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ボブ・マンソン




「健……ちょっといいかしら?」


「ルミ姉……何のよう?」


あの後、龍が家に帰った為遅刻して登校したルミ姉は学校にいた健を呼び出した。


「俺ちゃんと学校来てンぞ?生徒会長にしょっぴかれる理由はないけど。」


「いいから、ちょっと付き合ってよ。」


ルミ姉が真剣な顔つきで健に言ったため、健も口を紡ぎ黙って席を立つ。


「お〜健、まさか告白か!?」


「ちげェよ。ちょっと行ってくるワ。」


健はジョットの冷やかしに笑いながら返し、ルミ姉の後ろを付いていった。


「で、どこまで行くンだよ。そんなに人に聞かれたくない話?」


ルミ姉は黙って歩き続けやがて人気のない階段の踊場まで来ると足を止めた。


「健……私今日遅刻したんだけどどーいう理由か知ってる?」


「うんにゃ、知らね。」


あの真面目なルミ姉が遅刻とは珍しいな、と思いつつもおどけた調子でルミ姉の返答を待つ。


「……健……今日龍が来てないの……知ってる?」


「……知らねェな……。」


その言葉で急に健の雰囲気が一変した。

口調も目つきも真剣になり、恐怖すら感じ取れる。


そしてルミ姉は話した。


今朝起きたことをありのまま、健に全てを打ち明かした。




「マジか……そりゃマジなンだなルミ姉……?」



「嘘言ってどうすんのよ。」


全てを話し終えたルミ姉はふぅって息を吐いて健を見る。

健は冷静を装っているが、小さい頃から幼馴染みをしてきたルミ姉には健がキレているのがわかった。


「私としてはね健、こんなことはもう止めてほしいの。アナタにも龍にも……またあの頃みたいに……戻りたいから……」


「その考えはルミ姉、大いなる無駄って感じだな。」


健がタバコに火を着けて一服するも、丁度階段を通りかかった教師がいたため慌ててその火を消した。


「つまり、このケンカは多分終わらねェよ。やられたらやり返す……永遠のイタチごっこだ。」


「セーンパイ!!ちょっといいっすかァ!?」


と、突然踊場の上から声がする。

健とルミ姉が声のした方を見ると黒人の少年と歯がない、ガラの悪い少年がいた。


「誰だお前ら?」


健は見たことのない新顔に尋ねる。

見た感じは不良のようだが、健が知らない不良となると新しく来た奴以外には考えられない。


「どぅも〜ピカピカの一年生の『マンソン』です〜。」


歯のない一年坊が階段を下りながら自己紹介をした。


「で……俺が『暴武(ボブ)』だ……。」


マンソンの後ろからはボブと名乗る威圧感のある黒人が付いてくる。


健は二人の名を聞いてピクッと、僅かに反応を示した。



(コイツ等が……今年のルーキーの四人の内の二人か……)



