短歌五首
今回は恋愛っぽい短歌を集めてみました。
そのうちツイート感覚で毎日一首ぐらいさらっと詠めるようになったらいいな。
常緑の杉に連理の古楓 我も添いたし色は移れど
【 京都の貴船神社に、杉と楓が同化してほとんど一本の樹みたいになったものがあります。先日行ってきたとき、七夕ということで願い事を書いた短冊を境内の笹に付けられるようになっていました。和泉式部に所縁のある神社なので、願い事を書くなら短歌にしたかったのですが、その場では詠めず,帰ってきてから詠んだものです。昔の人はその場でさらりと詠むのでしょうね。私はまだまだ未熟者です。】
腕の中 君の香りの闇の中 潜る 埋まる 飲まれる 溶ける
【 熱が出たときって、寂しくなりますよね。先日夏風邪を患って、ここ数年出したこともないような熱を出しました。しかも熱って、夜になると上がるもの。夫は生憎の夜勤で、一人の夜。寂しいし辛いし朦朧とするし。そんな朦朧の中での一番の願い事を詠みました 】
馬鹿野郎 物で寂しさが埋まるなら あたしは最初から君など要らぬ
【 恋の歌と思わせておいて実は「犬のきもち」。飼い主に留守番させられることになって、ぬいぐるみを渡される。飼い主は犬が寂しくないようにと渡したけれど、飼い主のいない寂しさは何を貰っても埋まらないんだから!という犬の叫びです。】
小説と言う名の長きフェアウェルソング あれやこれやと 苦しく詰めて
【 今でも懐かしく思い出す存在ではあるけど、色々あって本人に直接連絡を取ることが出来なくなった、そしてこれからもそれが叶うことはない相手に。そうなる前に挨拶もできなかった相手に。小説を書くことで、気持ちを送れればと思います 】
一点の曇り無く笑む顔よりも 天睨む顔の 愛しきなりや
【 「愛しい」と書いて「かなしい」とも読むことを、だいぶいい歳になってから知りました。「哀しい」にも通じるような読み方。どうしてこんな読み方をするようになったのでしょうね、愛することは哀しいくらい切ないとかそういうことでしょうか……って、多分ググればすぐ分かるのでしょうけど、なんだかそうしたくないのです。もしかしたら全然違う理由があるのかもしれないけど、最初に推測した理由を信じていたい気がして 】