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痴漢に遭遇しちゃった!

痴漢に遭遇した話です。


 私が大学二年生の時だった。


 普段学校から帰るのが遅い私が、その日は珍しく早めに帰路についた。最寄り駅まであと一本の電車! 30分で着くぞ! ちなみに時刻は21時。(普段なら22時は過ぎる)


 母親にもうすぐ帰るよーと連絡を入れ、電車に乗り込んだ。


 まずここで、一つの偶然が発生したことを読者にわかってほしい。私は普段、多少帰るのが遅くなっても、乗り換える駅の一つ前で降りて始発の駅から電車に乗る。何故なら座りたいからだ。30分も立っているのがめんどいからだ。


 なのに何故かこの日は、普通に乗り換えて立って帰るという選択肢を選んだ。タイトルにもあるが、これは私が痴漢にあったエッセイだ。


 これ座ってたら痴漢にはあわなかったんだよなぁ・・・・・・。


 世の中は偶然で出来ている、と今から考えたら思うのだ。


 さて、電車にのって私が立ったのはドアの前。つり革に捕まり揺れて約五分。違和感は突如訪れた。


 なんか、お尻に当たってない・・・・・・?


 私が乗っている電車は確かに混んでいた。空いている席が一つもなかったのも立っている人がちらほらいたのも事実だ。しかし、皮膚が密着するほどは混んでいない! 断じて!


 しかしこの痴漢、頭がいいのか臆病なのか、ガッツリお尻をさわってくることはなかった。当たっては離れー、当たっては離れーの繰り返しである。なので私も最初は本当に痴漢なのか判別がつかなかった。冤罪で捕まえるとか嫌だからね!


 なので待った。五分待った。結果、五分間当たっては離れー、が続いた。


 はい決定! これ痴漢ね! え、ラッシュの時間でもないしここで痴漢!? 目立つよね!? てかなんで誰も注意してくれないの!? 見えないの!? 


 この場で頼れるのは己のみ。この痴漢野郎、どうやってとっちめてやろうか。脳内でフル回転である。次の駅に電車が止まるのは十五分後。それまでにかたをつけなければ逃げられる。


 まず避けなければいけないのは、冤罪だと言われることである。絶対に証拠を残しておかなければ万が一ということもある。スマホのカメラを起動し、インカメモードにしてうしろを見てみたが、うまく写らない。没!

 次に胸ポケットに指していたシャーペンを見た。これで手を刺してやるか? いや、過剰防衛で逆に逮捕されそう。没!


 うーん、詰んだ。


 阿呆である。

 ちなみに、この思考をしている間、ずっとお尻は触られている。


 ええい、気持ち悪い!


 この痴漢、私がなにも反撃しないのをいいことに調子に乗ってきたらしく、ガッツリさわってくるようになりやがった。しかも後ろでハァハァ言ってる。


 ほんっとうに気持ち悪い!!!


 読者のなかには、何故この時点で反撃しなかったのか? と考える人もいるだろう。しかし、先程も述べたが次の駅に着くまであと十五分かかる。


 もし捕まえたとして、その間私痴漢を押さえてられる自信ねぇから!


 しかしなんやかんや思考している間に次の駅に着きそうだ。


 よし、カメラを連写モードにして、捕まえる瞬間に撮ろう。


 一発勝負になるが致し方あるまい。電車内に、次の駅につくアナウンスが鳴り響く。次さわりに来たら捕まえるぞ! 気合いをいれる。気分はさながら高級魚を狙う漁師のようだった。


 くるか? くるか?


 息を潜めて待つ。痴漢を待ってるのかお前は? というツッコミはこの時点でスルーしてほしい。そしてついに魚が針に食いついた!


 来たぁぁぁ!!!


 痴漢の手をガッと捕まえ、その瞬間に、連写モードで撮影する、予定だった。そう、予定だった。


 連写失敗した・・・・・・。


 超ショックだった。正直痴漢にあったよりショックだった。もうこうなったら言質をとる以外に方法はあるまい。

 痴漢が始まって十五分、私は初めて痴漢の顔を見た。


 びっくりした。


 いや、ハァハァ言ってる痴漢だから、四十歳ぐらいの中年のおじさんかなと思ってたの。世の中の四十歳男性ごめんなさい! でもね! 痴漢のイメージってそんなんじゃないですか!?


