11 新入生歓迎会パーティー
「新入生の皆さん!この度はご入学おめでとうございます!本日は生徒会や有志の人たちによる企画もございます!それに食事も食べ放題!思う存分楽しんでください!」
司会役に当たっている上級生のアナウンスにより新入生歓迎パーティーが始まったようだ。このパーティーは入学式よりも堅苦しい行事ではなく、よくある長々とした挨拶はないらしい。
そしてここは学園内にある多目的ホール。体育館に比べて狭いがとてつもなく広い。
館内には丸テーブルがたくさんあり、その上に美味しそうなご馳走が並んでいる。また、端の方に料理人たちが目の前で調理しているコーナーもある。私が前いた世界でいうと、結婚式の披露宴の会場みたいにたくさんテーブルがあって、その上に食事が置かれておりバイキング方式になっている。ちなみに指定された席はない。基本的にみんな立ち歩いて楽しんでいる。
同じテーブルで会った人と親睦を深め、それを何回か繰り返して知り合いを増やしていく……というのが醍醐味らしい。
この光景を見るとお見合いパーティーみたいとちょっと思ってしまう。しかし、これは前の世界での感覚での感想であって、今の世界だとこのようなことは常識らしい。
私も2年前にお見合いパーティー風の茶会に行ったし。……あまり楽しくはなかったが。
私とジェニーは端の方のテーブルでサラダを取っていた。やはり、食事の初めは野菜を食べないと。これはお母様と私との習慣だった。健康第一だもんね。
さっきまでベルも一緒にいたが、いったんクラスで点呼をとるときに別れたきり合流していない。まあベルなら友達多そうだから寂しいことなんてないと思う。
先日も話し合ったように私とジェニーのドレスは他の生徒とそんなに遜色のない平凡なドレスだ。色は私が水色系でジェニーがオレンジ系だ。髪飾りもジェニーお手製のお揃いのものだ。
そんな私たちに比べてローズンのドレスは華やかで一際目立っていた。ローズンという名前だからなのかローズ色のレースをこれでもかってくらい使ったドレスに髪飾りはもちろんローズの髪飾り。しかも生花だ。男女問わず会話の相手が周りにいてとても賑やかだった。ローズンには近寄らないでおこう、そう誓った。
「リリィちゃーん!ジェニーちゃん!やっぱり可愛いねぇ。見惚れそうだよ~」
「うふふ、ありがとうございますっ」
「……話しかけないでと私言いましたよね?聞こえなかったのかしら」
「いやぁ、ついつい美女がいると話しかけてしまう性分でね。にしてもリリィちゃんは冷たいなぁ。そうだ、どう?俺の衣装も良いでしょー?」
やはりアッサムハルトはいつものように私に話しかけてきた。彼も一応攻略者なのでとても燕尾服が似合っていた。身長も高いのでよく映えている。と、そういう褒め言葉は直接は言わないが。
「向こうの方が美女はたくさんいるわよ。私とジェニーの邪魔はしないでほしいわ」
私はローズンたちの方に目線を向けてアッサムハルトにあっちに行けっと訴えた。しかし、彼は私の思惑通りにはいかなかった。
「あっちも魅力的だけど、ここも俺にしたらすごく魅力的だよ?まあまあ、今日は楽しいパーティーじゃん!これを気にリリィちゃんとも仲良くなりたいし?」
「そうだね!リリィちゃん!今日こそアッサムくんを克服するときだよ!」
いや、ジェニー違うんだ。アッサムハルトを嫌いな食べ物と同じジャンルに入れないで。克服するとかの問題じゃないから。
「なんか勘違いしてないかしら?別に克服とかのもんだ……っぐ!?」
「ほらほら、怒るとシワ増えるよー?」
私が話しているのを遮るようにアッサムハルトが私の口にマッシュポテトを突っ込んできた。一瞬喉に詰まるかと思ったわ。危なっ!
「なにふるのよぉっ!!」
「あっはは!何言ってるのか全然わかんないや~!怒ってるリリィちゃんもかーわい」
「わわっ、リリィちゃん落ち着いて!お、お水飲んでっ」
私はジェニーのお陰でなんとか落ちいた。全く……アッサムハルトはろくなことをしない。
■ ■ ■
そうして私たちが騒がしくしているうちに私たちのテーブルにある1つの集団が近づいてきた。__それは満面の笑みを浮かべたローズンたちだった。
これは彼女たちと会話することを回避できないパターンなのだろうか……?




