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ここが戦争の中心



「つぅことで……デスネ。」


ムラマサが龍、エリー、ロッキーの三人の前で話をし始めた。


ロッキー含めた江波中制覇から一週間後、大分傷の癒えたロッキーは龍とつるむようにはなった。

今は龍、ムラマサ、エリー、ロッキーの四人でマクドナルドの一角を陣取り話し込んでいる。


「不良界に晴れて入った先輩の為に僭越ながらワタクシ、ムラマサが不良の勢力図を説明しマス。」


そうムラマサが龍たちに告げ、龍を皮切りに拍手が起きる。


「まずは……近隣の中学校からでスネ。江崎が率いる港北中デス。」


ムラマサは紙とペンを取り出し、港北中を円で囲んだ。


「港北中は上下関係が厳しくて、でも一年、二年、三年とそれぞれ独立した軍団になってます。で、江崎は二年の頭でケンカにナイフを使う凶悪な奴らしいです。」


「ふ〜ん……」



さほど興味がないのか、龍は頬杖をつきテーブルの上に広げられた紙を見下ろしながら頷く。


「なぁなぁ、江崎ってのは結構イケメンかな?」


「知るわきゃねェだろエリー。カマ堀りたきゃ勝手にやってロヨ。」


「いいから次話せよ。」


ロッキーが続きを話すよう促す。

ムラマサは今度は紙に書かれた江波中を円で囲んだ。


「で、次がロッキー君とこの江波中デス。楠中(ナンチュー)とは一番敵対関係でしたが、今は先輩と組んでマス。」


「ンなこたァ……知ってンだよ。次。」


「はい、次は……先輩と敵対している紅楠中のッスネ。」


紙の上に紅楠中と書かれ、それを同じように円で囲む。


「今紅楠中の最大の軍団……レックスの軍団には戦力が揃っていマス。まずレックスの右腕『ジョット』。今は学校に来てませんがレックス軍団の中核『レミントン』。そして最近では一年生のルーキー『マンソン』と『暴武』。そして最後に『レックス』。マンソンも暴武もレックスに一発でやられたって噂デス。」


「化け物みたいだな。」


エリーが多少ウンザリしたような口調でそう呟いた。


「本物の化け物ならいるぜエリー。」


ムラマサは紅楠中、江波中、港北中と書かれた図式から少し離れた所に新しい図式を書いた。


「チーム『エミリア』を率いていた怪物……偶然にも先輩と同じ名を使っていたドラゴンこと島津龍兵。」「そいつなら俺も知ってる。」


今まで口数の少なかったロッキーが急に反応を示した。


「怪物東堂と互角以上に戦った、金髪のドラゴン。伝説のヤンキーだろ。」


ロッキーがムラマサの話を汲み取り、内容を話した。

ムラマサはコクリと頷く。


「今はもうやつはいませンガ、ガービッジ、ストーム、エミリアはここらへんのギャングとしてパワーバランスを保っていマス。」

ガービッジに続き、紙に新たに書かれていくホーンテッドとエミリアの文字を龍はボンヤリと眺めていた。




そして同時に思った。




(なんでこんな……ゴチャゴチャした事しなきゃなンねェンだ?ただのケンカだろ……)。


「最近では龍兵が抜けたためこの三つが均衡しあって争ってまスガ、今レックスがエミリアを取り込むンじゃねェかって噂されてマス。こんくらいっスネ、今の所は。」ペンにキャップをし、ムラマサは話を終えた。



「ゴクローサン。で、どうすンだドラゴン。」


「え……?何が?」


呆けていた龍はロッキーの声によって現実へと戻される。


「何がじゃねェよ。いつやるんだよレックスをヨ。」


「あ、あぁ……どうするかな……。」


「打つ手ないなら……まずは兵隊増やすしかねェな。」


ギシッと背もたれに体重を乗せ、ロッキーは龍を見る。


「は?なんで兵隊なンだよ?軍団あんだろ?江波中のよ。」


「アホか?テメェらで潰したンだろーがよ。」


「あ〜……なんか悪ィな。」


龍はいたたまれなくなり、ジュースのストローをかじった。


「なんか、的場先輩カワイイッスね。」


「ウルセェ。黙れエリー。」


脈絡なく唐突に言うエリーに机の下で蹴りを入れる。

龍は一度窓の外を見た後、何を思ったのか席から立ち上がる。


「もう今日はダリィからよ、俺ァもう帰るワ。」


「そスカ。失礼しマス!!」


「イテテ……お疲れ様っす。」


ムラマサとエリーが上目遣いで挨拶をし、ロッキーは無言で手を振る。


「あぁロッキー……これは戦争だがヨ……間違っても健には手を出すな。これは俺と健のケンカなンだからな。勝手なことすンなよ?」


龍はドスの利いた声で入念にロッキーにそう告げた。

ロッキーは笑いながら、しかし無言で手を振る。


それは了解の合図か、それとも忠告をあしらったのか。


龍には分からなかったが、何も言わずにマックを後にした。


「ロッキー君てサ、先輩と仲良イノ?」


「仲良しとは言えねェなぁ。会ってまだ一週間だし。」


その上叩きのめされたのだ。

間違っても仲が良いとは言えないだろう。

ただ利害の一致で龍とロッキーは手を組んだのだから。


「お前等はなんでドラゴンの下に付いたンだよ?」


今度はロッキーが二人に質問をする。


「ン〜……最初はエリーが先輩と闘り合うとか言い出シテ。」


「で、俺がケンカに負けてその場でリベンジかましたムラマサも負けたから下に付いたの。」


「逆らおうとはしなかったのかよ?」


黙って聞いていたロッキーはさらに質問を続ける。


「しなイヨ。先輩強いし、何よりカッコイイカラ。なんかあの人に付いていきたいかラサ。あの強さは憧れルネ。」


「俺は先輩がカワイいからかな。レックスも結構いいンだけど、やっぱり先輩のがいいや。」


ムラマサとエリー、二人の各々の龍への慕いを聞いたロッキーは「ふぅん……」と曖昧な返事だけ返す。


「なぁ……今からちょっと動くンだけどよ……。ちょっと協力してくれや。」


「協力?」


「そ。もちろんこれはドラゴンの為にもなるんだ。」


何かを企んでいる笑みを浮かべロッキーは二人を見る。

だがエリーの方があまり乗り気ではなく、手をこまねいていた。


「でもさぁ……ロッキー君、先輩が勝手なことするなって……」


「関係ねェって。それにアイツの為なんだからよ。」


ロッキーはニヤリと悪どい笑みを浮かべ、携帯で仲間と連絡を取る。


ムラマサとエリーは黙ってそれを見ているしかなかった。





『みぃとサリーの後書き無駄使いコーナー』



み「最近巷ではコメディクロスオーバーが流行っているらしい」


サ「出たかった?」


み「それは作者に言ってください」


サ「まだガルハンすら終わってないのにまだ他に小説抱えてるのに出来るわけがない」


み「だよね。でも噂じゃ作者はガルハンが終わるあかつきには何かやらかすらしい」


サ「極秘情報ですか?」


み「極秘情報ですな」


サ「ルドラも早く書き上げないとね」


み「仰るとおりですな」

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