 誰が六十過ぎの小さい小柄なおじいちゃんが痴漢すると思う!?!?!?


 私はこの時点で一つのことを学んだ。


 性欲に年齢は関係ないんだなぁ・・・・・・。


 私はもう痴漢を四十歳男性だと決めつけることは今後無いだろう。

 とまぁ年齢にはびっくりしたものの、私はすぐに我に帰った。そうだ、言質をとらなきゃ。


 痴漢しましたよね?


 痴漢の手をガッツリ確保しながらたずねる。


 え? いやぁ、そんなまさか、あはは。


 あはは。じゃねぇよ! さわってただろ! と暴れそうになったが冷静を装い、もう一度問答無用でたずねる。


 痴漢、し・ま・し・た・よ・ね?


 この時点で、恐らく私は車両内で注目の的だっただろう。正直冤罪だ! と言われたら辛い。さぁ、どうなる?


 すみません、出来心で!


 っしゃ! 言質とった! はい決定! この時点でいい具合に駅についた。


 すみません、駅長室、来ていただけますか?

 いや、本当に出来心で! すみません!

 いや、だから駅長室に

 出来心なんです!


 どうしよう会話が出来ない。これは無理矢理にでも引っ張って行ったほうがいいかなぁ? と思っていると、


 おらぁ! お前さっさとこいやぁ!


 近くに立っていた四十歳ぐらいのリーマンが颯爽と現れて、痴漢を連行してくれた。助かるわぁ。でもねおじさん、多分その位置なら私痴漢されてるの見えてたよね? もう少し早く助けてほしかったかな? とまぁ無い物ねだりである。サラリーマンのおじさまが痴漢を連行してくれて助かったのは事実なのだ。ありがとうございました。

 駅長室に連行してもらったのち、当然のように警察に通報。警察を待つ間、私は母親に連絡した。


 あー、もしもし? おかあさん? あのさー、ちょっと○○駅で痴漢にあってさー、帰るの遅くなる。

 はぁ!?


 至極当然の反応である。後日母親談だが、私があまりにもケロッとしているもんだから冤罪を疑ったらしい。失礼極まりない。

 駅に警察がつき、私は警察署へドナドナされた。そういえば、あの日私は晩御飯を食べていなかった。なのでドナドナされる前に警察のかたに頼んでスーパーへ行かせてもらいうどんを買って警察署で食べた。全くもって被害者意識の無い被害者である。

 警察署での取り調べは上記で述べた内容と大体同じことを警察のかたに言った。結果、私を迎えにきた母親が警察のかたに


 娘さん、強かですねぇ・・・・・・。


といわれる結果になった。


 うん・・・・・・。反省してる・・・・・・。

 

 それと、被害届を出すか出さないかを訊ねられた。被害届を出すと、よくわからないが大変になるらしい。犯人が。

 しかし、被害届を出すと私も裁判所にいかなければならなくなり大変らしい。

 結果、面倒だからという理由で被害届は出さなかった。

 なんか警察のかたは出してほしそうだった。


 そして私は迎えに来てくれた母親の車にのって帰った。時間は二十三時過ぎ。遅い! まぁそんなもんなのかな?これの前の露出叫の取り調べも、五時に始まり七時に終わった。これから取り調べを受けるかたは、平均二時間ぐらいと考えといてもらったらよいと思う。


 そして、もし痴漢にあったら。


 動画で捕まえる瞬間を撮影して証拠を残す!

 頼れるのは己のみ、周りは助けてくれない!

 可能なら言質をとる!


の三本です。反撃されたら痴漢もテンパるからね。言質取りやすいと思う。


 ・・・・・・まぁ、痴漢にあわないのが一番なんたけどね!


痴漢ダメ、ゼッタイ。

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