「何の用だ一年坊?」


「わかってンでしょ〜アンタ潰しにきたンだよ〜。」


マンソンはケタケタと笑いながら健に近付いていった。

歯がないように見えたが、それはどうやら歯が小さく溶けていたために無いように見えたのだ。


「お前……マンソンだっけ……?シンナーやってンよな?」


「それがなんだよ!?言っとっけどよ、説教ならもう聞き飽きてンぞ!?」


「いやちげェよ。良かったな〜お前これなら歯が吹っ飛んでも気にしなくていいぞ。惜しくねェだろ?」


健は右手に力を込め拳を握り、マンソンの顎にこれでもかというくらいのアッパーを入れる。


「ぐべっ!!」


マンソンの体は宙を舞いロクな受け身も取れぬまま踊場の床に叩きつけられた。


「へ、歯がないだけに話になんねェなこりゃ。」


「な……!?ワンパン!?」


一撃でやられたマンソンを見てボブは驚きを隠せないでいた。

シンナーで溶けた歯の何本かは抜け落ち、血の海の中で鈍く白い光を放っている。


「テメェ……!!」


一手遅れてボブが動き、健に襲いかかる。

だが健はボブの手を掴むと一気にひっくり返し力の有り様を見せ付けた。


「オメェ俺のあだ名知らねェのか?レックスだぞ?地上最強の肉食獣だぞ?」


「ギャァァア!!テ、テメェバケモンか!!」


「だからレックスだっつってンだろ。」


健は握っていたボブの手を離してすぐさまボブの体にダッキングし、そのまま持ち上げて顔から床に叩きつけた。


「ドラァ!!」


「ゴハッ!!」


ボブの夥しい鼻血は階段の踊り場を血で染めあげ、ボブ自身もあまりの激痛にただ声を押し殺して鼻を押さえていた。


「まぁ精々精進するこったな。これでテメェ等は俺の下だ。」


圧倒的な格差を見せ付けた健は事の顛末を見ていたルミ姉のほうを見る。


「見たかルミ姉……終わるにはこーいう風にどちらかが潰れなきゃ……終わンねェよ。」


それだけ言い残し健は階段を上っていった。






「お〜健おかえり。どうだった?」


「ンなことよりもよォォ〜ジョット、裕二は居るか?」


「来てるけど?」


ジョットは背中越しに親指で裕二を指差す。

そこには包帯を巻いた、新しく傷を作った裕二がいた。


「裕二……テメェわかってンよな?」


「何がだよ?」


「とぼけンな!!テメェまた龍に手ェ出したンだろ!?いい加減殺すぞテメェ!!」


健は裕二の胸倉を掴み、椅子や机を薙払って床に叩き付ける。


「マジで一回血ィ見せてやろうかッ!?あ゛ぁ!?」


裕二の上にのし掛かり腕を振りかぶるが、その腕はジョットによって止められる。


「ンだァ?離せやジョット。」


「離すかよ、オメェどうかしてンぞ?確かに先に手ェ出した裕二が悪いかもしンねェけど、やられっぱじゃ裕二だけじゃなくて俺らも顔立たねェだろ!!ちったぁ落ち着け!!」


ジョットのもっともな言い分に健は黙り込んだ。

そして腕を振り解き、のし掛かっていた裕二から退くと自分の席に付いた。


クラスメートは突然起きたケンカに度肝を抜かれただ見守るしかない。


「……分かったよ。悪かった。」


少し落ち着いた、それでもまだ煮え切らない健は一言だけ謝った。


「そいやさっき一年が二人お前ンとこに来たぞ?」


「あぁ、そいつらなら潰した。」


「早いな。」


「まぁな。」


ジョットの誉め言葉に健は口数少なく答えた。


今健は思った。


もしこのまま龍と戦い続け示しがつかなくなるなら、自分が龍を潰すしかない。

勿論そんなことはしたくない。

だが自分が頭である以上、軍団を任されている以上頭が動かなければならなくなるのだ。



「やるしかねェンか……メンドクセェ……」




『みぃとサリーの後書き無駄使いコーナー』



み「前の答えはロッキーですた」


サ「なんとなく分かってました」


み「毎回毎回後書きを書いていてネタがなくなり作者もヘキヘキしてます」


サ「後書きなぞ無駄無駄無駄ァッ!!」


み「だから無駄使いコーナーっていうんだけどね。あえてノータッチでいきます。」


サ「往年のDIO様の真似です。」


み「はいまぁあえてノータッチでいきます」


サ「ところでここにきてバトルが出てきて作者もバトルを書いているほうが書きやすいとの声があがりました。作者から」


み「なんかキャラ生き生きしてますもんね」


サ「これもまた青春なんだよね」


み「とても〜幸せ〜なハズ〜な〜のに〜何だか〜何でか〜涙〜が出〜るよ〜♪」


サ「あ〜ああぁ〜僕はぁ〜何かぁ〜、やらかしてみ〜たい〜♪」


みサ「そんな〜ひと〜と〜き〜を〜青春時代と〜呼ぶの〜だろぉ〜♪」




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