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露出狂に遭遇しちゃった!

露出狂に会ったお話です。



 私が高校一年生の頃だった。ゴールデンウィークに友人と近所のショッピングモールへ遊びに行っていた。近所といっても、電車で五駅移動し、駅から徒歩三〇分という、まあ何いうか、田舎なショッピングモールだ。なんだよ徒歩三〇分って。

 朝から友人とキャッキャはしゃぎ、夕方に帰ることになった。私の家は門限が厳しかったので夕方の四時半にはショッピングモールを出た。田んぼが広がるのどかな道を歩き、駅まで向かう。


 駅まであと五分で着くといった時、向かいから男が一人歩いてきた。

 私はその男の股間にくぎ付けになった。


 

 なんか、出てる!!!


 男の股間から肌色の棒状のもの。言うまでもなくブツである。当時の私は露出狂に遭遇するのが初めてだった。というかブツを見るのも初めてだった。


 えええええー!?!?!?

 こんな田舎で!? 露出狂!?


 私パニックである。

 いや、恐怖から来るパニックではない。

 

 なぜこんなド田舎で露出しようと思った!?


という疑問のパニックである。

 先程もいったが、まわり田んぼ。穏やかな風景。そこに現れた露出男。なんともまぁ似合わない風景である。


 私の脳内がパニックに陥ってるその時、隣にいた友人は露出狂に気付かずずっとおしゃべりを続行していた。私は考えた。


 ここで私が騒いだら、それこそ露出狂の思う壺だ。

 そんなこと、させるものか!


 私の天の邪鬼な性格が、幸か不幸かここで発動したのである。

 私は露出狂に気付かないフリをし、友人とのおしゃべりを続けた。露出狂は、私たちの隣を何事もなく通りすぎていった。露出狂が通りすぎて20メートルほど過ぎたとき、私は隣の友人に、今の人露出してたよ、と伝えた。友人はえー!? と驚いたのち、


 見たかったー!


と叫んだ。


 は?


 どうやら私の友人は、私が思っていた以上に強かだったようだ。


 えー!? さっきのひとだよねー!? と友人が振り替えると、同じく露出狂もこちらを見ていた。恐らく、ここまで華麗な(自分で言う)スルーを今まで受けたことがなかったのだろう。露出狂の顔が、なぜ騒がないのか!? というはてなマークで一杯だったのを今も覚えている。私はその露出狂の顔を見た瞬間に妙な満足感を覚えた。


 さて、駅へついた私たち、どうしようかと話し合った。どうしようというのは、通報するか否かである。


 えー、事情聴取って長いんじゃないのー?

 めんどくさいよねー。


 おおよそ被害者の態度とは思えない発言を繰り返す。結果、


 駅前の公衆電話から電話して、名乗らないで切ろう!


という結論にたどり着いた。しかし公衆電話から110をするなんて始めてである。どきどきしながら電話を掛けた。


 はい、〇〇警察です。

 あーすみません、今露出狂に会って・・・・・・。

 場所はどこですか?

 〇〇駅の前です。


 たんたんと進む会話。そして最後に聞かれた。


 お名前を教えてください。


 それに対する私の返答は、


 えー、教えなくちゃだめですか?


 当たり前である。過去に戻れたら私は確実に当時の私の頭をひっぱたく。結果なんやかんやで捜査に協力することになった。

 いや、なんやかんやで捜査に協力といっても、犯人はすぐに捕まったのだ。そう、20分ぐらいで。


 超早いのな!?


 警察車両のなかで犯人見つけたよーと警察のかたに言われたときは驚いた。普通に近くにいたらしい。


 そのあとは警察署に行き、なんやかんやで質問に答え解放された。そうそう、恐らく書類作成の質問だったと思うのだが、警察のかたに申し訳なさそうに、


 ブツのこと、普段なんていう・・・?


と聞かれたときはたまげた。うん、うーん???

 適当に答えたことは覚えているがなんと答えたかは覚えていない。


 あと、これが個人的に一番大事なことなのだが、警察のかたがイケメンだった! いやほんと、好みドンピシャ!

 これ内緒ね、とおごってくださったファンタの味は忘れません。その素敵な笑顔も忘れません。いやー、かっこよかった。


 そのあとは普通に家まで車で送っていただいた。普通じゃなかったのは、私が母に、


 遊びに行く


ではなく


 図書館に勉強しに行く


と嘘をついていたため、警察のかたがそれを考慮して露出狂に遭遇した場所をうまい具合にごまかしてくれたということだ。本当にありがたかった・・・・・・。


 まぁ結論をいうと、みんな、露出狂に会っても騒いじゃダメだよ!


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