町への道筋 その②
今回とても短いです。お許しを!!
「………おっ、そろそろ森を抜けるぞ」
そう言うガンダルの前方には、木々が減り、露出した岩肌などが目立つ光景が広がっている。その方向へと更に進むと、その全貌が露わになる。
森を抜けた先にあったのは、高低差の激しい地形だった。高い所だと小さめの山のようになっており、極限にまで低い所だと崖のようになっていたりと、さっきの森の進み難さが嘘かと思える程である。
「こりゃ………凄えな………」
ララの腕の中で、ウェーガンはただただ目の前の光景に見惚れていた。何せこんな光景、前の世界では中々お目にかかれないからだ。
「感動してる場合じゃないよ」
見兼ねたララに言われた言葉である。
「この先には、この辺り一帯の主の巣がある。そいつとは会わぬよう、慎重に行くぞ」
「分かってるって………」
「分かってまーす」
「………主?」
ガンダルの忠告に返事をする二人に対して、ウェーガンはララの腕の中からはてなマークを頭に浮かべてガンダルを見つめる。
ウェーガンの視線に気づいたガンダルは、
「主ってのは、その地域一帯で最強に君臨してる魔物のことだ」
「んなことは分かるわ!俺が知りたいのは、その主がどんな奴かってことだよ………」
そう言うと、横で二人のやり取りを見ていたジャラックが口を開く。
「ここの主は『バジリスク』っていう魔物だ。蛇みてぇな身体してて、ついでに猛毒も持ってて、結構厄介な奴なんだわ」
「へー…………」
ジャラックの説明を聞いて、ウェーガンは以前の世界で得たある知識を思い出す。
(バジリスクっつったら、RPGとかで頻繁に出てくるなあ…………でも強さとか作品によって違えし………見てみない事には分かんねえな………)
そんなことを思っている間に、三人はエドネへと向かう為に、険しい道を進んで行く。
進んで行く三人を、崖の下から覗く影があった。その影は大きく、長く、その目は赤黒く、鋭かった。その目が遠目から、ララに抱き抱えられている一見ニワトリのぬいぐるみから目を離すことは無く、コッソリと彼等を睨みつけているのだった。