野外でボア汁うどんをかっこんでいたら…… 腹ペコさんが現れた?
~ 野営中の夕飯中…… ~
「おいちぃね♪」
ミルアの膝の上で、うどんを食べた子犬な妹ルーが嬉しそうだ。
『マスター……』
「うん…… 近付いてくるね…… 魔物じゃないよね?」
『ええ…… 4人組の人の様ですね』
「ミルア、ルーと馬車の中へ! ハンナとお糸も馬車に入って、荷物は俺が収納するから…… ロボ、頼むね」
『お任せを……』
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『そこに居るのは解ってますよ…… 出てきたらどうです?』
「すいません…… 旅の方ですか?」
『はい、貴方達は?』
「私達は、此処から…… 南に徒歩で3日くらい歩いたロンの街の冒険者です」
『冒険者? その方達が私に何用ですか?』
「実は…… 旅の商人から、この辺りで魔物の襲撃が増えたと報告が有って……」
「俺達が調査依頼に来たんだ…… あんた、魔物を見て無いか?」
(なるほど…… あの魔物達は、商人を襲撃していた魔物達か)
馬車の中から、ロボと冒険者達の会話に耳をすませていた俺は…… 会話に出た街の場所を知る為にロボに念話を飛ばした。
(ロボ、魔物の情報と引き換えに街の情報を獲て)
『了解』
「どうしました?」
『うん? いや、魔物ですか? 魔物ならば…… 来た道で襲撃を受けました』
「本当ですか!? 魔物の数は?」
『ボアに乗ったゴブリンが4から5騎の集団で…… 6回くらいの襲撃を受けましたね』
「ボアに乗ったって…… 職持ちの上位種!?」
「しかも、6回も襲撃されてる…… よく逃げ切りましたね」
『逃げて? 全部討伐しましたよ』
「「「えっ!?」」」
「ボアに乗ったゴブリンを?」
『はい』
「全部…… 討伐?」
『はい』
「ボアもかよ?」
『はい、掃討しました』
「どうするよ?」
「職持ちでしょ…… しかも、ボアに乗った……」
「徒歩の俺達には、危険だな。遭遇したら逃げられない…… 一度、街に報告に戻ろう」
「賛成だ」
「私も……って、さっきから黙ってるけど、貴方は?」
「ねぇ……」
ロボの話を聞いて、相談をしていた冒険者の一人が…… ロボに話し掛ける。
『何か?』
「貴方から…… 食べ物のにおいがする…… 肉の焼いたにおいが…… お腹空いた……」
『マスター……』
倒れる様にして、ロボに冒険者がすがり付く……
(仕方が無いか……)
馬車から鑑定したら…… 冒険者達の状態は空腹になっていたので…… 俺は馬車から降りた。
「子供?」
「何で? こんな処にチビが……」
なんか色々言われたが…… 無視して、ロボにすがり付く冒険者にボア汁うどんを差し出して……
「お腹空いたの? 食べる?」
と、聞いたら……
「ありがとう! あつ!? でも、うま!」
俺の差し出した器を受け取り、一心不乱にかぶり付くが猫舌だった様で…… フーフーしながら食べて始めた。
その様子に、他の冒険者達のお腹が鳴いたので…… ロボに馬車から取り出して見える様にして、空間魔法から鍋を渡した。
ロボが、他の冒険者達にボア汁うどんを配っているのを見ていたら……
「ありがとう……」
後ろから抱きしめられて、びっくりして振り返ると……
優しく笑う猫耳少女がいた。
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後……
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