1.巷で噂の「三回ルール」、それって本当にあるの?
最近、なろうを見ていると、さも当たり前のように「警告を二回もらった状態で何か違反をすると強制退会処分になる」みたいなことを言う人を見かけます。
俗に言う「三回ルール」、三回違反をすると強制退会処分になると言われている奴です。
自分は警告とは無縁な人ですが。でもまあ、「どんな警告が来ても」本当に警告三回目で強制退会処分になるのか、気にはなる所です。……いやだって、警告って色んなパターンがあるじゃないですか。
例えばそうですね、高校生の人で、煙草を吸ってることを活動報告に書いたら炎上して散々叩かれた後に、さらに運営から警告がきてしまったなんて方が、過去にいたそうです(注1)。
確かに、そんなことを書く人が悪いと言えば悪いのですが。でも、それで運営から警告が来るとはなかなか思えないよねと、個人的には思います。
警告を二回もらっている状態で、活動報告に「アシスタントを募集します」と求人活動をしたら強制退会処分になった人もいたみたいです(注2)。
もっともこれは、三回違反したことによる処分なのか、重大な違反による警告無しの強制退会処分なのか、はっきりしていない案件だったと思いますが。まあでも、これもちょっと盲点なのかな、なんて思います。
そうかと思えば、これは少し特殊な例かも知れませが、警告を何回も受けながら、今も元気に活動している人だっています(注3)。それとは逆に、重大な違反を犯した結果、警告無しで強制退会処分になる人もいます。
つまり、重大な違反を犯した結果、警告抜きで強制退会処分になる人もいれば、三回以上警告を受けながら普通に活動している人もいるわけです。
ガイドラインにも載っていないような、意表をつくような警告が来ることもあると考えると、本当に運営は、単純に「規約違反三回で強制退会処分とする」なんて運用をしているのかなと、疑問に思います。
――そもそも、規約違反三回目で「必ず」強制退会処分にするつもりなら、そう明文化すると思うのです。
どこかに「規約違反を三回繰り返したユーザーは強制退会処分とします」と明記してあった方が、ユーザーも納得しやすいと思います。実際、youtubeなんかは細かく明記していたと思いますし。
だけど、そんなことはどこにも書かれていない。で、実際に三回以上警告を受けたことのある人もいる。そうなると、自分としては、本当に「三回ルール」なんてものがあるのか、ただの憶測ではないかと、そんな風に思う訳です。
――少なくとも運営は、一部の人が言うほどには「三回ルール」という奴を絶対視していないように思えるのですが、どうでしょう。
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そもそも、規約違反になぜ猶予をつける必要があるのでしょう。「小説家になろう」は、利用規約やガイドラインを読んだ上で利用規約に同意しないとユーザー登録ができない流れになっています。
当然、ユーザーは利用規約を一読し、内容を把握した上で同意しているはずです。なら、規約を違反した時点で、どう処分されても文句は言えないはずです。
……と、建前はそうなると思いますけどね。
単に「規約を把握して違反するな」と言っても、現実には難いかな、とも思います。そうですね、例えば会社に勤めている方は、勤め先の社則を思い浮かべて欲しいのですが。
――今の一言で、本当に勤め先の社則を思い浮かべる事ができた人を、私は尊敬します。
ちなみに私は思い浮かべる事は出来ませんでした。今の私は俗に言うスタッフ部門、ルールを周知して守らせる側なのですが。うん、普通に社会人失格ですね。
こういう人がいるからね、「会員が規約を理解して守ろうとするまでの猶予」みたいなものが必要になるのです。
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何か規約違反を犯したユーザーに対し、まずは規約違反は処罰の対象となることを連絡する。その上で様子を見て、相手に規約を守る意思がないことが確認できた場合は強制退会処分とする。この流れは、極めて自然な流れだと思います。
私には、「三回ルール」と言われているものは、運営が規約違反を繰り返すユーザーに対し、警告三回目で「規約を守る意思がない」と判断し処分している、それだけの話としか思えません。
