表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界@転生SSカフェ  作者: ちょせ
5/5

case5 俺達、来年結婚します!?後編

ああ…眠い。もう少し眠らせてくれ


うるせぇな…


「ほら、早く起きなさいよ!」


バチンと大きな音が室内に響く

頬がジンジンと刺すような痛みを感じる。かなり痛いビンタを食らった


俺の頬がまるで剣山でも刺されたような痛みで、起きた


「いってぇ・・・・」


「ほら起きなさい!ギルド行くわよ」


「うっせぇなぁ・・今何時だと思ってんだよ」


「もうすっかり朝日は登ってるじゃない!起きなさい!」


ああっ俺の愛する布団が剥ぎ取られていく!!

くっ!この乱暴女!!


しかしながらコイツにはこれ以上文句を言っても仕方ないと諦めてゆっくりと起きる


そのまま着替えて、眠い目をこすりながらギルドへと向かう


「なあ、腹減ったんだけど。飯くわねえ?」


「私は食べたわ」


「はあ!?ふざけんなよ!」


すると女勇者は俺に包を渡してきた


「それでも食べてなさい」


開けるとサンドイッチが入っていた

用意のいい奴め。これ位じゃ感謝しねぇけどな!さっきの痛かったしってかまだ痛いし!


もぐもぐと食べ歩きながらギルドへ向かう


昨夜、落ち着いてからどうやって金貨10000枚を稼ぐか相談をした

まあ、俺達に出来ることは一つしかない


ギルドの依頼をこなして稼ぐ。それだけだ


で、1年で10000枚稼ぐ為には1日30枚は金貨を稼がなければならない

だから朝一から割の良い依頼をこなそうという訳だ


当然割のいい依頼は取り合いになる。だからこそ早くいかなければならないのはわかる



「もぐもぐ、美味いなこのサンドイッチ。どこの店のだ?」


渡されたサンドイッチはかなり美味い。これどこで買えるんだろ?


「うるさいわね、黙って食べなさい」


「なあ、教えろよ!ケチケチすんなよ」


「ああもう、うるさいわね!そんなに食べたきゃ毎日作ってあげるわよ!」


え?何これコイツの手作りなの?それ凄くない?

俺は素直に関心する


「すげえなお前、これマジでうめえぞ」


「はいはい」


「なに赤くなってんの?いや、これ屋台で売ったら儲かるんじゃねえ?あいたっ!!何殴るんだよ!!褒めてんじゃねーか」


赤くなったり怒ったり忙しいヤツだ


ギルドに着くと、掲示板の前で依頼を探す

実の所、1日金貨30枚稼ぐのは並大抵ではない

ちなみに金貨30枚もあれば家族4人がひと月ゆうに暮らせる額だ

それを平均して毎日稼ぐとかはっきりいってかなりの無理だ


そして特に、この王都から近い平和な街では冒険屋の仕事も多くはない


「やっぱりダメね、アンタがさっさと起きないからよ。討伐依頼は0、人探しとか薬草採取ばかり」


「俺のせいじゃねえよ!ま、最初の街って言われているくらいだし仕方ねえんじゃねえの」


それでもどうにかして稼がないといけないのが現実だ



「そういやお前、勇者認定されたくらいだからそこそこ強いんだろ?ほれ、そこの隅にある討伐があるじゃないか」


そこにはまだ真新しい1枚だけ赤色の依頼書があった

赤色は討伐依頼だからな


「何言ってんのあんた。誰がワイバーンなんて倒せるのよ?まだ早いわ」


なんだよ…倒せないのかよ

ワイバーンごときちゃっちゃと倒せよ

俺?俺は無理だ!


「へぇへぇ、役に立たない勇者様だことで」


「うるさいわね。そういえばアンタ、職業はなんなのよ?教会で認定くらいしてるんでしょう?冒険屋してるんだもの」


「ああ、俺ぁ…遊び人だ!すごいだろ?」


「なによそれ・・超レア職業じゃない・・・しかもクソほどの役にも立たない・・」


「まぁ、金稼ぐにはもってこいだろ?毎日酒代くらいが拾えるんだぜ!」


「ていうか稼いだ端から使っちゃうんじゃないそれ・・・」


「そうだな。稼ぐ、使うを繰り返していたら遊び人に認定されたぞ」


「ちゃんとこれからは倹約と貯蓄しなさいよ!」


「当たり前だ、金貨10000枚までは一切禁欲を誓うぜ。お前なんかと結婚なんざマジでごめんなさいだからな」


「お前なんかですって!!!!!」


ヤバイ、鬼の形相だ!何が逆鱗に触れたかわからんぞ!

