追加キャラ
すいません、間違えましたので、後で内容を入れます。
5/18、内容を入れました。本当に申し訳ございません(土下座
ペンを取った私は、新たな情報を書いていく。
「そう。思い出した。後の二人の情報が。」
まずは『ダリオット』。平民から成り上がった騎士の真面目担当だ。ヘタレっぽいけれど、皆さんはもう勘付いているであろう。
そう、彼もヤンデレだ!
過去に重いトラウマを負い、それ以来女性を毛嫌いしていたのだが、お花畑ヒロインに癒されて、ヤンデレ化する。ありがちストーリーだ。というか何処が“恋の音は美しい”、だよ。病んでるじゃないか。全然美しくないよ。
あとは、騎士団長の『リカルド・イーエルト』。『ダリオット』の親友であり、よきライバルでもある。脳筋そうに見えるが、案外冷静に物事を見れるタイプだ。だけど、病みは軽い。多分過去に何のトラウマをもっていないからだ。
普通のプレイヤーには一番まともなキャラと、コアな方々からはちょっと物足りないキャラと言われていた。
言うなれば、少し重い彼氏といった具合だ。ストーリーでも、ヒロインに追跡魔法を付けていただけだ。……だけじゃないわ。結構危ないわ。
「段々と私の普通が侵食されてる…。」
確か最初の出会いも、ヒロインに一目惚れした騎士団長が会いたいがために色々な手を使ってた。凄い。よく団長の座を剥奪されなかったな。
「あとは隠しキャラを思い出せればなぁ…」
かなり濃いキャラだった気がするんだけど…全然思い出せない。一つだけ覚えているのは、一番のヤンデレだってことだ。
名台詞は…
『***の血の一滴まで俺のものだ。』
ゾゾゾッ
怖い!ゲームしている時は気にならなかったけど、実際に存在していると思うとすんごい怖い!
もしかして記憶にないのは恐ろしすぎだからか!?
「うん、隠しキャラについては忘れよう。なんだか考えてはいけない気がする」
そう、私はこのゲームに関わらないのだ。静観していよう。そうしよう。
私はノートを閉じると、お昼の食事へ向かった。
どうでもいい情報だが、『ダリオット』と『リカルド』は一部の女性にヒットしていた。どっちが受けで攻めだとか、ネット掲示板で滅茶苦茶議論してた。私には其方の趣味はないが、現実でも実際に問題になったらしい。腐女子も楽しめるのってすごいね。
***
食べ終わると、私はひたすらダンスレッスンをしていた。
あまりパーティまで時間がないので、一流の講師を珍しくお母様が取り付けたらしい。
本当、明日雨でも降るのかな?いや、槍が降るのかもしれない。
ていうか、何で私こんなことやってるんだろう。極める前提のイベントだよね、これ。
「……普通に出来る程度で良いんだけどなぁ。」
「マリーベル様、また背筋が曲がっております!もっと集中してくださいませ!」
やる気ないのバレてましたか。ごめんね、この身体色々とすぐに吸収するから、手を抜かないとすぐに上手くなるんだよ。
天才は嬉しいけど、今世はお呼びではないのだ。というか踊る相手もいない状態で完璧にするのは無理だと思う。
「…先生、私はそこそこがいいのです。目立たないぐらいがいいのです」
「なりませぬ。貴女様は公爵家の名を汚すつもりですか?」
「いえ、そのようなわけがないでございましょう」
ですよねー。
公爵令嬢なので、相応しい業を身につけないければいけない。誰よりも上手くならなければいけないので、私は厳しく指導される。
…出来たふりをして、本番で仮病をすれば良いのか?そうしようか?別に本当は出来るんですけどーでもよきでは?
「マリーベル様?」
いけない。今はレッスンに集中しているふりをしなくては。
「いえ。今のところをもう一度お願い致します」
「やっとやる気になりましたか。ここは男性に体重を預け…」
先生の指示に無意識に身体を動かしながら、私は三日後に控えた王太子殿下の誕生パーティへ向けての作戦を考えた。
まず、私は王太子殿下に挨拶をするだけでいい。だからダンスはしないで終わろう。…いや、私は筆頭公爵家の令嬢だ。一曲も王太子殿下と踊らないで終われるだろうか?-――否。絶対に一曲は踊らなければいけないだろう。
じゃあそこは諦めるとして、それが終わったらさっさと帰る?うん。そうしよう。病弱設定にして、私はあまり世間に姿を見せないようにしよう。
そしたらリゾークフィル王国の方も、そんな体の弱い王太子妃は嫌だと撤回してくれるかもしれない。
「…ふふっ」
「マリーベル様?どうか致しましたか?」
いけない、いけない。思わず心の笑いが漏れてしまった。
慌てて笑顔を張り付ける。
「いえ、ただ楽しみだなぁ、と」
「お嬢様だって女の子ですものね。殿下に会えるのが楽しみですか?ダメですよ。マリーベル様にはイグルイ王太子殿下がいらっしゃるのですから」
ああ。そっちと捉えるか。
言われなくても私が一目惚れなんてないから安心して。それに、私は平民になる予定だ。
「…いえ、パーティが楽しみなのです。王太子殿下には興味がございません」
「そうですか。…指に力が入っていません!もっと指先まで力を入れて下さい!」
「はい」
…取り敢えず早く終わらないかな。
私の切実か言えるか分からない願いは、当然叶わなかった。
足が悲鳴を上げて立てなくなるまで、この地獄みたいな授業は続いた。
作者の馬鹿がすみません(自分