ベイスカイ王国にいきたいんだよね。

 お金たくさんあるしあの国の料理を堪能したいんだよね、めちゃくちゃ美味しいんだよ!!」


「そうなんですか?私は一度もベイスカイ王国に行ったことがないのでどんな国か分かりませんが、

 アメリアさんがそこまでいうのなら是非とも行ってみたいです!!」

 しばらくアメリアとシャーロットのグルメトークが続いたのでそこは割愛させていただく。


 まあ確かに俺もベイスカイ王国に最後行ったのが80年ほど前になるから、

 あのときとは雰囲気とかも変わっているんだろうと思った。



 そんなこんなで俺たちはベイスカイ王国に向けて出発するのであった。





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