転生者ライ、3歳にして…… 妹に負ける?
モモと契約してから…… 2年の月日が過ぎた。
「ルー、ダメ!」
「らいじょうぶ♪ らいじょうぶ♪」
止める俺の言葉を聞かずに…… 2歳の子犬っぽい妹のルーは、木に登り始める。
犬系の獣人のルーは、俺よりも成長が早かった……
ミルアの話だと…… 獣人は赤ん坊の時期が短く、青年の時期が長いらしく……
(何処ぞの戦闘民族かよ)
身長の成長に置いて、俺は…… ルーに負けた。
因に…… ドワーフも似た様な感じで…… 赤ん坊の時期は人と変わらないが青年の時期が長く、身長は高くても150㎝前後(ハンナは130㎝前後)で成長が止まり…… 人より5分の1くらいの速度で老いて行くらしい。
てな訳で……
「ルー、危ないよ?」
「らいじょうぶだもん♪」
すっかり、俺の言う事を聞かない様になってしまった……
(これが…… 第一次反抗期か……)
可愛らしい犬耳美幼女に育ったルーは、獣人だからか?活発でお転婆な行動が多く…… 傷が絶えない。
「あっ!?」
ルーが木から滑り落ちた! 俺は、直ぐに空間浮遊でルーの下に……
「ぐえ!?」
見事にルーの下敷きになった。
「うぇ…… うえ~ん!うえ~ん!」
ルーが泣き出した。
「また怪我したな? にぃちゃんに見せて見ろ?」
木から滑り落ちた時に、手に木の皮が刺さった様だ……
「直ぐに治すからな…… えい!」
傷が絶えないルーに生活魔法を使い続ける内に、回復系魔法を覚えてしまった俺……
魔法だけならば…… ルーの成長に勝っていた。
と言っても、獣人で魔法を使えるのは希少らしいので、権力者達に狙われたりするから…… ミルア曰く、使えない方が望ましいらしけど……
(なんとなく…… ルーは魔法が使える気がするんだよな)
俺の心配をよそに、また走り出すルーが大怪我しないのは……
ルーの身体に必死にしがみ付く、モモのおかげなのだろうか?
(モモには後で…… 木の実を沢山渡そうか……)
ルーに振り落とされない様、必死に食らい付くモモに感謝するライだった……
・
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その日は…… 突然やって来た。
「ロボは?」
居場所を隠す為に、洞窟から離れた場所に作った家庭菜園に向かったロボが……
夜になっても帰らなかった。
次の日の早朝……
『マスター、危険が迫っています』
夜が明ける前に…… 帰って来たロボは、そう言った。
家庭菜園に行ったロボは、家庭菜園の近くに人の痕跡を見付け……
情報収集と撹乱の為に、夜中まで行動していたらしい。
「此処に残るのは…… 危険ですね?」
『これを……』
ロボの目から放たれた光が…… 洞窟の壁に映像を映した。
「壁に絵……?」
『畑の近くに潜んでいた者です』
「盗賊か…… その手の類いだな。間違いなく……」
ロボが映した映像には、荒くれ者の姿が数人…… 映し出された。
異世界に転生して、3年とちょっと…… またも、人生終了のピンチです。
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後……
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