２０２１問題J
「私共の方はないですが、20時～21時は、業者によって報酬というか、手当てもありますからね」
残業とはまた違う感じであるが、20時以降を求めている限り、確実な残業は確かであり。委託業者によっては、手当もあるとか。
そこのところは残念ながら、詳しくはないのでカット。
「残した方がいい、残さない方がいい……というのは、決め切れないのが現状かと。強いて言うなら、廃止した上で、お客様がご希望をして頂くのが望ましいんですが」
利用する企業によっては、20時以降の再配サービスは基本的に中止となっているところもある。
そうある事ではないが
「配達地域の端と端で、20時以降が1件ずつ出ると、再配のルート構築が面倒というか。ムダなところはありますよね。現状のサービスでは」
一番最後に寄ってくれ……というご依頼が2件もあったら、ムダと思うのは分かりやすいだろう。
時間になって不在なら、不在票を入れるだけ。なるべく、遅い時間帯。20時頃にお伺いするつもりだが、それでも帰って来れないお客様もいる。帰りの電車やバスのトラブルで戻れない事もある。
実はサービスの依頼だけは廃止を推奨するが、希望は対応するべきだという考え。
「廃止、廃止。こっちは7時から20時以降まで働きたくねぇ、何時間サービスしてると思うんだ？」
20時まで待ってられるか。お客様は基本、家にいるが。配達員は現場にいる。朝から晩まで働いているんだぞと、矢木は言うが
「あってもいいと思うな。実際、若い1人暮らしの奴は、20時半とか希望してるのが多いし」
山口はそのサービスの必要性も言う。
20時前にいるお宅も多いが、一人暮らしのアパートなどではそれ以降の再配希望もある。そーいう連中に限って、チケットやら貴重品など大切なものだ。コンビニに預けろとかの選択肢もそれはあるけれど。それで済む荷物だけじゃない。責任所在を考えれば、直に受け取ってくれる方が助かる。
「かーっ、嫌だね。客の希望と俺達の指定している希望時間。そこがマッチしてればいいんだよ。帰って来ない客が悪い！」
「まぁ、それはそうですが……エンドレスになる可能性が高いんですよね」
平日、火曜、水曜だと良くある話なのだが。
20時以降希望の荷物が不在の場合、翌日も20時以降で希望される事が多い。そして、またいない。
昔は20時半以降に訪れる事もあって、不在だったという確率はあまりなかったし。その翌日も同じ指定でも、渡せた可能性が高い。
しかし、今は先に配達が終わってしまい、時間調整が必要なほどだ。
ほとんど、20時近くに訪れる。20時半なんて金と時間のムダ。
「客のモラルというか、常識じゃない」
口悪く言うのは、コールセンターの隅田川。そーいう理不尽をよく電話で受ける彼女らしい、怒りのこもった声。
「20時に帰ってくるなら、再配依頼なんか頼んでるんじゃねぇー！休日、頼め！」
「今はゲームソフトとか、休日前に欲しかったとか。微妙に言われるんだよな」
帰って来ないのに、再配依頼を頼んでるんじゃない！！という意見。
配達する側だが、受け身に近い仕事だ。お客がいなかったら、不在票を入れて帰るだけになる。振り回されるだけ。
「……まぁ、……”なにが”……とは言わないけれど、最近のお客様が置き配をご希望されているのは、ある意味、助かっていますね」
「宅配ＢＯＸの普及も有り難い」
4，5年前なら、そんな文句が当たり前という感じであったが。
今はお客様自身が考えてくださる事も多い。いなかったら、玄関前に置いていって欲しい。そーいうお願いをされての希望が多い。
再配達の仕事負担が大きく削れた一つの要因でもある。しかし、それとは別に……。
「一軒家だとよくあるけどさ。段ボール箱でいいから、スペースを用意して欲しい！」
「あと雨濡れな」
「夜間再配に関係ない話だがな……」
最近は台風とかでも、『置き配お願いします！』という、お客様もいるくらいだ。どーなっても知らんぞという感覚で、置き配している。また、地域の治安も大事なところである。
日本の方はあまりないが、外国の方は置いてあったから拾っていくとかがあるらしい。置き配からの盗難というケースもそれだけあるので、品物を知ってるだろうお客様は考えて依頼して頂きたい。
