13 仲良しですね
「……すみません。よく聞こえませんでしたわ。まさか生徒会なんて言葉言ってませんよね」
まさか、ね。まさか私が生徒会にだなんて勧誘されるはずない。何も取り柄がないでしょうに。
「うん?言ったよ。生徒会役員にならないか?生徒会に入ると僕が知っているリリィのこと全部を教えるよ?もし入るのなら僕と同じの書記になると思うけど。それに生徒会に入れば学園での生活も充実すると思うし」
私のことを全部、か。知りたい気もするが、その代償が大きすぎる。生徒会役員は常に忙しそうだし、目立つしなんの得にもならない。しかも生徒会にはウィリアムと……これは攻略者ではないがロイアクトがいる。それに確か生徒会の顧問はマーシャライズ・ジョーンナイト。
すなわち生徒会に入れば攻略者3人と変人会長との接触が避けれない。こんな選択、答えはひとつしかない。
「申し訳ございません。私には勿体ないお話ですわ。ハイル様が私のことをどれだけ知っているかは存じませんが、それを知るために生徒会役員にはなれません。他を当たってくださいまし」
「……そうか。残念だよ。僕はウィルの後押しをしたかったんだけどね。まあまた他の手段を考えるよ。うーん、なかなか手強そうだ」
まだナイツハイルは私を生徒会に入れることを諦めてないとだろうか。それにウィリアムの後押し、とは。生徒会役員が不足しているのかな。学園で人気な彼の頼みなら大体の生徒が生徒会に入りたがるのに。
「ハイルっ!何をしてるんだ!」
向こうから血相を変えてウィリアムがやって来た。そういうナイツハイルはやれやれとした感じでため息をついていた。
「なにもしてないよ。ただ生徒会に勧誘しただけ。フラれちゃったけどね」
「なにもしてないわけではないではないか!……リリアーナ嬢申し訳ない。こいつが要らぬことを」
ウィリアムは本当に申し訳なさそうに頭を下げた。ナイツハイルと違って紳士だなぁと思った。
「頭をお上げください!私はなにも不快には思っていませんよ。気にしないでくださいな」
不快には思ってるけど。でもそう言わないとウィリアムは頭を上げないだろうと判断した。
ようやく頭を上げたウィリアムは捨てられた子犬のようにしょんぼりした感じだった。いつものイメージと違って、可愛いと思ってしまう。これぞギャップ萌え。
「__あっ。もしかしてウィル、前は助けられなかったから今回は助けに来た感じかな?だからずっと彼女を探してたのか!うんうん、ウィルのために悪役になった甲斐があったよ」
「なっ!そ、そんなのではない!……ただお前が女子生徒に危害を加えそうな顔をしていたからだ。断じてリリアーナ嬢を特別扱いしてはいない!」
楽しそうなナイツハイルに赤面していつもより饒舌なウィリアム。話の内容はよくわからないけど、ふたりが仲良しなのが伺える。微笑ましい。
このやり取りに私は相応しくないと思い、彼らの口喧嘩(?)を邪魔しないようにそおっと姿を消した。
そして私またジェニーと一緒にローストビーフを取りに行った。