なんとかフォローもしないと


「つーか勇者だろお前、死亡率No1のな、だから結婚も死ぬのもごめんなんだよ!早く自由の身になりてぇんだよ!」


これ、フォローになってねえな?

だけれどもそういえばそうだったと、彼女は思った


それこそこが、勇者に勇者認定された者になかなか仲間が見つからない最大の理由なのだから



「あのぉ・・・勇者様・・ですよね?」


ギルド職員の男性が声を掛けてきた

気の弱そうなまだ若いその男は頭を掻きながら


「ええ、そうよ」


「ちょっと、こちらに来ていただけませんでしょうか?」



そう言って案内されたのは事務所・・・というか、取調室かここ?

窓は少ないし、その窓には鉄格子がかけられている

そしてすぐに逃げ出せないように一番扉から遠い椅子に案内される


そこに座らされ、少し待つ

すると、ギルド長と名乗る男と審議官と呼ばれる女が入ってきた


「ああ、申し訳ないね勇者様。ちょっとあなたに殺人の嫌疑がかかってましてね、こちらの女性はたまたまー、貴方が殺す瞬間を見た人でまさかの審議官だ」


そうギルド長は言った

審議官なんてまたレアな職業だな。それがたまたま見たってのか



「え?何の話?殺人?そんなことするわけないでしょう?」


「ええ、ええ、そうだと思いますよ。でもね、昨日まで勇者様がパーティを組んでいた戦士と僧侶のお二方が今日、見るも無残な姿で発見されましてね」


そして、奥の扉が開けられてそこにほぼ全裸の男性2人の遺体があった


その顔は確かに、昨日の戦士と僧侶だった


「え・・嘘!そんな!?何があったの!?」


「それをあなたにお聞きしたいなと」


あー。女勇者の顔が真っ青だわ


「昨夜、酒場で3人で飲まれていた、までは確認が取れております。その後店を出てからの足取りを教えて頂けませんか?」


女性審議官がそう言うと


さらに女勇者の顔色が悪くなる


あー、そいや俺を暗殺しに来てたなコイツ

そりゃ言えないわな

しかもブラが溶けて貧乳になったらパーティ解散とか更に言えねえだろ?


「アンタ、何ニヤニヤしてんのよ」


そして小さな声で


(助けなさいよ!)


