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2021問題  作者: 孤独
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2021問題E

「夜の再配は色々困るが、内部処理にも困ることがある」


作者も何十回もやっており、その度に現場を混乱させているので、今でも戒めている。

夜の仕事では絶対にやってはいけない、配達員のミス。

ぶっちぎりは交通事故。次に荷物の紛失。

そして、重大事故よりはやばくはないが、一番多いミスとしたら


「配達証を無くす……だ」

「木下さんがよくやりますね」

「言っておくが、あの野郎は配達証を偽造してるからな!!」


このやり取りがどうこうされているか、どうやって解決しているかはこの際は省く。


「配達証を無くすと数合わなくて、管理者が困りますよね」

「当たり前だ。配達員に渡した荷物の数をしっかりチェックしているのに、それと違った配達証の数だったら捜すに決まっているだろ」


7割ほどは配達証の取り漏れ、配達証の落失が原因。だが、残りの3割は荷物を無くした。別のお宅に渡してしまったなどがある。

その数の云々の話は置いといて、……お客様の視点からは見えないであろう。

業務を管理し、責任者としている人間が夜の業務にもいるのである。


『21時頃の再配希望をお願いします』


そーいうお客様もいるわけで、なるべくそれに応える時間帯に行くのが本望であるが、


『さっさと不在票を切ってこい。最後に回ればいいだろ』


配達証の管理する人間は、夜間再配の業務を任せされる配達員達が全員帰って来ないと、必然的に業務が終わらないのである。配達員よりも彼等がこーいうお客様を嫌っているのは、内緒である。管理者なんてお客様目線からは気付けない存在だ。

管理者の勤務帯も色々とあるが、


「昔、0時とかまでいたからな。AMAZON当日便ってのは、それはもうやばかった」

「終電で帰ったり、始発で帰ってたりな」

「翌日、普通に夜勤業務だからな」


ガチで配達証の数が合わなかったり、交通事故などの処理、クレーム処理などなども夜の場合は、その管理者一人が行っていたので激務であった。


「そもそも送料とか上がったのって、夜まで配ってた事も原因だからな。コンビニみたくほぼ24時間働こうみたいなノリがな」


それはさておき、実質。この管理者みたいな方はトラブルがなければ、ただただひたすらに待つだけがメインである。完全完璧であれば、失礼ながら暇である。しかし、働く社畜も求めるお客様も完璧ではないため、忙しいのは事実である。

また今回は説明ほどで省くが、荷物を受け取るためにわざわざ会社に来るお客様も当然おり、昔は24時間受け付けなどもしていた。そのサービスをこなすために、お客様がいない状態であっても働いている人物がいた。コンビニと違うところと言えば、商品を買ってもらうのに対し、単純に受け取るためであり、身分証明の掲示をお願いしされても、金銭のやりとりは代引きを除けば発生しないこと。

儲けなく、基本はセルフで対応して欲しいという体制と言えた。


「それで儲けろって無理だろ?ただでさえ、赤字だったのに……」


来なくても来ても、利益なし。働く人間はただただ疲労していくのみ。夜の業務の縮小、見直しが成されるのは当然と言える。


「どんな仕事にも、お客様に見えない内部処理ってのは多いし、負担は大きいんだよな」

「気が狂う話だし、今も軽くそうだが。朝から晩まで働くのは普通だし」

「会社内で寝泊まりも人によっては珍しくなかったな」


まずは利益にするのが難しい。トラブルのリスクが高すぎる。現場の人間の疲労がハンパないなど。

ちょっとやそっとじゃ改善しない。

むしろ、昔はよくやれたと言える状況だった。


◇         ◇


ゴクゴクゴク


パクパク…………


お酒やら出てくる飯を食べながら、昔々の話へ。


「なんで昔はそんな無茶ができたんです?」

「通販……まー、ネットの影響がデカいな」

「今は当たり前に追跡サービスなんてやったり、個人売買なんて上手くやれなかったよ」


色んなネット通販が栄え、普及し、届いて当たり前。欲しかった商品を簡単に取り寄せできるなど、想像以上に可能にしてしまった事だ。


「木下さんが若い頃は少なくて、届かなくても」


『へへっ、知りませ~~ん。まだこちらに届いてないんじゃね?個人でやりとりしてるからだよ!住所表記間違えてたんじゃね?』


「そんないい加減なお客様対応をタバコ吸いながら、お客様の目の前で言っていたからね」

「マジですか、さねさん…………」


”事実です”


「ちなみにお探しの荷物は木下が誤配してた」

「サイテーだな、あの人!!」


そーいう昔の良き時代もあり、配達員が信用されていなかった時代。それでも積み重ねた事で信用や信頼が生まれ、爆発的な普及に繋がったと思う。

便利と分かれば、普及するのも早い。当然な事だろう。


そこから色々と価値観が変わってしまったと言える。

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