――もしそうだとしたら、残りの回数を意識することに意味はあるのでしょうか。
警告を受けた人がなお、この小説家になろうというサイトで活動を続けることを望むのなら、まずは規約を守る意思を固め、それを示すことの方が重要だと、私は思います。
――そのためにも、まずは規約に対して文句を言うのをやめましょう。
堂々と「運営がおかしい」「規約がおかしい」と言いながら規約違反を繰り返し、周りの人もそれに同調して、「運営が〜」とか「規約が〜」とか言って盛り上がる。
そんな人たちは、常識的に考えて、規約を守るつもりもないような悪質なユーザーだと、そう見られても文句は言えないと思います。
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規約に違反していると警告を受けて、規約が悪いと騒ぎだす。周りの人も「そうだね」なんて言って同意する。そんなことをすればどんな結果になるか、想像することはできませんか。
間違った規約なんて、守りたくないですよね。そんな規約に違反したからといって警告を出す運営なんか、信用できませんよね。ええ、その気持ち、認めるつもりはありませんが、理解はできます。
でもね、それ、他人からは「自分から規約を破ったのにそのことを棚に上げて、自らを正当化する人」に見えてもおかしくないですよね。
自分は運営を信用していないのに、運営に自分のことを信用しろというのは虫のいい話だと思いませんか?
――少なくとも私には、規約がおかしいと言いながら規約違反を繰り返す人は、「規約を守る意思がない」とみられてもおかしくない、強制退会処分になっても文句の言えない人だと思います。
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大体、ここの規約は、どこにでもあるような、普通の規約です。素晴らしくもないけど最悪でもない、ごくありふれた規約だと、自分は思います。
そして、ここの運営は、どこにでもいる、ちょっとコミュニケーションが苦手で、たまに人手不足なのかなぁなんて感じることもある、普段は処罰をするのに慎重なのに必要な時には即決果断になったりもする、だけど基本はユーザーの自由にさせてくれて、自分たちの悪口にやたらと寛大で評判も気にしない、ごくまれにドジっ子になったりすることもあるけど大部分においては信頼できる、そんな運営だと、自分は思います。
こんな、どちらかと言うと大企業臭さのない運営をね、まるで悪の権化か何かみたいに扱うのは無理があると、自分なんかは思うのです。
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会社で遅刻とかしたら、普通は大人しくするでしょう。それと同じです。
運営が「規約に違反している」と警告してきたら素早く対処して、「ごめんなさい、以後注意します」と言えば良いのです。そして、どうすれば同じ違反をせずに済むかを考えて実行する。それ以外のことは必要ありません。
会社で遅刻してしてきた人が、自分の非を認めずに会社のせいにして批判を始めたら、普通は処罰されると思います。それと一緒のことだと思います。
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まあでも、高校生が煙草を吸っていると告白しただけで警告するのは、やっぱり少し違和感がありますよね。
そうですね、法を犯したという意味では、もっとすごい人もいると思いますし、そう言った人にも警告をした方が公平なのかな、とも思います。例えばこう、五十年以上も前に三億円を盗んだと告……っと失礼、あれは小説でした。
でもね。強制退会処分になった人にとっても、そのことを引きずって良いことなんて何一つないと思いますし。「憎しみのない」(注4)決着が一番望ましいのかななんて、そんな風に思います。
注1)煙草を吸った高校生:私がなろうに来る前の話です。大昔ですね。
注2)アシスタントを募集した人:これも私がなろうに来る前、大昔の話です。
注3)何度も警告を受けてる人:そういう人がいると知っているだけで、読者でなかったりします。ごめんなさい。
注4)三億円事件はその被害額「2億9430万7500円」の語呂合わせで「憎しみのない強盗」と呼ぶこともあるそうです(wikipedia「三億円事件」より)。