そう言った


あー仕方ねえな。まあ、コイツが殺人犯になると俺も困るからな


「あー、コイツ昨夜パーティ解散したんだわ。んで俺が代わりに加入してる。さらに言えば解散言い出したのはそいつらだ、別れた後はどこいったか知らねーな」


「なるほど、では貴方も容疑者ですね」


「なんでそーなる!!つかさ、死体ちょっと見させてもらうぜ」


俺はそう言うと死体を見に進むが、女性審議官に前を塞がれてよく見えないーが、俺の視力を舐めてもらっては困る


「死因はなんだ?」


俺は気になる点を聞いた

何故ならば遺体には死因らしき怪我などがない


「ど…、そう、毒殺の様ですね」


「ふうん。ま、俺にゃよくわからんが、犯人はそこの勇者じゃねーな。それはよっく分かった」


「何を根拠に!」


女審議官が声を荒らげた


「うるさいなアンタ。理由か、まずコイツらの唇をみろよ、ほんのりわずかに赤い物がついてる。ありゃ多分口紅だな、もしかしたらそれがアンタの言う毒もコイツかもな」


そして俺は死体のある部分を指差して


「理由その2だ、2人ともモッコリさせたまま死んでやがる。つまり、こいつらをその気にさせるだけの魅力がある相手だったって事だな」


「ふん、何を言うかと思えば!勇者様は素晴らしい巨乳の持ち主と有名で噂でも聞いてるのよ!だから犯人に間違いはないのよ!」


おれはちらと審議官の胸を見て

あー、もう分かった分かった。


「分かった、犯人アンタだな?」


「「「なっ!?」」」


俺以外の3人が驚く


「まず理由だが、審議官のアンタ、勇者様の素晴らしい巨乳っつったな?」


俺は勇者の横に行き、おもむろに勇者の服に手を突っ込む


そして丸められた紙を取り出した

こいつの胸が昨日と変わらないサイズだったのはこの詰め物してたからだな

すると勇者の胸がぺたりとしぼむ


「で、このつるぺたがか?ちなみにパーティ解散の理由はニセチチだったからだ。アイツらはかなりの巨乳派だったんだからな!それこそ勇者のパーティに入り命をかけるレベルでだ、それなのにアイツらがニセチチ勇者にモッコリするわけないだろ?」


バッチーン!!


勇者にまたビンタされた


くそ、痛え!!なにしやがる!ウルウルした目でみんなよ!


それでも俺は続ける


「それと、アンタが犯人の理由なんだが」


「な、なんですか」


審議官はメガネをクイっと上げる


俺は素早く審議官の後ろに回り込み、服の中にナイフを入れて



審議官が巻いていたサラシを切ったー



「きゃああああ!」



「アンタと、そこの2人に着いてた匂いが同じなんだよ。それとその、アンタのくそデカイ胸が証拠だ」


「おおお・・・」


ギルド長が審議官の胸に感嘆の言葉をあげる


「まあ、以上が理由だ。それとアンタのサラシの中に隠されてたぜ?凶器の口紅がな。ギルド長、証拠品だ。調べてくれ」


「アンタ・・・」


女勇者が俺を潤んだ瞳で見る


ふん、惚れるには早いぜ?

つか惚れんでいいしな


「くっ!くそう!」


審議官はナイフを取り出し、俺に切りかかった!あぶねえなコノヤロウ!


「うわああああ!!!!バカああああ!」


泣き叫びながらって鼻水!きたねぇよ!


俺は狭い室内で追い回され逃げる先で躓いてコケる!


「うわああああ!いって!」


「ギャアアアア!」


先程躓いたのは死んだはずの戦士のコカンだった


そしてソイツは今コカンを抑えて起き上がって悲鳴を上げている


「「「へ?」」」



今度は俺と勇者とギルド長の声が重なる


「い、生き返ったぁ!?」


あ。勇者が泡吹いて気絶した。こいつこういうのもダメなの?

本当に勇者かアンタ



「あ?なんだこりゃ?どういう事だ?」


なんかギルド長のこめかみに青筋が浮かび上がりピクピクしている


もしかしてと、ついでに俺はもう1人、寝ている僧侶のコカンを蹴り上げたー








「いや、本当に申し訳ない」


「頭を上げて下さいよギルド長」


「俺らは大丈夫ですから」


しかし心の中はウッキウキだ


あいつら、三人はグルになり勇者を陥れようとしていたみたいだ

だからこのウキウキは戦士僧侶審議官の全財産であるおよそ金貨1000枚を手に入れることができたからに他ならない

慰謝料とばかりに巻き上げてやったのだ


それじゃあ、とギルドを出る


いつの間にか太陽は傾き、既に夕方になっていた


「ありがと・・・・」


女勇者がそう感謝の言葉を述べる

殊勝な態度には関心してやる


「あん、お前のためじゃねえよ…俺の為だ」


「わかってる、だけどお礼を言わせて」


「ん…ああもういいよ…」


夕日に照らされた勇者は、なんだかちょっと…おれはドキリとした


そう、これは夕日のせいだろう、なんだか俺もアイツも顔が赤い



「そ……そういえばアンタの名前は?聞いてなかった、から」


「お…、おう。俺はシオン…シオン・バーゼルドだ。お、お前はなんていうんだよ」


「私はアイセア。アイセア・フォン・ラウェルよ」



やっと、2人の自己紹介は終わった


残り金貨9000枚を目指して、明日からも頑張ろうと思った2人だった




ひとまず完です!

ただこれ何話かあるのでもしも、もしもですよ?続きが読みたいなど感想とかいただけたら加筆修正してのっけます



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