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レミントン



翌日、サボりもせず遅刻もせず学校に来た龍は健の姿が見えないことに気がついた。


「なぁ、健って来てねェの?」


「あ?テメェ、レックスくんの敵だろ?何馴れ馴れしく……」


健の派閥の一人だと踏んで声をかけた相手はあからさまな敵意を見せて龍にガンをつける。

だが龍がそれを受け流せるほど人が出来ているわけではなく、胸倉を掴んで壁に叩きつけた。


「何いきなりケンカ腰になってンだよコラ?テメェ覚悟出来てンだろな!?トバすぞ?」


「分かった分かったヤメロよ!!分かったから教えるって!!」



見掛けによらず腑抜けだった相手は龍の脅しに手のひらを返したように態度を変えた。

この腰抜けを見てヤンキーと言えどもやはり色々いるんだな、と龍はしみじみと思い知らされた。



「で、健来てンの?」


「レックスくんなら先輩に呼ばれて今三年の溜まり場の美術室にいるよ。あそこはいつも開いてっから溜まり場になってンだ。」


「シューゴー掛かってンのか。何でヨ?」


「俺は知らねェよ。ただシューゴー掛かったから行くって言ってたンだよ。なぁ、そろそろ苦しいから離してくんねェ?」


「おぉ……時間取らせたな。」


パッと胸ぐらを掴んでいた手を離し、相手の襟元を綺麗に正す龍。



「いやいやいやいやマジで……。じゃあ今後は言葉使いに気を付けろよ……」


ついでなのか、全てのボタンを閉め肩をポンと叩き龍は階段を上った。


「……あれ?美術室って……どこだ?」










「テメェよ、なんで呼ばれたかわかるよな……?」


静かな美術室。

生徒の作った作品や絵が飾られ、所々の壁には絵の具が無造作に付着している。

そんなありふれた情景の垣間見える美術室では机や椅子に先輩等が健を囲むように座っていた。



「ガンマ先輩……俺にはサァァァッッッパリ、分かんないや。」


健は他の先輩等に囲まれ、ガンマと対面するよう形で椅子に座っているが、その態度にへつらいや恐怖は微塵もない。


むしろ挑発的な態度にも見てとれる。


「……レックスよォォォ、昨日オメェンとこのジョットが送られたそうじゃねェか……テメェもそのツラだしよォォォォォォ、二年の頭張ンのはテメェの勝手だがよ、看板にドロ塗ってンじゃねぇよ。」


「看板にドロ?冗談、俺ァ負けてねぇッすよ。それにねガンマ先輩、俺ァ二年の頭じゃねぇ……楠中の頭だ!!腑抜けたアンタ等じゃ頼りになりそうにねェからよ!!」




ダンッッッ!!


健が言い終わると同時に木製の机に彫刻刀が突き刺さった。

ガンマが渾身の力で突き立てた彫刻刀は突き立てたきりで、微動だにしない。


「おい……どの口が言ってやがンだレックス!?周りが少しはテメェを認めてるからってフキ上がってンじゃねェぞ!!」


「アンタこそ声からビビってンのが丸わかりだぜ?俺のせいで俺の影に隠れてたもんなァァ?なんならそのまま背後霊に化けさせてやンか!?」



「テメェ……死んだぞ……?」


「殺してから言え。そーいうのはよ。」


周りの先輩が立ち上がり健に攻撃を仕掛けた。


健はすぐに立ち上がり背もたれのない椅子で周りの先輩達を三人吹き飛ばした。


「グァッ!!」


「ハッハァ!!高々と十人足らずで俺を取れると思うなよ!!」


「ガキがァァッ!!」


背後から急に襲いかかる先輩。

だが攻撃をした直後に健が行動に移せるはずもなく、振り下ろされた警棒を防ぐことは出来なかった。


「ぐっ……!!」


頭に響く鈍い衝撃が健の視界と意識を揺らす。


「オメェ、リンチ喰らった後の体でハンデしょってるクセによく俺らにケンカ売る気になったな?」


「は……これでも足りねェかと思ったけどな……。」


「チッ……その減らず口叩けねェようにしてやるよ。ドタマカチ割ってなァァァァ!!」




先輩は追撃の為、万力を込めて警棒を限界まで振り上げた。



だがその追撃は一人の生徒の登場によって遮られる。


「おーおーおったおった。そして痛々しいツラしとるなぁ。」


先輩らはその生徒を見て固まる。

ガンマも、警棒を振り上げた先輩も。

ただ一人、健だけがその生徒を見ても驚いてはいなかった。


「おう……学校来てたンか『レミントン』……」


「ケンカか……?ケンカやな?やられとるンだな?なら加勢したる。」


そう言うとレミントンは制服を脱いだ。


レミントンの力士のような体が露わになった。



『みぃとサリーの後書き無駄使いコーナー』



サ「viva la vida」


み「美しき生命」


サ「good news for people who love bad」


み「バッドニュースを好む者達へのグッドニュース」


サ「some where in out space」


み「宇宙のどこか」


サ「bleed like me」


み「私みたいに血を流せるの?」


サ「the beautiful people」


み「美しい人々」


サ「conspiracy of one」


み「誰かの陰謀」


サ「androgyny」


み「フタナリ」





み・サ「ちょっ!?」

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