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陰キャを極める悪役令嬢、とは。  作者: 佐納
1年生
14/44

1 もうすぐです

季節が変わって冬。陰キャを決意してから半年くらい経つ。なのであと半年すれば入学なのだけれど……。早く来てほしいような来てほしくないような。早くシナリオ(未来)を変えたい気持ちもあるけど、ずっと家族で平穏に暮らしていたいとも思う。


この半年であったことと言えば見合いだ。

お父様はこの半年のうちに何度か見合い話を持ってきてくれた。別段、好きな人がいるわけでもないのでおめかしをして会いに行った。が、どれもなぜか数日後に向こうから断られる。

自分で言うのもあれだけど、見た目は上の方だと思うし、1度だけしかあってないから性格が問題な訳ではないと思いたい。見合いの時はだいたい言葉を少なくしてにこにこしてるだけで良いというお母様の教えに従っていたし。やっちまったーとかはない。

相手が私に好意を持っているなぁと感じた時とある。だけれど、その人も数日後に断りの手紙が届いた。


親子共々理由がわからず不思議だったが、お父様は嬉しそうに「リリィにはまだ早いな」と言い、縁談が決まらないことに安心していたように見えた。それもテラクトも「お姉さまを振るなんて大した男じゃないのですよ」と言ってご機嫌だった。


告ってないのに何回も振られてるこっちの身にもなれよ。父よ、グライアス家どうすんだよ。……と、まあ私は不満が溜まっている。何度もお見合いをしてどれも駄目だなんて……乙女的にはショック。それはお母様も同じで、お父様とテラクトが嬉しそうに私をなだめていると、いつもにこやかなお母様が2人を睨んで制していた。



■    ■    ■


色恋沙汰なんてなにもなくあっという間に1年が過ぎた。

私は晴れてセントファル学園に入学する。それと寮生活となるので実家には夏季休みと冬季休みと春季休みにしか戻ることができない。当分家族と会えなくなるのは寂しい。でも1年後にテラクトが入学するからそれが待ち遠しいなぁ。


入学、入寮の手続きやなんやらで今はとても忙しい。これが終わるとすぐに寮へ行かなければならないので家族4人でいられる時間はあとごくわずかだ。


ドラゴンから人間に戻って1年、とても早かった。目標だったお母様生存計画も見事成功。お母様は前と見違えるほど元気溌剌としている。溌剌しすぎてるなと思うこともあるけど……元気なのが一番よね!


それにお父様。当初の予定ではお父様は私のことをあまり良く思ってないと思い、なるべく避けて生活しようとした。でも、本当は娘のことが大好きすぎるお父様。全然危険じゃなかった。娘を溺愛しすぎて危険かもしれないけど。


今思い返すと物事が良い方に進んで嬉しい。でも1つ気になることもある。


クライアント・テラクトって誰?私が知っている限り、ゲームの攻略者ではない。リリアーナに義弟がいるとも知らない。彼の存在が一番なぞである。隠しキャラ……?とも思えなくもない。もしそうならアウトじゃん。私、思いっきり関わったじゃん。でも、テラクトとはこの1年で良い家族関係を気づいたと思う。だから私を殺すようなことはしないだろう。たぶん、安全。と思うことにする。


だが、私の勘では彼は攻略者ではないと思う。


だって彼は__ぱっとしない。


以前、茶会で攻略者2人と会ったときのことは覚えているだろうか。そのときにウィリアムとナイツハイルのオーラはモブ男子と比べて異様だった。イケメンオーラ前回で、見た瞬間こいつはメインキャラだなとわかる。しかしテラクトにはそういうのを感じなかった。もちろん、テラクトは可愛いし顔も整っている。が、攻略者たちとは何か違う。


この考察が当たれば私はまだ安全圏にいる。どうか当たっていてくれ。



そう願いながら私は入学準備を手伝うテラクトに向かって合掌する。

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