転生者ライ、魔剣?を手に入れる
ロボに肩車して貰いながら、立ち並ぶ武器を見て回る。
「ショートソードにロングソード…… ショートソードでも大きいか……」
流石に、3歳の俺に持てそうな剣は無かった。
『マスターの背丈では、ダガー等の短剣類が丁度良いかと』
「そうなんだけど…… 大きい敵に襲われたら、短剣類だと不安かな……」
このファンタジーな世界なら、人が持つ短剣なんか画鋲の針くらいにしかならない魔物がいるかも知れない……
「ロボが持つなら、格好が付くし…… 変なのに対して威嚇になるんじゃない?」
「そうだな。仮にも騎士なら剣の一つや二つは持っていないとな」
『ふむ、本来の私には必要無いが…… マスター達の安全策の為に携帯する事にしよう』
「なら、どんなのにするか決めといてくれな」
『了解した』
後でハンナが打つのだろうけど…… どんな状の剣するのか考える為、ロボは俺を肩から下ろして、真剣に剣を手にしては比べ始めた。
「さて、ロボが決めるまで…… どうするかな……」
ロボから下りた3歳児の俺には、立ち並ぶ武器は見辛いので、どうするか考えていると……
「あれ? 何? 呼ばれている……?」
立ち並ぶ新品の武器の脇に……〝中古〟と書かれた樽に乱雑に入れられた武器があった。
「これって……〝魔剣〟じゃないか?」
呼ばれている感覚に注意しながら…… 樽の中の武器を鑑定して見ると……
一振りの錆びた刀剣に目が止まる。
【魔刀〝吸魔〟(状態 魔力枯渇による劣化で朽ち欠けている)】
「え~と、魔力を吸い刀身を保つ…… より多くの魔力を吸う為に持ち主の精神を汚染する呪いを持つ魔刀か…… 刀かぁ…… 呪いが無ければ買うのに…… あれ? ロボなら持てるかも知れないなぁ…… それに、〝持たないで魔力を流したら〟…… どうなるかな?」
「どうした? 何か気になるもんでもあったか?」
魔刀を見ていると、ハンナが来たので……
「刀があったけど…… 呪い付きの魔剣みたいなんだ」
「刀かぁ…… 私も打つ為に実物が見たかったんだ。で、どんな呪い何だ?」
「魔力を吸う為に、持ち主の精神を汚染するらしいけど…… 触れずに流したら、どうなるかな?」
「おもしろそうだな。安いし…… 試すか? お~い、ロボ」
冒険者の街だからか? 武器屋の後ろに商品を試す場所があった。
「こんな場所があるんだ……」
「新人冒険者の為にも…… この街には、こうゆう場所があるよ…… ベテランでも、弓とか試し射ちするし……」
「なるほど…… 慣れない新品で冒険は命懸けになるのか……」
「さて、早速試すとするか? ロボ」
『了解』
ハンナ指示で、ロボが【魔刀 吸魔】を地面に置いた。
「じゃあ…… いくよ!」
魔力で〝手〟をイメージして…… 吸魔の刀身を鞘から抜く。
「ボロボロだな…… 本当に直るのか?」
鞘から抜いた刀身は…… 錆びだらけで辛うじて刀身の状をしていた。
「刀身から魔力を吸うのかな? 刀身に魔力を……」
魔力の手で、ボロボロの刀身を掴んで見ると……
「おっ!? 魔力が減ってる?」
よく見ると、柄本に禍々しい感じの魔石があり…… 刀身を掴んだ俺の魔力が流れている。
「おお!? 刀身が直って行く…… 本当に魔剣なんだな」
(確かに…… 吸われてるけど、思った程では無いなぁ…… めんどくさいから、一気に流して見ようかな?)
ちょっとづつ直る刀身に我慢できずに、魔力を一気に流すイメージをしてみたら……
ビキ…… ビキビキビキ…… パッリ~ン!!
「あっ!?」
柄本にあった禍々しい魔石が…… 砕け散ってしまった。
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後……
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