表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

カレー

くっは〜



「ただいま。」


「おかえりー!!」


「おぅおかえりー。」


今の時間は七時半。

一般家庭では既に夕餉の用意をする時間帯で、龍の家でも例外なく夕食の準備をしていた。


「で、なんでお前がここにいンだよ……?」


「お前に会いに来たから……だろ。」


「じゃあなんで食卓の椅子に着いてンだよ?」


「龍のお母さんにご飯に誘われたから……だろ。」


健と美羽がしっかりと椅子に座り、今日の夕食を今か今かと心待ちにしていた。


「ほら健くん、ご飯出来たよ〜!!」


「うわ〜お母さん、今日は僕の大好きなカレーじゃあないですか〜!!」


「美味しいよ〜!!兄ぃも早く座れば?」


コイツは本当にここで食っていくつもりだと、思った龍は諦めの溜め息を吐いて自分も席に着いた。



だがその反面、嬉しいことでもあった。



普段からどこかしら寂しげな表情(カオ)の美羽が今日はとても楽しそうに笑っている。

一人違うだけでこうも変わるのか……


龍は密かに感謝しつつ『楽しい夕食』を味わった。





「あ〜……喰ったぁ……。」


「おかわりまでしやがってテメェ。」


今は夕食も終わり龍の部屋で食後の一服をしている。


「ふぅ〜……なんで食後のタバコってのはこんなウメェンだろうな?」


「つぅかさ龍、なんで俺がいる時はいつももらいタバコなンだよ?」


「ケチケチすンなよ、俺ァ貧乏なンだからよ〜。」



龍はすはぁ〜と煙を吐いて話を流した。

健も何か腑に落ちないからか首を傾げ、二本目に火を着ける。


「なぁ……龍よ。」


「ン?」


「今俺らン中にはお前を快く思ってないやつがいる……。」


「ふふ……それで?」


別段そんなことは問題ないと言ったような口調で続きを促す。


「いくら俺が押さえてるっつっても限度がある。何時までもやられっぱなしじゃあ俺もあいつらも示しがつかねェからよ。現に祐二の奴がやられてる。」


「だから俺を潰すか……?今ここで……?体面の為に。」


龍はクツクツと笑い火を消して健に問うた。

そして続きを話す。


「だがよ健、俺は守ってくれとは言ってないぜ?お前ンとこの奴らが勝手に仕掛けてきて、お前が勝手に押さえてるだけだ。別にお前は俺の為に立場悪くすることぁねェよ。」


「……つまり……最悪お前を潰す……つぅことでいいンだな?」


「出来るならな。ただ俺はそん時ゃやり返すぜ。俺としてはやられっぱなしじゃ面子がねェからな。」


「上等だよ。」


互いに了承を得たこのいざこざ。

これでもしも龍と健、またはその下の者が闘えど、止める者は誰もいない。



戦争が始まってもおかしくはない状態となったのだ。




そして、皮肉にもそれは最悪のタイミングで起きてしまうのだ。







入学式から五日経ったある日の事……


いつも通りに起きた龍は朝食のパンを食べながら、目覚ましテレビを見ていた。


「ふぁ〜……眠ッ……」


いつも通りに起きていつも通りに飯を食べ、いつも通りに学校に行き、いつも通りに帰って来ていつも通りに飯を食べてそして寝る。


今日もいつも通りの一日が始まるのだ。


「……ふ……あぁぁ……!!クソしよ……。」


朝からトイレに籠もり、新聞を広げてニュースがないか調べる。

とゆったりとしているところに静かな朝には似合わない音が響いた。


トイレのドアを叩く音が。


「兄ぃ……!!いつまでトイレ入ってンの……早く出て……も、漏れちゃう……!!」


「もうちょと頑張って。無理なら漏らしちまえ。」



龍はバサッと新聞を捲り、次の記事に目を通した。


「早ぐぅ〜…!!」


限界が近いと察した龍はトイレを流しドアを開ける。


「空いたぞ。」


「遅いッ!!」


開くや否や美羽はトイレに飛び込み、鍵を閉めて音消しの水を流す。



『今日の最下位はゴメンナサイ、さそり座のあなた……思いがけないハプニングに見回れて大損害……気を付けて行動した方が良さそうです。』


占いの結果を告げるアッキーナが今日の最下位、さそり座の運勢を告げた。


「さそり座……」


龍はさそり座であるが、占いは大して気にはしない方だった。

そもそも何を根拠にさそり座が最下位と決めつけるのか?


それに全国に何万人さそり座がいる?

いちいち気にしては身が持たないと言うのが龍の考えであった。


「あ〜も〜時間だぁ〜!!ほら兄ぃも早く用意用意!!弁当作ってあげたンだから。」


美羽は身だしなみを整えながら龍に弁当箱を投げ渡した。


「それじゃあ私先行くから、あとよろしく。」


それだけ言うと美羽はさっさと出て行き、龍が一人家に残された。



「そう言やぁ……美羽が弁当作るなんて久しぶりだな。」




そんな独り言を呟きながら美羽の手作りの弁当を鞄に入れて、家の鍵をかけて学校に向かう。

自転車通学ではない龍はいつも歩いて学校へと向かう。



時間帯はまだ全然人通りも少ない時間帯で、重なれば時々ルミ姉とも会う。



だが今日は誰もいない。







ガッ!!




急に龍の視界が揺れ、頭に激しい痛みが走った。




「なっ……がぁ……!!」

急な痛みに龍は膝を突き頭を抑えた。


「だ…………誰……だ……コラ……」


頭を割られたかもしれないと龍は思った。

だが頭を押さえても血が出ている様子はない。

ひとまずはまだ頭は割られてはいないようだ。


「俺だよコラ。」


目の前にいるのは逆光で暗くなった祐二がいた。


顔には痛々しい包帯が巻かれ、パッと見では誰だか分からないだろう。


「よくもまぁこの前はやってくれたよなぁ?見ろよ、鼻ァ陥没しちまったぜ……。見ろよ、歯が五本も飛んじまった。」


祐二はガパッと口を広げ、龍に痛々しい口の中を見せつけた。


「なんでお前が無事で、俺がこんな姿しなきゃなンねェンだァ?おかしいよな?」


祐二の手にしたバットからは血が滴り落ちている。


龍はこいつ一人ならばと考えるも、周りにも十人程祐二の仲間がいたので諦めた。


不意打ちされなければ、こんな数は余裕で倒せるが。


「さてと……覚悟出来てンよなぁテメェ!!」



「……クソ……」


倒れたまま、龍はぼそりと呟いた。



『みぃとサリーの後書き無駄使いコーナー』



サ「TOLOVEるエッロ!!」


み「よくもまぁあんなにオープンにできるもんだ。」


サ「規制法が厳しく敷かれる昨今、その道を突き進む漫画に敬意を評する」


み「ところでガルハン本編とギャップが有りすぎるためもう作者はヘキヘキしているらしいです」


サ「も、いっそ夢落ちで終わらせてもよろしくないすかね」


み「ハンター×2もそれらしく終えれますからね」


サ「ピトーは可愛くてゴンはキレてユピーは滅私、ナックルは頑張ってプフは面白おかしく崩壊で、個人的に私はキメラアントでしょうか?」


み「そしてキルアにサックシやられて私は王に踏まれます」


サ「本望だ」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