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ドラゴンくん

ガールズハントもよろしく



「……ん……あ……」


「お、先輩ロッキー起きましタヨ〜!!」


カラオケボックスでケンカし、龍たちは圧勝したあとカラオケで歌っていた。


龍にやられたロッキーは今やっと目を覚ましたところである。


『火をあげろ♪HEY怒鳴れステリィオ♪HEY YO!!』




龍とエリーがノリノリで歌っていたが、ロッキーが気がついたので龍はロッキーの方へと歩み寄る。


「よう大将……。気分はどうだ?」


「……歯が折れたぜクソ……」


「そりゃ悪かったなロッキー。」



謝る龍だが悪びれた様子は全くない。

だがそれが当たり前なのだ。

歯が折れるなどは、起きて当たり前である。


『で……勝手にお前等にケンカ売って悪いとは思ってンけど、ルールはわかってンよな?つぅかエリー!!歌ウルセェよ!!消せ!!』


龍はマイクで拡張された声でエリーにそう言い放つ。

エリーは一度ビクッと体を震わせた後急いで中止ボタンを押した。


『さてと……わかるよな?負けたらその下につく。不良のルールだ。』


「『断る』つったら?」


『首縦に振るまでテメェをスコる。』


龍は笑みを浮かべ、ロッキーの顔を覗き込んだ。

ちなみに『スコる』とはボコるの更に上の表現法として、この地域の不良たちの間で使われている。


「テメェどこのモンだヨ?」


紅楠中(こうなん)だ。」

どこの中学か聞かれた龍は素直に答えた。


「ククッ……まさかレックスじゃなくてテメェみたいな名前も知らねェ奴にやられるとはヨ……」


半ば自嘲気味に笑うロッキーは力無くうなだれ、ペッ……と血を吐いた。


「おいムラマサ、レックスって……誰のことだ?」


「安達健のことっスヨ。三年生を抑えて今最も紅楠中の頭に近い存在ッス。」


ムラマサの説明により明らかになった健の実態は、龍により確かな戦力差を思い知らさせた。


やはり下克上には対抗しうる兵力が必要である。


「まぁそのレックスよ……俺はそいつを潰すつもりなンだワ。だからよ、お前等江波中が必要でな。下につけ。」


「は……そーいうことかよ……。お断りだ。」


ロッキーは最後の方に力を込めて言い放った。

ムラマサとエリーが拳を握り武力行使に移ろうとすると、ロッキーは『ただ……』と言葉を続けた。

「下にはつかねェが、手は組んでやる。対抗したいンだろ?レックスによ?」


「ククッ……!!負けた分際でどの口がそう言ってやがンだか……。でもまぁこの際四の五の言ってらンねェからな。それで手を打ってやるが勘違いするなよ?あくまで俺がそれで手を打ってやるだけだ。あんましゃしゃったことすると潰すからな。」


「ハッ……!!ナメンなドラゴン。」


龍はロッキーに手を差しだし、ロッキーはそれを掴むとグイッと引き上げられた。


多少のダメージが残っているせいか、足元がおぼつかないロッキーは壁にもたれかかる。


「とりあえずは……江波中制覇ですね。」


「まぁ……とりあえずはそー言うことになるな……。」


タバコをくわえた龍にすぐさま火を着けながらエリーは言った。




的場龍、改め通称『ドラゴン』。

軍団構築、及び江波中制覇。






翌日から、的場龍ことドラゴンが三人で江波中を制覇したことが近隣の中学校に波紋を起こし、『ドラゴン』の名は一気に上がった。


それは『レックス』こと健のいる紅楠中も例外ではなく、噂は当然健の耳に入る。


「おう健……江波中が落ちた……あのロッキーはドラゴンに喰われたぞ。」


「……ジョット、ドラゴンて誰だ?まさかあの『ドラゴン』か?」


騒がしい教室内、二人だけで話し合う健とジョット。

だが誰も彼もが彼等の話を聞こうとはしない。


「オメェのツレの的場だ。あの野郎、マジで俺らとやるつもりっぽいな。」


真剣な顔で話すジョットだが、健にとってはさしたる問題ではないようで、相も変わらぬ調子で会話を進める。


「『龍』だから『ドラゴン』か。成る程ねェ……。ま、そんな気張るこたァないやな。どうせ江波中なンぞ数だけで気合いの入った奴なんていねェンだからよ。龍がそれでもやる気なら……潰すだけだ。」


その表情は確たる余裕があるようで、それは強者として、そして紅楠中の覇者としての余裕の表れでもあった。


「だがま、戦力が多いことっつぅのに問題はねェからな……『エミリア』の奴らを引き込むか。」


「あいつらか……なんか本格的にやる気になってきたよな健……?」


「案外よ、俺らの敵は江波中とか港北中とかじゃあなくて龍なンかもな。」

皮肉を込めた笑みを浮かべ健は言う。



今、紅楠中で大きな戦争で起ころうとしている……。




それは頂点(てっぺん)を取るだとか、最強になりたいとかそーいう単純な理由よりも単純な、もっともっとシンプルな理由。




『ケンカに勝ちたい。』




そんなシンプルな想いの、(ドラゴン)(レックス)との巨大な戦争が始まった。




『みぃとサリーの後書き無駄使いコーナー』



み「負けました」


サ「完皮なきまでにね」


み「まぁその話は置いといて」


サ「ぶっちゃけどうでもいいですしね」


み「外伝もやっとケンカが起きてきましたね」


サ「ぶっちゃけそれなかったら外伝ではないけどね」


み「しかし本作『ガールズハント』ではヘタレやらギャグやらやってる龍と健さんがね」


サ「まさか中学時代はこんなギャングキングみたいなあだ名でR-16みたいな青春送ってたとは」


み「まるで作者の中学時代そっくりですな」


サ「作者は元不良なんですか?」


み「いえ普通に野球少年ですが?」


サ「…………」




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