21 無所属ではなくなりました
運悪く、私の予想は的中してしまった。
あぁ、神様。私は前世で何かやらかしましたか。どうにかこの状況を打破してください。
今私は攻略キャラ+幼なじみに囲まれながら、今さっき私専用となった机に向かって総務の仕事を着々とこなしている。
そう、これは毎日続くととなった……。私の意思が聞き入れることなく。
なぜだ。なぜこうなった。
とりあえず今はロイアウトがこちらを向いてにこにこしてくるのがうざい。
遡ること1時間前__放課後、私はアッサムハルトと共に生徒会を訪れた。
アッサムハルトはともかく、私はロイアウトに呼ばれていた。そのときはいつものように婚約者ごっこの一環だと思っていた。
しかし、生徒会室に入ると珍しく3人全員揃っていた。ロイアウトは私たちに気づくと「やあ」と挨拶をして手を招いた。
するとアッサムハルトが姿勢を正し口を開いた。
「改めて言います。会長サン、俺とリリィちゃんを生徒会に入れてください」
「うん、いいよ」
「え、会長。宜しいのですか?こんな急に……」
……うん。ウィリアムの反応が正しい。こんな話私知らないし。入らないし。即答する幼なじみであり、生徒会に本当に呆れる。
それに、〝改めて〞ってことは前々からこの話をしてたってこと?今日わざと私を呼び出して、ウィリアムとかも集めた感じ?
でも、ウィリアムの反応は理解できる。しかしだ。ナイツハイルはアッサムハルトの申し出……ロイアウトとアッサムハルトが仕込んだことについて全く動じていなかった。
「人手足りてないし良いんじゃない?そうだ、この際もう1人くらい増やしますか?あのー、新歓パーティーの時に目立ってた……ローズン?ていう子」
「いや、それも勝手すぎるだろう……」
「ふむ、僕としてはリリィが入るに越したことはない。それに 人手不足なのは確かだね」
どんどん話が進んでいく。ウィリアム、もうちょっと頑張れよ。2:1で不利なのはわかるが頑張って突っ込んでよ。反対しようよ。
一気に2、3人新しい生徒会役員ですって入ってきたらビックリするし、なんで?ってなるのが普通だ。現に私もなんで?状態だ。
「いや、私生徒会になる気ありませんけど」
「何言ってるの?リリィちゃんも俺も入るよ~!ついでにローズちゃんも?」
「もう書類はできているからね。返事は行動で示してくれたからいい。生徒会室を来た時点で承認したと言うことになるとアッサムくんに言っていたから」
アッサムハルトぉぉお!!!私は鬼の形相で彼を睨んだ。するとアッサムハルトはてへぺろとも言いそうな顔でこちらを見て「ごめん」というジェスチャーをした。いや、許さないから。
何で私が……。しかもローズンまで。何でなんだ。
「どうしてリリアーナ嬢とアッサムハルト……それにローズン嬢まで、突然生徒会に入るのですか?私は納得できません」
良く言った。これでこそ次期国王だ。私の心を読んだようにウィリアムはロイアウトに質問した。ウィリアムと私だけがこの場で納得していないだろう。
ローズンは後々、誰かに見初められて生徒会に入るのはわかっていたがどうしてアッサムハルトと私まで……。
「アッサムくんからこの事を初めて聞いたときは僕も驚いたよ。でもね、考えたらそうしてもらった方が良いと思った。アッサムくんは頭が切れるし、これから先ウィルを支える良い人材になるだろう。それにリリィは私の大切な婚約者だ。生徒会に入ればいつでも見守ってあげられる」
〝大切な婚約者〞この言葉は周りからすればロイアウトは溺愛しすぎなのでは?と思うかもしれない。しかし、本当の理由は私が誰かに狙われているから。その被害を防ぐためだとロイアウトが私を生徒会入れる意味を悟った。これは彼なりの優しさなのだろう。
しかしここまで過保護にされるとは思ってはなかったけど。
と、なるとローズンが入るのを咎めない理由も似たようなものか。ウィリアムは以前、私にローズンを警戒するように言った。そんな彼女を自分の目の届く範囲に置けば、いつどこで何をしていたのかが分かりやすくなる。
アッサムハルトの理由は……知らないけど。
でも、どうしてアッサムハルトがロイアウトに生徒会の相談を持ち出したのか。それは考えてもわかるはずなさそうなのでもう諦めることにした。
それとローズンを推薦するってよっぽどナイツハイルはローズンのことを気に入ったのかなと思った。まあ、可愛いからね。
「では、ローズン嬢まで許可したのはなぜですか?」
「うーん、気まぐれ?人手足りないし、ね?」
「はあ……」
いや、この人ここまで考えてんのかな。私の考えすぎかもしれない。……さっきの返事めっちゃ阿呆な顔して言ってたけど。単なる気まぐれでないであってほしいな。
__と、こんなやり取りのあと色んな手続きをして晴れて私たちは生徒会になったのだ。そして今に至る。ちなみにローズンは明日から来ることになっているらしいから今はいない。
……明日からまた刺激的な毎日が送れそうです。夏期休暇に実家には帰れそうにありません。




